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ECで「衝動買い」を起こす方法について考えてみた

今日は簡単な思考実験を。ECで「衝動買い」を誘発する方法について考えてみます。

いま新型コロナウイルスで、世界中でお買い物のデジタルシフトが進んでいますよね。

どこのECサイト、モールもいまは活況を帯びています。とはいえ、たとえECサイトで前年比200%の売上をたたき出しても、リアル店舗の売上減少幅を支え切れていないのが実情。。。


新宿で半日ウィンドウショッピングを楽しむのと、家でダラダラZOZOタウンを眺めるのでは、購買の額が大きく変わってきます。

この差はですね、ネット通販ではなかなか衝動買いが起きないことにあります。

※前半は、ダラダラ衝動買いについて書いているので、「ネットで衝動買いを起こす方法」が気になる方は後半部分に飛んでください。

そもそもネットは衝動買いが起きにくい

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 そもそも、ECは衝動買いと相性が悪い。というのも、ネットは見たいモノを自分で選び、延々と見続ける空間だからです。邪魔な(と思っている)モノを視野から排除できる、と言ってもいいかもしれません。

 リアル空間では、スーパーに豚肉を買いに行ったつもりが、マグロの特売に出会って、豚肉だけではなくマグロもあわせて買っちゃった、なんてことが往々にしてありますよね?

 でも、これがネットでは起きにくい。豚肉を欲しているひとは、基本的に豚肉の情報しか調べませんし、ネットも豚肉の情報しか出してきません。これがネットの特性です。

しかも、ネットには衝動買いを誘発する「限定感」がない

 もう一個、ネットには「いつでもどこからでもサイトに戻ってこられる」特徴があります。 

衝動買いって、「今ココ」でしか買えないから起きてます。時間、場所、希少性など、人は限定感にとても弱い生き物。

 旅行に行ったら、ついたくさん買い物をしてしまいますよね? これは、「旅行が終わってしまうと旅行先に戻ってこれない」そんな時間と場が生み出す「限定感」によって生み出されているんです。

逆にネットは、お昼に商品を見て、また夜見返すことができます。この「いつでもアクセス可能」である便利さゆえに、衝動買いが起きにくくなっているんです。

コストコは衝動買いの宝庫である

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逆に、人はどんなときに衝動買いをするのでしょうか。そのヒントがコストコにあります。コストコは衝動買いの宝庫です。


僕もよく家族でコストコに行くのですが、だいたい1万円は使います。

試食で食わされたプルコギを買ったり、大量のウインナーを買ったり、ビルケンシュトックのサンダルを買ったり、キャンプグッズを買ったり・・・etc

いつも妻は「ほかのお客さんと比べると、ぜんぜんウチは買い物してないよね~。良いお買い物ができたと思う。」と謎の満足感に満ち溢れています。


あの場所には、衝動買いの条件がそろっているんです。それがこちら。

・今しか買えない
(物理的、時間的、価格的に)
・まわりも買っている
・もとを取りたい、サンクコストバイアス

そろそろ、簡単に説明します。

今しか買えない

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コストコってどこにでもあるわけではありません。行くのに手間がかかる、そんな場所ですよね。東京住みだと、川崎や幕張に行くことが多いでしょう。

妻「せっかくここまできたんだから、良いモノを買って帰りたいよね」

コストコでは「またすぐには来れない、今しか買えない」という限定感が、モノを買うハードル、バーを下げているんです。

まわりもたくさん買っている

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コストコが優れているのは、お客さんのカゴの中身が見えることです。

妻「ねえ、みんなチーズケーキ買ってるよ!おいしそうじゃない?!」

「わざわざコストコに来たのだから良いお買い物をしたい!みんな何を買っているんだろう・・?!」という疑問に、あの大きなカゴが答えてくれます。

しかも、カゴの中身は、店員に薦められるのではなく、消費者自身が選んだモノ。あのカゴにはSNSマーケでいうところのUGC、口コミ効果があります。

コストコという一大イベントで、みんなも買っているから私も買おうという心理が働いて、衝動買いをドンドン誘発しているんです。

コストコのサンクコストバイアス

コストコの店内に入るには、4,400円の年会費を払う必要があります。

ここでサンクコストが発生しているんですね。「せっかく4,400円も払っているんだから、元を取ろう」という心理が働き、少なからず必要以上の買い物をしてしまっているのではないでしょうか。


