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騒音トラブルが起きない賃貸物件の選び方とは?構造の見極め方や内見方法も紹介

「毎晩上の階の住人が宴会をしていてうるさい」
「隣の部屋からエレキギターの音が聞こえてきて仕事に集中できない」
「夜勤から帰ってきて寝たいのに、上の部屋から聞こえる子どもの足音が気になって寝られない」
 
賃貸マンションに住んでいる人の中には、上記のような騒音に悩まされた経験がある人も多いのではないでしょうか?
 
そしてもし次に引っ越すのであれば、騒音トラブルがなく静かに暮らせる賃貸マンションがいいと思っているという人も多いと思います。
 
そんなあなたのために、今回は「騒音トラブルが起きにくい賃貸マンション選びのポイント」をテーマにお話しします。音が周囲の部屋に伝わりにくい物件の特徴だけでなく、内見の際のコツもお話ししますので、ぜひお部屋選びの参考にしてみてください。

騒音トラブルが起きにくい賃貸マンション選びのポイント

騒音トラブルに悩まされない物件を見極めるには、大きく分けて下記の4つのポイントに注目します。
1)建築構造
2)部屋の配置
3)壁の厚さ
4)物件の立地
 
物件資料を見るだけで判断できるポイントもありますが、実際には現地に足を運んで自分の目や耳で確かめることが重要です。どのような点に注意して選べばいいのか、詳しく見ていきましょう。 

建築構造

賃貸物件の建築構造で多く見かけるのは鉄筋コンクリート造(RC造)・鉄骨造(S造)・木造の2つ。このうち防音性に優れているとされているのは鉄筋コンクリート造です。

鉄筋コンクリート造は、鉄で作った骨組みの間にコンクリートを流し込んで壁を造る工法です。壁の密度が高いことから生活音を通しにくく、防音性に優れているという特徴があります。

鉄骨造も枠組みを鉄で作っているという点では鉄筋コンクリート造と同じですが、壁の密度が低いことから防音性は劣ります。

アパートの構造として見かけることのある木造は、通気性がよく結露しにくいというメリットがあります。しかし通気性がいいということは音も通しやすいということでもあり、防音性は低いという点に注意が必要です。

部屋の配置

賃貸マンションの場合は、部屋の配置によっても周辺の音の感じやすさが大きく変わります。

上の階から聞こえる足音が気になる場合には最上階を選ぶのがおすすめ。逆に夜遅くに帰宅することが多いなどでご自身が立てる音に気を配りたい場合には、1階の部屋を選ぶといいでしょう。

また中層階であれば、隣の音の影響を受けにくい角部屋を選ぶというのも選択肢の一つです。

壁の厚さ

壁の厚さによって隣の音の聞こえやすさが変わるということは、なんとなく知っている方も多いのではないでしょうか。

賃貸マンションの壁は大きく分けてコンクリートと石膏ボードの2種類があり、コンクリートの方が防音性が高いとされています。

壁のつくりを見極めるには、内覧の時に軽く壁を叩いてみる方法が一番簡単です。コンクリートの場合は中身の詰まった固い音がし、石膏ボードの場合は中に空洞があるような軽い音がします。

また在宅している人の多い時間帯の内覧であれば、静かに耳を澄ませてみて、隣からの音が聞こえないかどうかを確認してみるのも大切です。 

賃貸マンションの立地

賃貸物件に入居したあとに問題となる騒音は、入居者が発する音だけとは限りません。物件の立地や周辺環境によっても聞こえてくる音や音量が異なるため、意識的に確認しておく必要があります。

駅からのアクセスがいいからといって安易に駅近の物件を選んでしまうと、電車の音や地響きに悩まされる可能性があります。また周辺に商業施設や店舗、学校などがあるエリアは利便性が高く人気ですが、人通りが多いぶん夜遅くまでガヤガヤとした雰囲気で落ち着かないというデメリットもあります。

周辺にどんな施設があるのか、大きな道路や線路はあるかは、内見前に地図などで確認しておくことが重要です。 

騒音トラブルに悩まされない物件を選ぶ内見のコツ

賃貸マンションの内見をする際は、全体をなんとなく眺めるだけでは理想の物件にたどり着くことはできません。ましてや静かに暮らせる物件を選びたい場合には、「騒音トラブルが起きない物件を見極めるための視点」で内見する必要があります。

