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UIとユーザ心理状態から考える、広告と相性の良いSNSとは?

どうも、広告マーケターのえるも(@elmo_marketing)です。

今日は、「Youtube広告よりもInstagram広告のほうが効率が良い」理由を、プラットフォーム・広告のUIや、ユーザーの心理状態から考えてみます。

Youtube広告は動画で、Instagram広告は静止画と形が異なり、配信コストも違うので、一概にどちらの広告が効率が良いという話は、たしかにナンセンスかもしれません

それでも、Youtube広告とInstagramを含むSNS広告には決定的な違いがあります。

今日は、その両者の違いについて解説していきます。

「なぜ多くのD2CブランドがInstagramやFacebook広告をファーストチョイスに選ぶのか?」も、この記事を読めば腹落ちするかと思います。

実際に、Instagram広告のほうがYoutube広告より効率が良いのか?

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僕の肌感覚ですが、明確にCVを求めるプロダクト、サービスであればYoutubeよりも、InstagramとFacebookの2つの広告が選ばれることが多いです。(厳密には、FacebookもInstagramも同じ一つの会社なんですが・・)

でも本当に、Instagram広告のほうがYoutube広告より効率が良いんでしょうか??

僕の肌感覚だけで話を進めるのも難なので、twitter上でウェブマーケター向けにアンケートを取ってみました。

Youtubeを含むSNS広告で、「もっとも効率の良い広告」と「もっとも効率の悪い広告」をそれぞれ選んでもらいます。

その結果がこちら。

【質問1】もっとも効率の良い広告メニューは?

【質問2】もっとも効率の悪い広告メニューは?

僅差ではあるものの、効率の良い広告メニュー1位がInstagram!、4位がYoutubeでしした。

逆に、効率の悪いメニューで行くと、なんと・・1位がtwitterで、4位がInstagramでした。

twitterが効率の悪い広告メニュー第1位になってしまったことはさておき、多くのウェブマーケターからしても、Instagramが一番効率の良い広告メニューと認識されいることは間違いなさそうです。

じゃあ、なぜこのような結果になるのでしょうか?

YoutubeとInstagramでは、広告を見るユーザーの心理状態が違う

「なぜ、Youtube広告は効率が悪く、Instagram広告は効率が良いのか?」、それはプラットフォームのUIの違いから生まれるモノだと思っています。

ほんの僅かなUIの違いが、広告が出現する瞬間のユーザーの心理状態をまったく別のモノにしているのです。

その両者の心理状態がこちらです。

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Youtube広告を見る瞬間って、「見る動画を選んだあと」なんですよね。

その場合、ユーザーの心理状態は、「はやくこの動画が見たい」になります。そんな気持ちを抱えた人に広告をぶつけると、当然のように、「ウザい、ジャマ、あなたじゃない」となるわけです。


いっぽうの、Instagram広告を見る瞬間はどうでしょうか。

ちなみに、SNSのUIは非常に面白くて、玉手箱方式になっています。

超小刻みに、「新しいコンテンツ」がボコボコ出てくる形になってるんですね。

このUIが、つねにユーザーに「次はアタリかな?ハズレかな?何がでてくるかな?」という心理状態を生み出します。

一例で、ぼくの美容垢のタイムラインを載せてみます。

タイムラインを見る自分をよーーーく観察してみてください。

「次はどんなコンテンツがでるかな?面白い情報は出ないかな?」という気持ちで、毎回スクロールをしていませんか?

じつは、この心理状態ってガチャガチャと同じなんですよね(笑)


不特定な何かを欲している人に、広告をぶつけるのは非常に相性が良いです。

アタリやハズレが出てくるコンテンツに広告を紛れ込ませているわけで、ナチュラルに広告をユーザーにぶつけることができます。

■Instagram
ユーザー
「なにか、面白いのないかな?」
広告
「わたくし、こういうものですが、いかがですか?」
ユーザー
「あ、面白そう。もっと詳しく聞かせて」

という風なコミュニケーションが成立しやすいんですね。

これがYoutubeのUI環境だと話が変わってきます。

■Youtube
ユーザー
「ヒカキンの動画をみようっと」
広告
「わたくし、こういうものですが、いかがですか?」
ユーザー
「いや、私はヒカキンを見たいの。あっち行って!」

