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アポロ月着陸を支えたコンピュータ技師と福音

アポロ11号アームストロング船長らが月面着陸を果たす1年前、NASA(アメリカ航空宇宙局)の、電子計算機(コンピューターという言葉も一般的ではなかった)部門の責任者、ハーバート・ミッチェルさん(55歳)が来日し、多くの学生たちの前で、「私にとって科学者であるより、クリスチャンであることの方が大切です」と証しした。
(そのことを告げた、68年当時のクリスチャン新聞記事のスクラップを、このNOTE記事の一番下に貼っています。ご参照ください)

68年のこの記事の1年後に実現した人類の月面着陸

人類月着陸の1年前、NASAコンピューター部門トップが来日し証し

月に有人宇宙船を飛ばし、無事地球に戻ってくるには、コンピューターによる迅速、確実な計算が必ず必要であることは言うまでもない。
しかし当時、コンピューターというものはすでに「できあがった」技術ではなく、それ自体の開発が平行して進められる必要があったし、アメリカの技術者たちはそれを成し遂げた。
それは私たちの身近な生活にも影響を及ぼし、例えば、アポロ搭載のコンピューターを実現するためにIC(集積回路)は急速に発展することになった。

有人月面着陸を地球から支援した、当時のNASAの管制室

そんなコンピューターが、有人月到達を確実にするほど信頼できる道具として完成していく働きを、最先端の科学者として担ったミッチェルさん。
ハーバード大学で博士号を得、20年間、コンピューターの第一線を歩いてきた。

今でこそ、NASAの名前を知らない人はないし、人類月着陸の事実は子どもでも知っている当たり前のことだが、68年当時、それがまだ実現する前はそうではなかった。

今では誰でも知っているNASA

まだ誰も、宇宙への実感が持てない時代に

だから、クリスチャン新聞の記事によると、来日講演したミッチェルさんは聴衆に、まず「映画」で、すでに月面着陸に成功した無人月面探査機「サーベイヤー」(おそらく3号)のアームが、月面の黒い土をつかみ上げる様子を見せる必要があった。そしてアームの「隙間から土のわずかなかたまりがパラパラとこぼれ落ちた時、会場に集った若者たちは、時間と空間を超えた宇宙の現実を見て「ホッ」という驚きの声をあげた」と当時の記者は描写している。
人類月到達へのカウントダウンが始まり、人々の関心が高まってはいるが、一般人には具体的なイメージを抱けない、そんな時代の世情を感じ取ることができる面白い記事である。


サーベイヤー探査機

科学者であるよりクリスチャンであることが重要と証し

そして、宇宙への挑戦を最先端技術で支えるリーダーは、さらに続けて講演で、自らがイエス・キリストによって救われた者であり、人格的に私と関わってくださる神を信じて生きていることを証し。学生たちは「さらに大きな驚きを感じ、そこに新しい人生があることを知った」と記事は記録するのである。

東大はじめ、大学、高校で精力的に講演、ティラナスホールにも関与

ミッチェル博士の来日は、4月21日に行われた「東京クリスチャン学寮」(現・東京ティラナスホール) (創設者 チャールズ・コーウィン宣教師)の「献寮式」列席のためであった。
「この鉄筋三階建のモダンなクリスチャンの大学生寮にはミッチェル博士の支援が資金の三分の一もあてられた」と記事は伝えている。

ミッチェルさんは2週間の滞在期間中、クリスチャン学寮だけでなく、「東京の二つの私立高校、東大、早稲田、名古屋の各大学や一般の企業などで宇宙科学記録映画と講演の会を実現させた」。
「多いときには一日五回、二千人近くの若者にキリストの証しをした」のである。

また会場では、ミッチェルさん本人が、一人ひとりの学生の間をまわって伝道集会の案内を渡し、その伝道集会に参加したことから教会に連なる若者たちがあったことも記されている。

一人ひとりの学生に語りかけるミッチェルさん

その講演による証しの内容は「実に単純、明快」で、「アメリカは宇宙開発の面で誇りをもっているかもしれません。しかし人々の魂の問題は解決していないのです。数週間前にキング牧師が暗殺されました。そして暴動が起こりました。この事件からわかることは技術の進歩では人々は生きる道を見いだせないということです」と記者は伝える。
自らの信仰の、魂の「軌跡」に裏打ちされた言葉なのである(詳しくは下記のスクラップをお読みください)。

そして、自らは科学者であるが「クリスチャンであることの方が大切なのです」という表白に続くのである。
そして、「私は自分の力でいろいろなことをしようとしましたが、魂の真の満足は得られませんでした。神様のために働くのだとわかったとき、はじめてまことの生きがいを知りました」と証言するのである。

◆音声でも クリ時旅人が毎日語っている「日刊・生放送」(FaceBookライブ)第925回 2022年10月20日(木)号でも、この記事の件をお話ししています。用事をしながら2倍速で聞き流しにでもどうぞ。

多様な仕事のクリスチャンの姿を伝えるクリスチャン新聞の役割

科学者の仕事の中身もかみ砕いて伝える

講演の中ではもちろんNASAの事業、そこにおける自分の科学者としての役割について、一般の人々に分かりやすい解説も入る。
例えば人工衛星の役割について、68年の時点で、大気圏外放射能などの観察、天気予報データの収集、宇宙中継放送、世界の農作物の状況把握などがあることや、自身が担当するプロジェクトで35の衛星を制御するためコンピューターを駆使して24時間3交代体制で当たっていることなどを語ったことを記者は記録に留めている。

クリスチャンは、さまざまな業種や立場の人がいるから、その多様な人々とその働きを記事で伝えるクリスチャン新聞の記者は、何にでも好奇心をもって聞き、調べ、理解し、それをかみ砕いて説明することのできる人たちであったと私は思いを致している。
そのことで、さまざまな器官が組み合わされることで構成された「キリストのからだ」(聖書 第一コリント12章12節)の中で、さまざまな役割を担う人々のそれぞれの働きについて、「他の働き」をしている人々に伝え、公同の教会を確認し実感できるようにする役割をクリスチャン新聞は担ってきたとも思わされる。

さらに詳しくは、下記のクリスチャン新聞該当記事をお読みください

クリスチャン新聞1968年4月28日号

◆音声でも クリ時旅人が毎日語っている「日刊・生放送」(FaceBookライブ)第925回 2022年10月20日(木)号でも、この記事の件をお話ししています。用事をしながら2倍速で聞き流しにでもどうぞ。

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