曜日や時間帯を変えて環境を確認する

賃貸マンションを選ぶ際、内見の回数は1回または多くても2回のみで入居先を決めていませんか?防音性の高い物件を見極めるためには、内見はできるかぎり複数回おこなうことが重要です。

理由は曜日や時間帯によって周辺環境が変化するためです。

例えば平日の日中は多くの人が外出しているため騒音を感じにくくても、夜になると隣近所からテレビの音が大音量で聞こえてきたり、上の階に住んでいる子どもの足音が響いてきたりするかもしれません。また入居者が発する音以外にも、近くを走る幹線道路の交通量が多い時間帯があったり、商店街から活気のある声や音楽が聞こえてきたりすることも考えられます。

賃貸マンションの内見は日中に行くという方も多いと思いますが、ご自身が静かに過ごしたい時間帯に近隣住民や周辺環境がどんな様子かを見るためにも、可能な限り複数の曜日・時間帯に分けて内見に行くことをおすすめします。

入居者のマナーと共用部の使用状況を確認する

賃貸マンションで静かで快適な生活を送るには、同じ建物内にどんな人が暮らしているかという点も重要なポイントです。

部屋ごとに世帯が違うとはいえ、みんな同じ建物で生活しているという点では共同生活を送っている状況と言ってもいいのが賃貸マンションです。家族構成や生活時間帯(日中仕事に出ているのか家にいるのか)はもちろんですが、ほかの入居者に迷惑になる行動をとる人がいないか、もっと言えば「騒音問題の原因になりそうな人が入居していないか」という点は、内見時に必ずチェックしておきたいところです。
 
共用部に騒音に関する注意書きが貼られている場合は、実際に住民の間で騒音トラブルが起きている可能性が高い物件と言えます。

さらにゴミ捨て場が荒れていたり郵便物でいっぱいのポストが放置されていたりする物件は、住民のマナーが悪く入居後に騒音トラブルが発生するリスクが高い傾向にあります。

共用部の管理が十分におこなわれていないということは、万が一騒音トラブルが発生した際に管理会社が適切に対応してくれないということにもつながるため、物件自体が防音性の高いつくりをしていたとしても、入居を見送るのが得策です。 

騒音の種類

ここまで騒音トラブルになりにくい物件の選び方や内見のポイントについて解説してきましたが、実際に物件を選ぶ際には、賃貸マンションでトラブルになりやすい騒音とはどんなものかを知っておくと内見の際に役立ちます。

騒音には大きく分けて「固体伝搬音」と「空気伝搬音」という2つの種類があります。簡単に言うとモノに何かがぶつかった際に発生するのが「固体伝搬音」、空気中に放たれて音波として伝わる音が「空気電波音」です。

固体伝搬音

「固体伝搬音」とは、建物などの物体に衝撃が加わったときの振動が空気中に放出されることで発生する音のことを指します。具体的には床を歩いたときに発生する足音や、洗濯機が動いているときの音が固体伝搬音に該当します。

のちに解説する「空気伝搬音」との違いは、音の密度が高く、距離が離れても音量がさほど変わらない(大きいまま)という点にあります。特に賃貸マンションにおいては、床・壁・天井で隣や上下階の部屋とつながっているため、音や振動が伝わりやすいのが特徴です。

空気伝搬音

壁や床にものがあたることによって伝わる固体伝搬音に対し、空気中に放出されて音波という振動の形で伝わるのが「空気伝搬音」と呼びます。

具体的には外部からの騒音やAV機器から発せられる音が該当し、壁や窓などを透過することで室内や隣の部屋に伝わるという特徴を持ちます。

空気伝搬音は固体伝搬音と比較すると密度が低いため、吸音材や遮音材を使用することで対策できます。 

賃貸物件でトラブルになる騒音の種類

賃貸マンションにはさまざまな家族構成・職業・年齢・生活時間帯の人が居住しているため、騒音に悩まされたり近隣住民とトラブルになったりすることは少なくありません。

ここでは賃貸物件でよくある騒音トラブルを5つリストアップしますので、物件選びや内見の際の選定基準に活用してみてください。

人の声・子供の声

人の話し声や笑い声は、賃貸マンションでは思っている以上に隣の部屋に伝わりやすい側面があります。隣の部屋の声が聞こえるということは、こちらの部屋の音も聞こえているということでもあるため、ある意味お互い様といったところではあるでしょう。

