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甘えたい欲、甘えられたい欲

 昨日の夜、ものすごくさみしくなった。
 さみしくなる理由って色々あって、心が弱ってたり、体が弱ってたり、すけべが暴れてたり。
〈本当にすけべを隠さなくなったわね…〉
 まあ、つまり、さみしくなるのは、僕にとってよくあること。
 ……だからといって放っておいていいことでもないんだけど。

 で、さみしいときって、たいてい、甘えたくなる。
 ただ、昨日は、ちょっと、「甘えられたい」とも思って。


シャル
主人公
〈ロミルダ〉
妖精


〈甘えられたい?〉
 ほら、甘えられることで、自分の存在意義を感じたくなって。
〈頼られたいってこと?〉
 んー……ちょっと違う。

 僕が持ってる言葉のイメージとして、「頼られる」って、僕の能力が求められてる感じがするんだ。

 それはそれで、自分の存在意義を感じられると思う。
 ただ、たぶん、僕は、頼られると、自分の持つエネルギー以上のことをしようとする。
 それでいてなお、足りないところが気になりそう。

 つまり、疲れ切っちゃう。
 自己肯定感の向上どころじゃない。

 まだそういうバランスを取るのはへたっぴなんだろうね。

 対して、「甘えられる」は、僕自身が求められてる状態。
 代わりなんていない、僕自身が必要とされてる。
 それはきっと、甘えられつつも、僕の心も癒やしてる状態だと思うんだ。


 というわけで、ロミィ。
〈なに?〉
 ぞんぶんに甘えていいよ。
〈そうきたかぁ…〉

〈そう堂々と言われると、ちょっと恥ずかしい〉
 最近恥じらいが強いね。思春期?
〈シャルほどじゃないと思う〉
 たしかに。

 でも、これは高度な演出だから。
〈演出?〉

 僕が「甘えられたい」と高らかに宣言することによって、大切な人がいる読者さんに、甘えられたいと思ってもいいと、甘えられたいと思われてるから甘えてもいいと、そう信じる勇気を提供したくて。

〈……大義名分なんて、らしくない〉
 やっぱり?
〈結局甘えられたいだけでしょ〉
 そうかも。

 ……で、甘えてくれる?
〈それは………うん〉


〈いいよ〉

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