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日本と中国の著作権に対する意識を調査

インターネット上のコンテンツや情報の取り扱いには注意が必要といわれます。インターネットや見聞などの情報を適切に収集、整理、利用、発信するための能力のことを指す、情報リテラシーという言葉を耳にすることもあるでしょう。情報を正しく取り扱うことは意外に難しいものです。

今回は日本と中国の著作などの権利に対する意識の違いについて調査してみました。この記事はあくまでも当note編集部員が独自に調査した内容です。国や人々を否定したり断定するものではありません。あらかじめご了承ください。

平成27年版 情報通信白書より

SNSに対するリテラシーやモラルなどは、実際どのような認識がなされているのでしょうか?平成27年度版情報通信白書の第2部に、SNSを利用する際の意識について調査した結果があります。

SNSを利用する際に、「本人の許可なく他人の個人情報やプライバシーに関する情報を書かない」などの一般的な注意事項にどの程度気をつけているかを尋ねた。その結果をみると、「非常に気をつけている」と答えた人と「気をつけている」と答えた人を合わせると、例示した注意事項については、SNS利用者の約9割が気をつけていると回答している。
(平成27年度版情報通信白書 第2節「ソーシャルメディアの普及がもたらす変化」より引用)

この調査によると、自分以外の他人の個人に関わる情報をインターネット上で書かないように気を付けているという人は、対象者1,178名のうち9割に登ります。(対象者のうち半数は30代以下です)

SNSでよく見かけるドラマの切り抜き・・・

ある日TikTokを見ていた時のこと。

ドラマやミュージックビデオを一部抜粋し、10〜30秒程度の映像に加工している投稿を見つけました。特に好きなシーンや、見て欲しいシーンを切り抜いているようだったのですが、これは著作権を侵害しないのでしょうか?

放送局や映画配給会社のホームページを調べてみると、おおむねどの会社でも、基本的に私的利用を超えた場合は許可が必要だと明記されていました。テレビ番組などの映像を使う場合、番組の製作者以外にも原作者、脚本家、出演者、音楽家などの様々な立場の方の権利が含まれているため、これら権利者の承諾が必要だとしています。

その上で、SNSなどで映像を投稿することは著作権侵害であり、違法だと書かれています。参考までに、TBSには以下のように書かれていました。

TBS の番組をご自身で録画・録音して、家庭内で楽しむことは自由です。
しかし、録画・録音した番組を他人に譲ったり販売したり、インターネットで視聴できるようにしたりすれば、非営利であっても著作権侵害となります。個人のブログやSNSへの転載も同様に著作権侵害となります。
また、違法にアップロードされた番組を、違法動画であることを知りつつダウンロードした場合には、家庭内での利用であっても違法ですのでご注意ください。(TBS 著作権とリンクより抜粋)

SNSに投稿されている映像は、ひとつひとつ許可をとっているとは考えにくく無断転載だと思われます。他人のプライバシーに関わる情報へのモラルはあっても、映像などのコンテンツへの意識は低いのではないでしょうか。今回の記事はそんな思いから調査をしました。

中国でも月額制動画配信サービスが人気

CHReportメンバーには中国人スタッフがいるため、このことについて率直な感想を尋ねると、『確かに中国でも著作権への意識は低いと思う。でもそれは最近少しずつ改善傾向にある』との返答がありました。

現在中国では、日本でも馴染みのある月額制動画配信サービスが存在します。

こちらのiqiyiというサービスでは、主に中国国内で製作されたドラマやテレビ番組が放送されています。近年このサービスが認知されてきたそうで、比較的若い世代には、有料で会員になりコンテンツを楽しむという人が増えてきているようです。

海賊版を楽しんでいた人たちがいたことも事実

一方で、海外作品が中国に入ってこなかった時代、規制された作品を楽しもうとあの手この手で映像を楽しもうとしていたことも事実です。

その当時、海賊版の映像を見ることは特別なことではありませんでした。映像に字幕をつけることができるサイトも人気で、英語や日本語の勉強がてら、入手した映像に字幕を付けて公開している人が大勢いました。単なるサイトというよりはコミュニティに近いものでした。

中国ではこういった字幕サイトを運営していた管理人が逮捕されたというニュースが話題になりました。

2003年に発足した字幕コミュニティは、会員数を増やしていき、2006年6月1日にはインターネット上でイベントを開催するまでに大きなっていきました。現地のニュースサイトによると、映像コンテンツを侵害した罪により、3年6ヶ月の有罪判決と150万元(日本円で2,600万円超)の罰金が命じられました。

このニュースに対し、インターネットではあまりに重すぎる判決に不満の声が多くみられます。

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SNSへの投稿

中国でもSNSにドラマやミュージックビデオの映像が投稿されているようです。先ほど紹介したiqiyiやテンセントなどのコンテンツを作成している企業は、著作権を侵害されたとして、SNSに自社のコンテンツを無断で投稿をするユーザーを訴えはじめています

そういった動きに対して、著作権の侵害を理由に妥当だと判断する人がいる一方で、大多数がコンテンツ元である企業へのネガティヴな反応が多いことに驚きました。以下は、ニュースサイトによるコメント欄です。

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もちろん中国も日本同様に著作権を守る法律があり、許可なくコンテンツを利用してはいけないとされています。どちらもルールはあるが、管理がなされていないのではないでしょうか

CHReportも情報を取り扱う立場として、改めて身が引き締まる思いです。CHreportは中国のリアルなカスタマーボイスを日本へ届けるのが指名です。今後も、こちらのnoteにてCHReportや中国の情報をお伝えしていきます。ご興味のある方はぜひお問い合わせください。最後まで読んでいただきありがとうございました。


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