見出し画像

≠"ャ」レ言吾ー⊂文字ー⊂美U、ナ

久しぶりに見ると、本当にアバンギャルドですね。

昔から色々な文章を読むのがスキで、Feedlyには様々なジャンルのRSSが登録されているのですが、出てきた中で最近衝撃だったのがこちらの記事。

思い返せば、最盛期ど真ん中やや下の感じの世代でありまして、学校にもガングロの子はいたような時代でした。

なので、ギャル語も知ってはいたのですけど、まさかここまでとは。

全く読めない。

でも、よくよく考えると、文字の歴史の中で最先端な取り組みのような気がしてきましてね。

ということで、今日は文字の歴史とギャル語のお話です。

活版印刷機による文字の普及

文字の起源は意外に浅く、紀元前3000年頃のメソポタミア文明くさび形文字や、エジプトのヒエログラフが発展の基礎となっています。

一方で、人類の歴史は、500万年前のアフリカと言われています。この文字を持つまでの時代を先史時代と呼び、文字を持った後の時代を歴史時代と呼びます。

つまり、人類の歴史の99.94%は先史であり、我々はその中の0.06%の一番先を生きているに過ぎません。ワオ。

ちなみに、日本で文字が始まったのは他の地域よりも遅く、紀元後200年頃と言われています。まだ1800年ぐらいの歴史なんですね。

そこから各地域で文字が発達していくのですが、手書きであることから大量生産は叶わず、貴重なものでした。それが変わったのが、1300年頃から始まるルネサンス。700年前ですね。

ルネサンスの3大発明というと、羅針盤、火薬、そして、活版印刷機です。活版印刷機によって、文字の大量生産が可能になり、圧倒的に多くの人に情報を伝えることができるようになりました。

文字が一般的になったことで、人々の生活に大量の情報が流れ込むことになります。それこそ、情報の洪水と表現しても良い程の変化でしょう。

この、文字の普及によって文化は飛躍的に発展を遂げていきます。

0と1による文字の没個性化

この活版印刷機の発明後は、基本的に改善の歴史です。印刷技術が上がり、同質のものを大量生産できるようになってはいきますが、型を創って、刷って、撒く。これが文字の配布の構造でした。

この構造が大きく変わったのが、IT革命でした。1950年頃から、それまでの、型・刷・撒のプロセスが、0と1の信号化へと置き換えられ、1990年代のインターネットの普及によって2度目の情報の洪水を起こすことになります。

インターネットによって、物理的な制約が取り払われたことにより、文字は実態のない情報そのものとして価値を持つようになります。より多くの人へと情報を伝えるための手段としての性質が強まったわけです。

一方で、この情報の0と1のデジタル化によって、失われたものがあります。それが、文字の形です。

いま画面で見て頂いているように、文字の形は一定です。選択されているフォントによる差はありますが、フォントの中では同じ形が再現されます。

この再現性の高さが、デジタルの強みであり、そして、我々が失ってしまった文字の強みでもあります。印刷機によって、意図せず生まれていた「ゆらぎ」すらも失い、文字は完全に同質・没個性的なものへと変容します。

文字が、情報伝達の手段以外の役割を徹底して失った瞬間ですね。

ギャル語の反逆と文字の美の再評価

このように、長い文字の歴史を辿ると、ギャル語の重要性が分かるかと思います。

ギャル語は、デジタル化によって決定付けられた、文字の没個性化への反逆なのです。

人類が有史前からは5000年、有史を誇ってからは2000年をかけて培ってきた、文字を創り多くの人に感動と共に伝えるというクリエイティビティの本質を、IT革命はわずか10年で変容させてしまいました。

その、IT革命によって起こされた、失われた文字の形自体への情熱。人類がこだわり続けてきた、文字そのものへの感謝それを、再び取り戻そうとしたのがギャル語であると言えるのではないでしょうか。

0と1の組み合わせによって同質化された情報を、敢えて再び形へと還元し、その再結合によって意味を取り戻す。このプロセスは、まさにクリエイティビティそのものです。

そう。いま我々に求められているのは、ギャル語の再建なのです。

…うそ。

冒頭に戻りますが、読みにくいというか、読めないですって。

また、1字あたりの情報量を減らすことは、情報伝達の効率性の観点からは圧倒的な悪手ですしね。万が一流行ったら、打つ方も、読む方も、みんな泣いちゃうと思いますよ。

ただ、これまで振り返ってきたように、今の時代において文字の形自体に美しさを持たせる活動の価値は確実に上がっていると感じています。

スティーブ・ジョブスがカリグラフィーを重視していたことを引き合いに出すまでもなく、同質的な文字が溢れている中で、文字の美しさ自体を全面に打ち出すことは、差別化の要因になるのです。

逆に、同質化・没個性化が決定的に進んだ今の時代だからこそ、文字自体の持つ強さと美しさに、改めて人は心を震わせるのかもしれません。

その意味で、デザイナーの方々には、最高の時代と言えるのではないでしょうか。

まとめ

ということで、グーテンベルクと情報革命によって、人類の歴史上で文字は2回大きく発展を遂げたよ。その後、情報革命によって没個性化が進んだけど、逆にそのおかげで文字の美は差別化要因かもね、というお話でした。

しかし、改めて見ると、ギャル語すごいですね。「ちょー、すごい→」とか「絵文字〜✨」とかぐらいの認識しかなかったのですが、ものすごいクリエイティブな活動でした。

このような文字の文化が自然に創り上げられ流行るということは、日本人の文字に対する感度は、世界の中でも高い方ではないかなと思います。

ちなみに、途中で触れなかったのですが、表音文字か、表象文字かで、思考の深みや幅は大きく変わってくるのではないか思ったりもしています。面白いですね。

前にも書いたのですが、言葉は、世界の認識の粒度です。自分が世界をどのように認識できるかは、言葉の量と質次第です。

そんな文字や言葉を、やっぱり大切にしたいな、と思った今日なのでした。

皆さんも、ギャル語、書いてみて下さいね。ちなみに、冒頭の記事、全部読み切るのに、2時間掛かりました。

ではでは。


<参考サイト(付け焼き刃です)>

文字の起源と歴史を紐解く
先史時代の世界(人類の起源・移動地図・年表)
我が国におけるブロードバンドの普及状況 - 総務省
+Wiki


<このnoteを書いたしょこらはこんな人です>


この記事が参加している募集

最近の学び

最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます!頂いたサポートは、noteを書きながら飲む缶コーヒーになっています。甘くて素敵な時間を頂きまして、とっても幸せです。