伊豆急行と北川温泉 黒根岩風呂
あっという間に1/12が過ぎていきました。年末年始、山の温泉ばかりということで、今回は、日帰りにて海!近き温泉へ。こんな寒い時には、あまり人が行かないであろう、伊豆は北川温泉の岩風呂を目指します。
東海道線は鈍行で熱海まで
都心から鉄道で伊豆の東海岸に向かう時には、結構、選択肢豊富です。
熱海まで新幹線(高額の割には、乗り継ぎ、時間、車窓を考えるとコスパはイマイチ)
踊り子号(乗り継ぎ無しで、伊豆急下田まで2時間40分は魅力)
サフィール踊り子号(1度は乗ってみたい、グリーン車以上の高級車両)
小田原までロマンスカー、鈍行で熱海(ロマンスカー好きなら、OK)
小田原まで、小田急(急行)、鈍行で熱海(一番安いが、時間かかる)
東海道線、伊東線、伊豆急行、すべて鈍行(熱海までグリーン車がおススメ)
THE ROYAL EXPRESS (こちらは、東急がアレンジした、横浜発、度肝を抜く豪華クルーズトレイン いつまで走るか不明)
ということで、好みに応じて、車両が豊富、同時にお値段もピンキリ。下田まで行くのであれば、踊り子号がお手ごろかつお出かけ旅行感もあります。(ただし、かつての車両と比べると、総合評価はこんな感じでしょうか。スーパービュー踊り子>183系>185系・E257系)
今回は、朝早い出発「6」で、ホリデー料金800円のグリーン車です。
藤沢過ぎて、湘南エリアに入り、よく見ていると茅ヶ崎ー平塚間でも、左の車窓から大きな富士山が見えます。大磯のあたりから海がちらりと見え始めます。松並木の向こうが海。
国府津を過ぎれば、箱根の山々と真鶴半島まで見えてきます。
酒匂川の鉄橋を渡れば、小田原。次の早川から、東海道線屈指の絶景エリアへ。
早川駅過ぎたあたりは、海沿いのバイパスが出来て展望が悪くなりましたが、根府川手前の絶景は、丹那トンネル開通後からの東海道線では変わらぬ絶景でしょう。
しばらく、海ぎわの車窓を楽しみ、真鶴、湯河原と通過して、左側に伊豆山温泉が見えてくれば、熱海です。
熱海-伊東はJR伊東線
伊東線は地下通路を通って1番線のりばから。夏場は海水浴客で溢れかえるホームです。
伊東線で2番目に長い不動トンネルを抜けると、伊豆多賀の街が目の前に開けます。
網代の温泉街を抜け、宇佐美からまた海が近くに。
ヤシの木並木が見えて、サンハトヤの大きな建物が見えてきたら、伊東です。南の温泉に来たという雰囲気のある伊東駅舎と駅前はいまだ健在。
伊東からは伊豆急行、伊豆熱川
伊豆半島の鉄道計画は、明治時代からの悲願で、房総半島のように周回ルートまで計画案があったようです。結局、伊東から先は、当時の東急、五島慶太社長から始まり、ようやく昭和34年に敷設の許可が下りる。トンネルが多く、海沿いの工事も難工事の中、昭和36年末には早くも開業。
伊東からトンネルを抜け、高架の南伊東駅。左手山の中には伊東温泉けいりんがあり、このあたりもまだ温泉街の延長のような街です。川奈駅を過ぎると眼下かなり下の方に、川奈港がちらっと見えます。ここはかつてイルカ漁がおこなわれていた港です。
沿線には、ミカン畑も多く、手が届きそうなところにも、鈴なりになっています。
そうこうしているうちに、伊豆高原。ここは別荘地で開発が進み、シャボテン公園はじめとする観光施設が多くあり、お客さんの出入りも多いです。こちらで後ろ3両切り離し。
後ほど降りる、伊豆北川通過。トンネルを二つ抜けると伊豆熱川です。
伊豆熱川 名のごとく「熱い駅」
駅の南側には、源泉足湯と観光案内所があり、こちらでは、生玉子を販売していて、その場で、温泉玉子を茹でて味わえます。源泉の温度がそれなりにないとできないですね。ちなみにここの源泉は100℃、熱すぎ~(^^;
玉子が出来上がるまで、案内所をぷらぷら。伊豆ジオパークの情報や過去の熱川開発の写真など豊富な資料を得られます。
昼食は、鰺のたたき丼
目当ての店の開店まで、少し時間があるので、海沿いを目指します。
誰かと思ったら、江戸城作った太田道灌。熱川温泉は彼から始まるという、熱川温泉発見のの経緯が書かれています。
さて、この像の目の前には海が広がります!
