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マテーラでNo.1のレストラン「La Lopa」。マテーラ郷土料理をご紹介(旅するイタリア料理@Matera, Basilicata)

旅するイタリア料理、今回は南イタリア、バジリカータ州のマテーラ。

イタリア家庭料理研究家が、マテーラの家庭料理を食べる場所として、心からオススメしたいレストランを紹介します。

La Lopa

今回は、光栄なことに、マテーラで最も有名な郷土料理レストランにご招待頂きました。

マテーラはあらゆる有名な映画の舞台になっていますが、このお店は、その俳優やスタッフたちがこぞって通う町一番のレストラン。

とはいうものの、私はそういった事のに疎いのですが、食べてみて、感銘を受けました。

クッチーナ・ポーヴェラ(庶民料理)がそのまま出てくるからです。

盛り付けなどは勿論美しいのですが、奇をてらわない素朴な家庭料理。

一品一品食べるごとに、「あぁ、イタリア料理はなんて奥深いんだろう。」と思います。

なんというか、魂がこもっているのですよね。
家庭で料理を作ってきた、その息を感じるのです。

ここのレストランは、こだわって地元のものを使い(これは今日ではより困難な選択)、おばあちゃんのレシピに忠実に、それでもって人に感動を与える料理を出してくれます。

洞窟の雰囲気も、揃えるワインも、言うことなしに超一流なのですが、
やっぱりこの家庭料理感に、私は心を打たれました。


マテーラの郷土料理

Cialledda fredda Con pomodori, caroselli, cipolla e pane di Matera

Cialleddaというサラダ。
トマト、マテーラパン、オリーブオイル、素材がそのまま活きて、体があぁ美味しい、と感じます。

Involtini di melanzana alla parmigiana

ナスのパルミジャーナ、中身はシンプルにプロシュートコットとスカモルツァ。家庭の味〜。

Baccalà mantecato

「なぜバカラがマテーラに!?」と思うでしょう。
実は、マテーラは15世紀には地中海交易によって繁栄していた町だったのです。その時にもたらされたものでしょう。内陸で食べられる魚は、ほぼバカラのみです。

Orecchiette con calzoni di ricotta dolce con ragù di carni pregiate

オレキエッテ、リコッタの入ったカルツォー二を、マテーラ風ラグーソースで。

Calzoniは、マンマのお母さんのノンナ・ルチアの得意料理(プーリアではCalzoncelliという)なのだけど、グラヴィーナとマテーラはわずか15km程度しか離れていないので、州は異なれどプーリアと似ています。

Ferricelli con peperone crusco e mollica di pane di Matera

Ferricelliは初めて聞いたパスタなのだけど、レッチェのSagneというパスタに似た、クルクルっとした手打ちパスタ。絶品。

マテーラ名産のペペローニ・クルスキのソースに絡ませ、新鮮なストラチャテッラを載せ、マテーラパン唐辛子オリーブオイルで作ったパン粉がかかっています。

“U Cutturidd“ detta “Pignata“

6時間以上煮込んだ骨付き羊肉。ホロホロと溶ける。

これはプーリアにも。農民が耕作に出かけている間、テラコッタで弱火で煮ておくのとか。

Salsiccia Pezzente lucana

ペペロ二やフェンネルシードを混ぜたバジリカータ風サルシッチャ。野菜と仕上げた一品。美味しすぎる。。

Gelato artigianale "Cottino di Miglionico"

いちじく、アーモンド、野生フェンネルの手作りジェラート。素晴らしい。


家庭の愛をここまで昇華させられるものなのか。素晴らしい料理に幸せな気分に包まれました。

食卓は人と囲むから食卓になる

アントネッラと食事をしていたら、旦那様が2人の友人と登場し、途中から5人で食事を。

ダンディーなベネチア人に、優しいバーリ人、上品なマテーラ人夫妻に、元気な日本人。

揃ってキャラが濃い。

けれど、バランスが取れるのが食卓の良いところ。

「俺たちがAoiを送るから」と張り切っていたのに、途中からベネチア人が「俺はベネチア人だぞ。水は体に悪いがワインは体に良い」と言ってよく飲むので、バーリ人が黙ってハンドルを取る。

深夜の高速をアルファロメオが140kmで走る。

ロゼの余韻を楽しみながら、心地よい眠りに包まれた。

食卓は、人と囲むから食卓になる。

さて、次の旅もお楽しみに。

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