しかし特に深夜は周囲が静かなぶん音が響きやすい傾向にあり、遅い時間帯に宴会を開いている部屋がうるさくて寝られないといった話も耳にします。
また子どもが多く住む賃貸物件では、子どもが発する声や走り回る音が気になる場合もあるでしょう。

子どもが元気に成長していくのはほほえましいことではありますが、生活時間帯のずれによってはストレスに感じることもあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

生活音

多くの賃貸物件でトラブルになりやすい騒音のひとつが生活音です。

朝早く洗濯機を回したり掃除機をかけたりする音が気になる、クローゼットを乱暴に閉める音がうるさい、深夜の足音が気になるなどといった声が多く聞かれます。

特に多くの人が寝静まった深夜は音が響きやすいため、ほかの部屋からの生活音だけでなく、ご自身が発する生活音も伝わりやすくなるため注意が必要です。

楽器

賃貸マンションでの楽器演奏は多くの場合で禁止されていますが、小さい音であれば大丈夫だろうと考えている入居者も少なくないのが事実です。

しかし人の声が隣の部屋に伝わりやすいのと同様、楽器も外に音を漏らさずに演奏することは難しいため、騒音トラブルの原因になりかねません。

特に窓を開けた状態や夜間の演奏は、隣や上下階の部屋だけでなくマンション全体に聞こえるケースもあるため、静かな住環境を求める人は内見に行く時間を工夫するなどして確認することが重要です。

ペット

ペットを飼育している人が入居している賃貸マンションでは、ペットの鳴き声だけでなく足音も騒音トラブルの原因になり得ます。

特に猫や小型犬といった小さなペットの甲高い鳴き声は隣の部屋に響きやすく、中型犬・大型犬の鳴き声は声量が大きいためクレームにつながるケースが多くあります。

また大型犬は体重が重いため、子どもが室内を走り回る以上の振動が発生します。飼い主が帰宅する夕方以降の時間帯に活発に走り回ることで、下の階に影響を及ぼすことも少なくありません。

バイク・車・トラック

賃貸マンションで悩まされる騒音は、入居者が発するものだけではありません。なかにはマンションの近くを通るバイクや車、トラックの音が気になるという人もいます。

幹線道路や高速道路が目の前の賃貸マンションは眺望や日当たりのよさが魅力ではありますが、交通量の多い時間帯は窓を閉めていても車の走行する音が響いてくることも少なくありません。

また駅や線路に近い物件も電車の音に悩まされることがあるため、車の交通量や電車の運行本数が多い時間帯に合わせて内見するというのも、騒音に悩まされない物件選びには重要なポイントです。 

騒音トラブルのない賃貸マンションは内見で見極める

騒音トラブルが起きにくい賃貸マンションを選ぶためには、物件資料をもとに建築構造や立地を確認しておくことも大切ですが、最終的には現地に足を運び、部屋の位置関係や壁のつくり・ほかにどんな人が入居しているかなどを入念に確認することが重要です。
 
内見は一度で終わらせず、曜日や時間帯を変えて複数回おこなうのがおすすめ。ほかの部屋の入居者が在宅している時間帯や、マンションの周辺が混雑する時間帯を狙って内見すると、実際の騒音の聞こえ方を体験できます。共用部の使用状況や管理状態で入居者のマナーを判断することも、騒音トラブルが多い物件に入居しないために見過ごせないポイントです。
 
物件を紹介してもらう不動産会社には、静かな環境で暮らしたいということをあらかじめ伝えておきましょう。自分の目や耳で確認するだけでなくプロの力も上手に活用すれば、理想的な住まいを手に入れられる可能性も高まるでしょう。

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