と、普通に広告を通じてコミュニケーションを取ろうとしても、見向きもされません。

そのため、広告はユーザーに関心を持ってもらうために、表現やコンテンツが過激化する方向に向かってします。

このように、人の深い悩みにつけこんだコンプレックス商材ばかりがyoutube広告に増える一因は、Youtube広告のUIにあると思っています。


■ここまでのまとめ

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メチャクチャ重要なので、もう一度再掲しておきます。

YoutubeとInstagramでは、広告が表示されるUI・タイミングが異なることで、ユーザーの心理状態が大きくかわり、Instagramのほうが広告との相性が良いという話でした。

ここから余談ですが、さらにInstagram(というかSNS)と広告の相性が良い理由を書いていきます。

地味にここからも大切な話です←

広告の出現回数は、ユーザーの意思決定回数に比例する

広告は基本的にジャマなモノです。

では、どのくらいの回数・頻度で広告を出すと、邪魔者扱いされるのでしょうか???(笑)

これはズバリ、

広告の出現可能回数は、ユーザーの意思決定回数に比例します。

下の図で、YoutubeとInstagramの、意思決定とインプットを表してみました。

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Youtubeにせよ、Instagramにせよ、人はインプットしている時間はジャマを拒みます。逆に、何かを選ぶ瞬間、意思決定の際には、付け入るスキがあると言えます。

つまり、広告が受け入れられる瞬間って、この●の部分なんですね。

そう考えると、YoutubeよりもInstagramなどのSNS広告のほうが、圧倒的に意思決定の回数が増えます。100倍、へたしたら1000倍以上じゃないでしょうか。

たとえば、Youtubeで10分の動画を6本見るなら、意思決定回数は1時間で6回で済みます。一方で、Instagramを1時間眺め続けるには、何千回と意思決定をしないといけません。

この意思決定回数の多さが、広告を露出させていい回数にそのまま直結します。

この原理が働くからこそ、Youtube広告は予算の消化スピードが遅く、Instagram広告はすぐに予算を使い切ってしまうことができるんです。(本業がWEBマーケターの方しから分からないと思いますが、、、)

【まとめ】今日伝えたいことは2つだけ

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今日伝えたかったことは、この2つです。

・YoutubeとInstagram広告では、受け手であるユーザーの心理状態が違う

・広告の露出可能回数は、ユーザーの意思決定回数に比例する
→つまりSNSは意思決定が膨大だから、いくらでも広告を出せる


デジタル広告は無数にあり、つい手法にばかり目が行きがちですが、そのプラットフォーム上の構造と、画面の向こう側にいるユーザー(人)の心を考えると、いろんなアイデアが湧いてきます。

今日このnoteを書いたからといって、なにか具体的な広告手法をお伝えできるわけではないのですが、こういう考え方・捉え方もあるよと思ってもらえると幸いです。

※余談:フレッシュな脳を維持するために

SNSをやると意思決定回数が自然と増えてしまうって結構ヤバいですよね。今日この記事を書きながら、Youtubeはかなりマシで、twitterやInstagramは本当に脳を破壊しに来ていると思いました。

まさに、決定疲れの温床です。

 心理学の分野において、決断疲れ(判断疲れ、決定疲れ)とは、意思決定を長時間繰り返した後に個人の決定の質が低下する現象を指す[1][2]。 現在では不合理な意思決定の原因の1つとして理解されている。
wikipediaより

ジョブズやザッカーバーグをリスペクトして、「俺は、一日の選択の回数を極力減らすために、毎日同じ服を着ている」と言っている、ツイッター、Instagram好きの方がいたら要注意

毎日同じ服を着ることで減らせる意思決定回数はたったの1回ですが、twitterを30分やっていると、意思決定回数はゆうに100を超えてきます。

毎日同じ服を着るより、SNSを辞めるほうがよっぽど生産的ですよ(笑)

ということで、、、

フレッシュな脳に判断をさせるためには、大事な意思決定は朝にする、SNSは夜しか見ないなど、対策が必要かもしれませんね。

いや、本当に、改めて、SNSの意思決定回数を考えると恐ろしいです・・・。みなさん、気をつけましょうw

本日も、ここまでお読みいただきありがとうございました。

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