見出し画像

発達障害のある子に多い不器用さ。感覚刺激のインプットの工夫をしてみるのもありかも。

今日は、息子と息子の友達ニックを連れてフードコートでランチ。二人ともラーメンにしたようなんだけど、ラーメンとお水をトレーに乗せて運んでくる姿が危なっかしい…。「これはちょっとヘルプかアドバイスがいりそうだな…」と二人の元に行こうとした時、ニックがお水の入ったプラスティックのカップを床にバシャーン…。

息子はアスペルガー症候群、ニックはPDD広汎性発達障害の診断をそれぞれ3歳の頃に受けたんだけど、診断名は違えど二人に共通して言えるのは、体のイメージをつかむの力が弱いゆえの不器用。

フードコートのプラスティックのトレーって表面がツルツルで、食べ物を運ぶ時にトレーの上ですべちゃってこぼさずに運ぶってけっこう難しいよね。でもなんとかこぼさず&落とさず運べるのは、トレーの上で食器が滑った感覚(のインプット)の情報を元に、体が反応(運動のアウトプット)をしてるからなんだよね。

不器用な人ってね、一見、運動のアウトプットに難があるように見えるよね。「トレーをまっすぐ持つのが難しい」って感じね。でもね、息子とニックの不器用さの原因は、きっとインプットされた感覚情報の処理にあるんじゃないかなって思うんだよね。「トレーの上で食器が滑っている」っていう目や手・腕からの感覚情報がうまく脳に伝わって無い感じ。だから「滑っている事に気づけない(気づくのが遅れる)からこぼさないようにと取るリアクションが遅れ、こぼしちゃう」んじゃないかな。

こんな風にね、人が何か行動する時、感覚器官で感じた感覚を脳に伝達し、脳からどう動けばいいかの運動の指示がでるんだけど、いわゆる「不器用」と言われる人は、実は手先の器用さっていう「運動系」だけに問題があるんじゃなくて、見たり、触ったりして得る「感覚刺激のインプット」にも難がある事が多いんじゃないかなって思うのね。

例えば字を書くのが難しい子に姿勢を正したり、正しい鉛筆の持ち方を教えるのも大切だけど、字を書く時に手や指先から感じるべき触覚のフィードバック、指先、掌、手首、肘、肩の動きから得る筋肉や関節の動きのフィードバック、目から得る情報等を「感じやすく」してあげるのも大切なんだよね。

そう考えるとね、学校の机なんかは表面がツルツルで、その上でプリントに字を書いても適切なフィードバックを得にくいけど、会社の机なんかにひくシリコン素材の透明な保護シートみたいなやつ(デスクマット?)の上なら筆先が沈んで指や手のひらに感覚のフィードバックを感じられて書きやすいのは、そういう事なんだろうなって思うんだよね。あれ、支援が必要な子の机に敷いてあったらありがたいかも。(スケジュールとかメモとかもはさんでおいていつでも確認できるからね)

実は私もそんな感覚のフィードバックを得やすいように、ノートをとる時はツルツルの下敷きのかわりに厚紙ひいてるんだよね。ペン先がちょっと沈んで伝わってくるフィードバックがないと私も字が綺麗に書けないんだよね。パソコンのキーボードでも、キーをタイプした感触がある物の方が楽。だからタッチパネルやタッチペンを使うのは苦手…。

また、発達障害のある子達の多くは、動作が遅かったり、動作のエラーが多かったりするんだけど、これも「感覚のインプット」の弱さが起因である場合が多いんだよね。

例えば暗闇の中を歩く時、誰だっていつも通りの早さでスタスタ歩けないし、ぶつかったり躓いたりのエラーも増えるよね。これは視覚情報のインプットが妨げられることで適切な行動ができなくなってる状態なんだよね。発達障害の子の中には、これと同じようなことが「日常的」に起こってる子が多いんだよね。ふざけてたり、怠けてるんじゃないんだよ。

だからそういうタイプの子には「間違えないようにしなさい」「早くしなさい」じゃなく、どうすればいいのか、どうすれば感覚情報を上手くキャッチできるのかに向き合ってあげてほしい。暗闇なら懐中電灯を手渡す事で視覚情報を得やすくするような工夫ね。
例えば、
●うまく筆記用具をコントロールできない子には、デスクマットやサンドペーパー、厚紙を下敷きがわりに使ってあげるとか
●鉛筆やペンなどの握る部分を太くして感覚のフィードバックを感じ取りやすくしてあげるとか
●ツルツルのトレーで運ぶのが難しい子には、滑りにくい素材のトレーを用意するとか、シリコンやゴム素材のシートをトレーに敷くとか

発達障害の子達は、こういうひと工夫が必要な子達。
そして、こういうひと工夫で「できない」が「できる」になる子達。

だからちょっと頭の隅に「子供が困っている時は、”その子に合った工夫”をまず見つけようとしてみよう」って覚えておいてもらえたら嬉しいです♪

たくさんの方々に読んでいただいたり、支援方法を参考にしてもらえたらと思い記事を無料公開していますが、 今までもこれからも勉強を続ける私の為に「投げ銭」という形でご支援いただければすごく励みになります。 よろしくお願いします。