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「2060未来創造の白地図」~人類史上最高にエキサイティングな冒険が始まる/川口伸明

「難しい部分は、流し読みでもいいと思うよ」という言葉とともに貸してもらった1冊の本。何度も見たくなるような明るいタッチの表紙イラストと魅力的なタイトル。(イラストは『えんとつ町のプペル』をはじめ美麗なイラストレーションに定評ある六七質氏によるもの。)




【生活・文化】【食と農】【都市と交通】【知覚と身体性】【医療・ヘルスケア】【宇宙・地球・環境】【知の未来・知の進化】それぞれの分野について、エビデンスとストーリーから有望成長領域のこれからに肉薄する………
という文章から、(なんとなく難しそう、かたい内容の本かな?研究者向け??)と…一瞬身がまえました。




確かに、専門用語が入っていたりして(私にとっては難解な部分もあり)調べ調べ読んだところも…。けれど読んでいて楽しいのは、各章のはじめに必ずショートストーリーが挿入されているところ。「2030年のファッションデザイナーは」とか「2030年のアスリートは」といったタイトルで未来のライブシーンが一人称で書かれているのです。




この『各章の最初にショートストーリー』を入れてイメージを膨らませやすくなっているつくりに、著者からの「研究者や技術者だけでなく一般の人にも読んでもらい、未来を夢見て欲しい」というメッセージが感じられます。




そして文中には「卓上野菜工場」「プリント食材」「ドローンタクシー」「テーマパーク型未来都市」などなど興味深いキーワードも多く見られ、(それって、何?)と好奇心もそそられます。




また、イメージしやすいように書かれた未来も、単なる夢物語とならないよう科学技術的エビデンス(論文・特許、公的研究費採択情報、クラウドファンディング情報など)を集めて統計処理を行うなどして、実現性の高い未来を提案することを心がけられているとのこと。




そんな手法で書かれた本書によって、「今、どんな研究が進められているのか?」「その研究はどのくらい進んでいるのか?」「今、どんなことが社会の課題になっているのか?」を知ることができ、私自身も具体的な未来を思い描くことができました(例えば…かなりおばあちゃんになっても、山とか登れるんじゃないか?とか)。


そして、今悩んだり心配したりしていることも解決する可能性も感じられ…。タイトルが示す通りの明るい未来をデザインできる一冊です。




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