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AIがデザインをするって? 思ったより早く来たデザイナーの未来と課題

こんにちは、デザイナーのchoiです。

皆さん、現在の仕事がAI(人工知能)に取られると思いますか。昨今では、既存の職業の多くがAIに代替されるというニュースが度々注目を浴びます。まさか自分の仕事がAIに取られるなんて思いませんよね。しかし、産業革命が起きた際に失業者で溢れたように、AIという技術革新によって失業する人が増えることはそう遠い未来ではないのかもしれません。特に、自動化される要素が多い編集デザイナーは代替されやすく、危機感を感じずにはいられません。

実際の例を挙げると、ロシアで有名なデザインスタジオに所属するデザイナーNikolay Ironov氏は、一年間20以上のデザインプロジェクトを担当し、ロゴ、パッケージデザイン等で商業的な成功を収めました。Nikolay Ironov氏の活動が1年以上経過した時、実は同氏がAIだったことが公開され話題になっています。

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このようにAIが実際に現代社会において人間を凌駕し、成功を収める例が当たり前になるのは時間の問題であるように思います。感受性と創意性の分野とされてきたデザインさえ急速に機械化されている理由は何でしょうか。複合的な理由があるでしょうが、最も大きな理由はDesign ThinkingやDesign Processが強調され、感受性と創意性の比重が減って、デザインが次第に機械化に適合する形態に変わったからだと思います。

では、AIが人間より得意なことは何でしょう。

一点目は、情報処理です。大量のデータを処理する能力(正確性·速度)は人間よりはるかに優れています。 時間が経つと忘れものをしてしまう人間と違い、メモリに情報を格納することができ、構造やルールが確立されていること、また想定外の影響を受けることは少なく、リスクや動作の事前対策が容易であることもその理由として挙げられます。

二点目は体力です。 デザイン生成AIは、完全に人間の助けなしで機能するわけではありません。 でも、休憩や睡眠が必要ないし、食事をしなくても良いのです。 疲労を知らない状態で24時間働くことができるという点で人間を凌駕しています。

逆に我々人間にできてAIにできないことはなんでしょう。

一点目は、0から1を作ることです。 AIは過去のビッグデータから未来を予測したり、それを基盤に模倣することはできますが、人間のような「直感」がないため、何もない段階から全く新しいものを作り出すことはできません。 そのため、ほとんどのAIは様々なデザイン素材を集め、それを2回、3回組み合わせてデザインを作る過程で進められています。

二点目は、感情と倫理観がないということです。 AIの感情学習はまだ研究中です。 なのでAIはビッグデータから感情の要素を検出し、「悲しみ」を表す作品を作り上げることができても、その作品は「創作」や「独創性」とはかけ離れているといえます。 なぜなら、人間による芸術作品には作り手の感情や考え方といった「言語化できない表現」が含まれているものの、AIの技術はまだそこまで進んでいないからです。

三点目は、マーケティングです。マーケティング分野では人間のアイデアと知恵が必要とされます。なのでAIは消費やユーザーの感情に向き合うことができません。例として消費行動を挙げます。エコで維持費が安いな車で溢れかえった世の中で燃料効率が悪く維持費が高い中古車の人気が上がったり、あえて目新しさのない80年代のファッションがリバイバルブームを巻き起こしたりしたことを考えれば、人は時に非合理的選択をするということがわかります。このような現状は人間は理解できますが、数値で表せないのでAIには納得できないものです。

それではこれからのデザイナーの役割について真剣に考えてみましょう。

サンフランシスコでは「既にグラフィックデザイナーやWebデザイナーといった役職が絶滅の危機に瀕している」という衝撃の事実が取り上げられています。AIに負けないように、スキルチェンジをするべきか?それとも、機械にはできないような、自分にしかできないクリエイティブ性をより強めていくのか?色々な観点で悩んでみました。その結果、デザイナーが生き残るためにできることを2つ見つけました。

まずは「デザイナーの役割は課題の解決」という姿勢で臨むことです。媒体や製品の「見た目」を作るということにとどまらず、今後はデザイン思考でユーザーのニーズを捉え、それを製品やサービスに反映させ、さらにそれを世の中に広める方法を考えることが大切です。例えば、UXデザイナーやプロダクトデザイナー、クリエイティブディレクター、ブランドマネージャーといった職業です。そのようなビジネス全体にまたがって動くことのできるデザイナーが重要だと指摘されています。

二点目AIを上手く活用できるデザイナーになることです。便利なツールは世界中で毎日のようにリリースされていますが、「すべての処理をAIに任せる」のは非常に稀なケースです。なぜなら先ほど述べたとおり、AIにも得意なことと不得意なことが明確に分かれているからです。
では、どのようにデザインにAIを活用していけばいいのでしょうか?「AIは人間に、ビッグデータから紐解いた最善な候補を提案する。一方、人間はAIの提示した候補から選択・修正をして実行や結果の評価をする」ことが一般的なワークフローと言われています。
つまり、判断や決断といった思考を必要とする分野は「人間のしごと」で、流入経路・利用デバイス・男女率・年齢といったセグメント管理や、離脱率などの人間に判断を促す指標を割り出すのが「AIのしごと」ということを明確に把握して、それを自分の仕事に活用してもっと効率を高めることが求められます。

日々激しくなる競争の中で、これからはAIがデザイナーに取って代わると言います。我々をデザイナーたらしめる要素は何なのかについて真剣に考える時が来ました。現在のデザイナーとは何で、今後は何になるでしょうか。
果たして、デザイナーは今や消えつつある職業の一つなのでしょうか。
デザイナーはこれから何ができるでしょうか。

皆さんも今回デザイナーとしての将来について考えてみるのはいかがでしょうか。


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