ほかにもコストコには、衝動買いのヒントが隠れていると思うのですが、

・今しか買えない(物理的、時間的、価格的に)
・まわりも買っている
・もとを取りたい、サンクコストバイアス

この3つが大きなポイント。つまり「この3つが揃えば、ECでも衝動買いを起こせるでのはないか?」そんな視点で、ECで衝動買いを起こす方法を考えてみます。

ちなみに、Uber Eatsではプチ衝動買いが起きている

ネットでは衝動買いを起こすのが難しいとはいえ、不可能ではありません。

その兆候が今出てきています。それがUber Eatsです。

たしかに言われてみると、Uber Eatsって衝動買いしちゃうんですよね。お腹が空いたら、ついアプリを開いて注文しちゃう。そんな魔力があります。

でもちょっと考えると、やっぱり衝動買いの条件が整っているんです。

・限定感(お腹が空くお昼と夜しか買えない)
・いろんなモノが目に入る
・食欲はすぐになくなり、次の欲望を喚起しやすい

とくに、視野が狭くなりがちなネットの世界で、Uber Eatsはいろんなものを飯サーフィンする素晴らしい設計になっています。食というカテゴリー×ネットは、衝動買いをしやすいのかもしれません。

ECで衝動買いを起こすアイデアを3つ考えてみた

【MUJI】SNS×UGCで、売れてる感と限定感を作り出す

ネットでは、いつでもアクセスできるがゆえに限定感がなく、リアルと違いカゴや行列が見えないから、まわりもみんな買ってる安心感も生み出せない。その課題を解決するために、SNSでUGCを創出します。

 ルールは簡単。無印アカウントがtwitterで毎日いくつかの商品を写真を添えて値引き価格で放出します。その中でもっともRTが伸びた商品を、次の日限定で、特別価格で販売する設計です。

これなら、SNS上のRTで「みんなも欲しがっている感」が演出でき、かつネットで生み出しづらい「今しか買えない限定感」を作り出すことができます。

ECサイト上でまわりの購買意欲を可視化することはできないので、SNS上でその代わりを作っちゃえばいいのでは?という仮説から着想しました。


ちなみにMUJIのtwitterフォロワーは60万人いるので、普通にRT効果を見込めば毎回のキャンペーンで500万人くらいにはリーチできるんじゃないでしょうか。

【MUJI】会員限定の売り場を設ける

2個目のアイデアは、全然面白くないです(笑)。コストコのサンクコストバイアスを丸パクリして、それをネットで実現します。年会費1,900円MUJIプレミアム会員的な発想です。

MUJIプレミアム会員だけ、月に2回開催されるセールに参加できる。そんな権利を用意するだけ。

会費を回収しようとするバイアスと、月に2回しか買えない限定感で、衝動買いを誘発できないか?という考えです。

ただこのアイデアはありきたり過ぎて、ボツ案ですね(笑)

【Amazon】インフルエンサーの購入履歴を公開する

次のアイデアは、「インフルエンサーの購入履歴をAmazonで公開しちゃう」です。これは遅かれ早かれ、どこかで実現する気がしています。

Amazonインフルエンサーのような検索ボックスができ、ホリエモンや田端さん、孫社長の購入履歴が見れたら興味ありますよね?

リアル店舗での衝動買いは「みんなも買っている」安心感だったわけですが、ネット時代の衝動買いは「信頼するあの人も買っている」に代替されるのではないか?と考えています。

今でもインフルエンサーが「オススメ買ったモノリスト」をブログで公開ししていますが、もっと生々しく消費者が自由に検索できるようになったら面白そうです。


インフルエンサーへの対価はアフィリエイト。べつに、全部の購買履歴をさらす必要はなく、「この商品購入履歴を公開しますか?購入履歴から他のユーザーが商品を買えば、商品価格の3%が報酬としてお支払いします」みたいな文言が毎回表示されるイメージ。

ビジネスインフルエンサーが購入している本や、美容垢が買っている化粧品が見れたり、そのランキングが表示されると買っちゃいたくなるのかなぁと想像しています。

最後に

今日は、ECで衝動買いを誘発する方法について考えてみました。

・今しか買えない
(物理的、時間的、価格的に)
・まわりも買っている
・もとを取りたい、サンクコストバイアス

個人的に、Amazonインフルエンサー的なプラットフォームはこれから出てくるんじゃないかなと踏んでいます。衝動買いとは少し違うかもしれないですけどね。

どうせこれから監視社会に突入していくなら、さっさと情報を明け渡してしまえ。そんな精神で行ったほうが良いと思っています。ハイ。


とくに今日は役に立つ話でもない中、僕のアイデアブレストにお付き合いいただきありがとうございました。またnoteを読みに来てもらえると嬉しいです。

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