精神科病院 医事課の日常風景

最近のメディアでは、新型コロナウイルスの第2波(と勝手に私は判断しています)とGoToトラベルキャンペーンの話題が飛び交っています。ここで政府の判断や対応の是非について述べるつもりはありませんが、個人的には「とりあえず今は、用も無いのに家から出るな」と思っています。せっかくの4連休(私は仕事が入っていますが…)ですが、こればかりは仕方ないのかな、と思っています。

さて、前回の「精神科病院の受付から見た日常」では、受付より外側にいる、患者や家族などのお話をしました。今回は逆に、受付から内側の話をしようと思っています。通院・入院の経験がある方もそうですが、身体科病院の医事課の方でも、精神科病院の医事課がどんな雰囲気なのかって、たぶんあまり知らないと思います。「どこも同じように見えて、実はこんな所が違うんだ」といったものが書けたらと考えています。ただ、個人的な感覚が強いので、単なる愚痴や悪評になっているかもしれません。その場合はさらりと流してやってください。

いつものごとく、あくまでも当院での話です。比較対象は私が様々な用事(病院見学、訪問など)で見た医事課です。もちろん、私が書いているものと違っている医事課もたくさんあると思います。その点はご容赦いただければと思います。

・精神科以外は弱い

以前書いた「『精神科』は弱すぎる」でも挙げましたが、精神科病院というのは、全体的に精神科以外のことに関して関心が薄いです。これは医事課においても例に漏れず、むしろ苦手意識が顔を出してきます。

レセプト作成が分かりやすい例だと思います。当院は精神科ですが、内科疾患や整形外科疾患の治療も行っていて、高血圧症や腰痛症程度の疾患は対応しています。もちろん、専門的な検査や治療は行っていないので、当院で対応できない場合は、近隣の総合病院などに通院・入院の対応をお願いしています。

当院で治療を行った場合、当然レセプト請求は当院で行いますが、身体科の医事課では常識的な内容のものでも、そこそこの確率で査定・返戻を受けています。これは勤務歴がどうこうではなく、ほぼ全員に言える事です。査定・返戻になればその原因を調べるのですが、ネットで調べると「○○するのは必須」「△△は当然算定できない」みたいな文言を見かけることがしばしばあります。加えて、同じケースが頻回に無いこともあってか、忘れた頃に同じ査定・返戻を受けることもあります。

「おたくの医事課のレベルが低いだけなんじゃないの?」と言われるかもしれませんが、当院の年間査定率は0.1%以下(支払基金や国保連合会は0.5%)なので、手前味噌ではありますが、そこまで悪くはないとは思っています。

・言葉遣いが悪い

少し前に、某携帯電話ショップでの不適切メモが話題となりましたが、その時「接客業として完全にアウトだよな」と思ったと同時に、「うちの病院も似たようなもんだよな…」と感じてしまいました。というのも、当院の職員にも時々不適切な発言をしている人が少なからずいるからなんです。(これに関しては、医事課に限らずどの職種にも存在します)

少し理解の乏しい人や、ちょっと変わった行動をする人に対して「キ○ガイ」「あの人病気だから」のような、差別的発言を嘲笑と共にする人がいます。当然ですが、本人の前では言いません(それをやっていたらクビですしね…)が、対象が患者や家族だろうと職員だろうと電話先の相手だろうと、平気でそういった発言をする人がいるのは事実です。しかも、割と大きな声で場所や時間を問わず。個人的には本当に嫌悪感しかありません。

もちろん私も平凡な人間なので、そういった感情を抱くことはありますし、時には悪意を持って同じような発言をすることはあります。しかし、大っぴらに大声で言うことは無いし、言ったとしても場所や状況は選びます。さらに言うと、それができなくなったら終わりだと考えています。

そういった無神経な人たちのほとんどは、基本的な接遇もできていないし、コンプライアンスも違反しがちなのに「自分はできる人間」と勘違いしているように感じるのは私だけでしょうか…。

・自分自身の意見を持たない

これは精神科病院に限らず医事課全体に、ひいては病院という組織全体に言える事のような気がします。例えば会議や研修会などで、質問や発言はほとんどしません。にもかかわらず、終了後に色々としゃべりだします。さらに言うなら、会議などの内容にケチをつけだします。「じゃあその場で言えよ」といつも思うのですが、そういう人たちに限って、話を聞きながらわざとらしく頷いていたりするんです。

私の以前の業種は、医療とは全く無関係な一般企業でした。会社の風土にもよるのでしょうが、私が経験した数社は「会議は発言する場所で、全体と自身の方向性を確認する機会」「沈黙は悪」「意見も質問も無い者は何も考えていない」といった考え方が普通でしたし、それができていなければガッツリ指導(というか説教)されていました。しかし「なぜ時間と場所を費やして集まっているのか」を考えれば納得できましたし、今でもその考えは変わりありません。ですから、私はできる限り発言するよう心がけています。

私が考えるに、以前書いた「実は凄い精神科」の③で触れた「アットホームな雰囲気が良い」という思考が影響しているように思います。みんな仲良くしたい(でも言うほどみんな仲良くない)という思いで「意見を交わす=争う」という考え方なのか、その場が平穏に過ぎ去るのを待っているだけのように感じて仕方ありません。まぁ、そういう人たちからしたら、私のような存在は邪魔臭い存在なのかもしれませんね…だから時々衝突してしまうんでしょうね…。いや、そんなに言うほど嫌われてはいないと思いますよ?(あくまでも私的感覚なので真偽のほどは分かりません…)

こうやって書き出してみると、良いことほとんど書いてなくて、ただの悪口みたいになってますね。何となくですが、良いことを書くと「身内だから良いように言っているだけじゃないの?」と思われそうだったので、あえて避けました(被害妄想)。ただ、悪い点があるということは、それを改善すれば今以上に良くなるということですから、まだまだ成長できるということです(ポジティブシンキング)。

これを見て「人のふり見て我がふり直せ」のように、自身の今後に何かしら活かしてもらえたら幸いです。

ありがとうございますm(_ _)m精神科の風評向上のために使わせていただきます。