(読書)ハリネズミの願い
トーン・テレヘン
約 長山さき
(電子書籍)
(内容紹介)
親愛なるどうぶつたちへ。
きみたちみんなをぼくの家に招待します。
……でも、誰も来なくてもだいじょうぶです。
ある日、自分のハリが大嫌いで、
つきあいの苦手なハリネズミが、
誰かを招待しようと思いたつ。
さっそく招待状を書き始めるが、
手紙を送る勇気が出ない。
もしクマがきたら? カエルがきたら?
フクロウがきたら?
――臆病で気難しいハリネズミに
友だちはできるのか?
オランダで最も敬愛される作家による
大人のための物語。
もっと早く読めばよかった。
はりねずみが好きなのに、いや、好きだからこそ
勿体なくて読むのを先延ばしにしてしまった。
はりねずみは本当に臆病ですぐハリを立てて
フシュフシュして、
たまにお腹を見せて撫でさせてくれるけれど
次の日になるとまたフシュフシュと丸まって
毎日その繰り返し。
でもそこがとても愛らしくて、愛おしくて。。
ネガティブで臆病な自分と重ね合わせて
はりねずみと接していたのもあって
するりと本の内容が入ってきた。
家にいたはりねずみ達の呟きを
読んでいる気がした。
カミキリムシの手紙の文章が印象に残った。
「自分のままでいたらどうでしょう? 孤独で、
なににも確信がもてなくて、
少し不幸かもしれない。
でも、少し幸福でもあるのでは?
自分を訪ねてくるどうぶつたちを
頭のなかでつくりだしてみるといい。
そのどうぶつたちと話をし、踊り、
キミって思っていたより ずっと親切なんだね、
と言わせればいいでしょう?」
はりねずみ以外の動物達もみんな魅力的だった。
カメとカタツムリのコンビが特に。
読み終わってすぐに同作家の2冊を購入した。
「きげんのいいリス」
「キリギリスのしあわせ」
でもまた勿体なくてすぐには読めないかも。