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大企業がSNSマーケに苦戦しちゃうワケ
今日は、大企業がSNSの自社アカウント運用に挑戦するも、なかなかうまくいかない理由について。正直な話、大きな会社ほどSNSアカウントの運用って向いていません。これは構造的な問題を抱えているからです。
しかし、まったく大企業にSNS運用が無理なわけではありません。個人やベンチャーと比べると、100倍くらいハードルが高い。これがリアルな肌感覚でしょうか。
ちなみに、大企業がSNS運用に苦戦する理由は、大きく4ほどあります。本日は、その理由を書いていきます。もし「ウチの会社は、SNSマーケがうまくいかない・・・」と悩んでいる人がいれば、どれか1つ(たぶん複数)当てはまっているはずです。
早速、苦戦しがちな理由を見ていきましょう。
①そもそもユーザーは、SNSに「個to個」のやりとり・情報を求めている
超そもそも論ですが、ユーザーはSNSに個人的な情報・やりとりを求めています。テレビCMやyoutubeで流れているコンテンツではなく、もっと深い(どこか繋がっているような感覚を覚える)情報をSNSに求めているのです。
ユーザーが好みで作り上げたタイムラインに並ぶ。それは、友人たちと同じレベルで愛着を持ってもらう必要があるということ。それくらい、逆境のスタートだと思ったほうがいいです。
②グロースするまでに時間がかかる。ゆえに、妥協しがち
SNSの魅力は、フォロワーが増えればリーチを確保でき、消費者とタダでコミュニケーションが取れることにあります。広告だと、ユーザーに声を届ければ届けるほどお金がかかりますからね。
しかも、広告と違って、フォロワーはすでに自社に興味を持ってくれる人たち。エンゲージも高いので、広告のような無駄打ちもありません。
とはいえ、SNSアカウントを育てるのは超超超地道な活動。半年やっても1000フォロワー以下なんてザラにあります。
そうすると、会社からすると費用対効果がまったく見合いません。(正確に言うと、見合わないように見える)
「そんな熱心にやってくれてるのに、まだフォロワー800人? SNSとか全然旨味ないじゃん」と上司に言われてしまうんですね。
実際には、SNSのフォロワーは指数関数的に伸びていきますし、辞めずにコツコツ積み上げていくのがベストだと思います。長期的な視野を持てているか、これが企業アカウントの分かれ目になると思います。
③大企業ほど発信のリスク・リターンが見合わない
大企業は発信すればするほどリスクを背負うことになります。。もともと認知のあるブランドだと、発信しても認知はそこまで広がらない、でも嫌われるリスクはある、のような状況からスタートするからです
しかも企業・ブランドアカウントって、会社の顔なんですよね。上場企業だったら、下手したら株価にも影響します。普段オモテで発信する場がないと、SNSアカウントに注目が集中してしまいます。
というわけで、できるだけ黙っていたほうがリスクを最小化でき、これまで積み上げた資産で商売ができる。そんな環境にいるので、リスクに対してリターンが見合わない、これが大きな会社のSNSに手を出せない構造な課題です。
チャレンジはしてみたいけど、「やるメリットそこまでないなぁ。リスクデカいし」と思うマーケ担当者、多いのではないでしょうか。
④イチ社員に会社・ブランドを背負わせることになる
先ほどの話の続き。企業のSNSアカウント運用を誰かに任せるということは、イチ社員に会社・ブランドの責任を負わせることと同義です。
これが一番、企業アカウントの難しいところだと思います。SNSアカの運用者はイチ社員に過ぎないのに、会社のすべてを背負って(少なくとも外側からはそう見えます)、ブランドを発信しないといけない。上司もこれほどのリスクを背負わせることができないため、どの企業も温度感のあるSNS運用が進まないわけです。
逆にいうと、会社・商品を背負っている人がSNS発信をすると上手くいきやすいです。社長が前面に出て自社サービスについて発信する分には、背負うモノとリターンが等価なわけですから、好き放題発信できます。
僕はこれをインフルエンサー社長の時代と言いたいです。たとえば、マンガサービスのアルを運営しているけんすう(@kensuu)さん。
「マンガがいろいろ無料になっているけど、何の作品がいつまで、どこで読めるのかわからない」
— けんすう@マンガサービスのアル (@kensuu) March 13, 2020
というお前らの声があったので、
「大量に読める無料マンガのまとめ」
を実装してみましたよ。期間限定のものが多いのでぜひチェックしてくださいね!https://t.co/O6vg2ItiJ4
Twitterの世界トレンド1位にもなった #私を構成する5つのマンガ で最も多く選ばれた #鋼の錬金術師 がリバイバル連載されてますよ!!読むしかっ!!#ハガレン#荒川弘
— アル@マンガだいすき (@alu_inc) April 16, 2020
『鋼の錬金術師』にもう一度会える。アプリでリバイバル連載開始!思い出を錬成する時が来た! https://t.co/55japk71Lj
ちなみに、けんすうさんのフォロワー20万人。アルのフォロワーはおよそ7,000人。いかに企業アカウントを成長させるのが難しいかがわかると思います。(アカウントの設立年も全然違うんでしょうけど・・・)
【まとめ】SNS運用は大企業より個人・ベンチャーに向いている
身も蓋もない結論ですが、SNS運用は大企業より個人・ベンチャー向きです。期待リターンに対してリスクが大きすぎます。
それでも、どうにかSNSの自社アカウント運用で成功したいと思う方がいるのなら、運用者に意思決定権をすべて委ねることが成功の秘訣かもしれません。
逆にいうと、個人や中小企業はSNSアカウントを絶対に運用したほうがいいですよ。だって、無料でリーチがとれるんですよ?しかもエンゲージも高まるんですよ? 大企業に資本力で負ける以上、SNSの地上戦は地道に戦っていくべきです。
ここまで読むと、大企業にSNSマーケティングは無理だと思われそうですが、そんなことはないと思っています。むしろ大企業は、認知がある分、ユーザーが生み出すコンテンツ、UGCは生まれやすい環境にあります。
SNSの自社発信にこだわるのではなく、顧客から自社の商品について発信してもらう、そんなスタンスでSNSマーケティングに取り組むのが良いのではないでしょうか。このUGCを生む戦いは、どの会社もまだ勝ち筋を見つけられていません、今から取り組んでおくと大きな金脈・独占に繋がると感じています。
最後に、村上春樹のエッセイの一節を紹介して終わります。
日々走ることは僕にとっての生命線のようなもので、忙しいからといって手を抜いたり、やめたりするわけにはいかない。もし忙しいからというだけで走るのをやめたら、間違いなく一生走れなくなってしまう。
走り続けるための理由はほんの少ししかないけれど、走るのをやめるための理由なら大型トラック一杯分はある。僕らにできるのは、その「ほんの少しの理由」をひとつひとつ大事に磨き続けることだけだ。
また、UGCを生み出すコツについては、こちらの記事にまとめているので、よかったら読んでみてください。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。何かしらの参考になれば幸いです。
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