さて、お昼は開店前に少し並びまして「伊豆の味処 錦」さんにて、鯵のたたき丼を頂きました。開店時からあっという間に10名以上のお客さん、人気のお店のようです。普段の昼食は質素ですが、今日の昼食は「明日葉の天ぷら」というのも目に留まり、奮発しました。
明日葉は伊豆でしか採れない山菜で、摘んでもまた明日には芽が出るところからつけられた名前。特に温かい季節の明日葉は爽やかなでちょっと独特な香り。好きな人は飽きずに止められなくなる天ぷらです。
今日のお題、北川の岩風呂へ
熱川駅から一駅、北に上ります。ここから山を下り、海岸沿いまで。
このあたりの景色は、いかにも伊豆の港町という感じなんですね。昔は海女さんが使っていたのかなという小屋もあったりします。
そのうち、北川築城石公園という小さな庭のような公園があります。この伊豆の東海岸の一帯は、江戸城築城の時にお堀にある巨大な石を切り出したところ。それを記念して、祭りも行われるそうです。
ようやく到着 黒根岩風呂!
ウトウトしてた受付のおじさんに声かけ、「今は、誰もいないよ」ということで、しばし、お一人様の時間のようです。
ちゃんと脱衣所はありました。泉質はナトリウム・カルシウムー塩化物泉、源泉が熱いため、加水しているようですが、滑らかな感じのお湯です。
激しい波間に1匹の鵜が必死に潜り、魚を追いかけてます。潮騒聞いて、伊豆の海を間近に眺めながらの解放的なひと時。
お客さん少ないようですが、是非、潰れないで欲しい岩風呂です。
お土産は…
岩風呂に浸かり、すがすがしく、帰路に着きます。途中の防波堤では、釣りをしている人もちらほら、ブダイを狙っているとのこと。
道路わきには明日葉が少し生えていますが、持って帰って、採って家族で食べられるほどはなく…。
熱海で少し下車。熱海のアーケード街の果樹園の販売所に寄ってみます。
東京ではあまりお目にかからないニューサマーオレンジを購入。伊豆の香りを届けるにはもってこいのお土産です。かるい甘さで爽やかな香りを楽しむようなオレンジです。2月、3月になれば、伊豆特産のゴールデンオレンジ(黄金柑)という小型の柑橘が出回ります。
春に伊豆に行った際は、是非どうぞ。(2023.01.21)
追記)北川温泉の経緯:発見は、昭和の初めだが、バスも通らなかった時代。周辺の人々が野天で湯浴みする以外には訪れる人もなかったという。1954年(昭和31年)に下田街道と北川の港を結ぶ北川臨海線が開通。ここから北川温泉の本格的な開発が始まる。60年に伊豆北川駅開設、その2年後に東伊豆道路熱川区間が完成し、伊豆観光ブームが起こったことも加わって、北川温泉に訪れる人々も急増。67年には訪れる観光客も年間10万人を超えるまでになった。
こんな時代もあったようです。女子旅の二人組が北川温泉で下車してました。少しずつ人も戻ってきている予感が…
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