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パフェは自由だから。君の感想を聞きたい〜L'atelier à ma façon〜

パフェって、なんなんだろうね。

「完全な」を意味する「パーフェクト」が由来とか言うけれど。
だって、どんどん私の思う「完全」を覆していくのだし、時には不完全であるが故の美を追求したような芸術性に満ちたパフェもある。

私のお気に入りの中でも群を抜いて常軌を逸しているヤバいパフェ屋さん、L'atelier à ma façon。

昨日は小笠原伯爵邸について「これからも何度でも!」という話を書いたのだけれど、ここも一度行ったらそれでOKというお店ではない。
素晴らし過ぎてもう、心が離せない。

大抵はドリンクと合わせて4,000円は超える、なかなかの贅沢。
一度行けば「これで1ヶ月は仕事頑張れるわ~」とか言いたいところなのだけれど、ごめんなさい、2日連続で行きました。

だって――、いやこの話は3日目にとっておこう。
そう、ちょっと語りたいことが多すぎてね。
一度に書くのは無理。
書き上げる私の気力と、読んでくれる人の時間とか色々考慮すると3日に分けるのが丁度良い。

つまり、ヤバいパフェということだ。

旬の洋梨と葡萄をふんだんに使用した晩夏のピュイダムール キャラメルアイス入り 2021ver.

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はいはい、可愛い可愛い。
……マジで可愛いな???

ショートケーキのように上にチョコンと乗ったフランボワーズ。
最初に食べちゃうのか?最後に取っておくのか???
いや、パフェの場合は最後じゃない気がする。
でも勿体ない!!

プリンみたいな円柱を取り囲んで、花畑か!!
ゴロリと半分にカットされたシャインマスカットと、間に盛られた小さな角切りの塊。花畑みたいじゃないか。
クリームに降りそそいであるのは砕いた粉末に近いピスタチオ?
こうなると、キャラメリゼの茶色い部分は土みたいだ。

全体的にパステルカラーでホワワンとまとめたお花の世界。
妖精が見えるぞ……。
真っ赤なフランボワーズが印象をピシッと固めてくれるよね。
この花畑の女王みたいだ。

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味わう前に、既に心の叫びが多すぎる。

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最初は、まずはピュイダムールのキャラメリゼされたクリーム部分からいってみようかな。

説明文に「ピュイダムール」と普通に書いてあるのだけれど、これ新規のお客さんの多くが「ピュイダムールって何???」状態で戸惑うのでは。
「何???」のまま、スマホで検索もせずに頼んじゃって、「可愛い尊い~~~」って素直に喜べる人、とても良いと思う。
私は検索しちゃった。

直訳で、「愛の井戸」。
パイの生地の器の中にクリームを詰めて、表面をキャラメリゼしたお菓子。

ん?パイは……どこだ???
それが、中に潜んでいるんだな~。
しっかりとピュイダムールを再現している。

クリームは、口の中に入れたと思ったら、一瞬プワッと甘さが広がり、滑らかに溶け消えて。気が付いたら、いなくなっている。
バニラの綺麗な甘みと、キャラメルのこんがり芳ばしく甘い苦味が余韻に残す。

フランボワーズも一緒に入れてみるとそこ甘酸っぱさが加わり、また全然印象が変わる。

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防波堤のような…いや、波じゃないから防甘堤とか言えばいいのかな。
そんな風に周りを取り囲む、花のような角切りスイーツ。
小さくパラパラとしたカット。
一粒一粒大きさにバラツキがあり、それがまた良い。

完全完璧に同じ厚さ、大きさみたいなカットも凄いなと感心するのだけれど、どこか機械的だ。こういう、人間らしさが溢れるところに一層心を掴まれる。

”かぼすで軽くマリネした梨・柿”という説明。
かぼす!!そういうマリネの仕方もあるのか~。

梨はあっさりサッパリとした透明感ある甘み、柿はもっと彩度強めな甘みで、そのまま合わせてしまうと、なんとなく違和感が残るのかもしれない。

それを「カボス」という共通素材で繋げることで一つの塊として食べられる。カボスとしての味わいがそんなに強いわけでは無いけれど、フッとあの爽やかな酸味の風が鼻を通った気がした。
洋梨と柿だけではない。
よくよく見ると、ピンク色の透けるゼリー?なんかも混じっていて。

どれだけ細部にまで手間のかかったパフェなんだ。

そしてこのカットの一つ一つは小さいからこそ、シャインマスカットがなんだか大きく感じられる。プシュっと弾けて、一色の甘さがシュッと一瞬で口の中に広がる。色々な甘さの入り混じる洋梨と柿のパーツとは対比的であり、別々に食べても一緒に合わせてみても楽しい。

クリームに合わせても、そのフレッシュ感がまろやかにシルキーに絡み合い溶け合い、魅惑的なスイーツとして味わえる。

中に潜むパイ。
こんなに水分たっぷりの中に入っていて、なんで最後までサックサクを保っていられるのか全く分からない。
そこだけ別空間に存在しているのでは。

薄く平べったく入っているのではない。
なんだかやたらと、んんん?と自分の進めたスプーンの当たった先を疑いたくなる程に分厚く、分厚い。

美しかった。
美味しかった。


こういう芸術系スイーツは、食べている瞬間は「こんなん一生忘れないぞ」と思えるのだけれど、実はそうでもない。

無我夢中で食べ進めてしまうので、案外「あれ??あそこどうなってたっけ?ん?あれは中層のムースと一緒に食べて...いや、下層のジュレと一緒に。あれあれ??」と記憶の混在が起こる。

食べ親しんだ味わいであるなら、すぐに口の中にそれを再現できるけれど、「これは初めて食べる味!」みたいなのは、結構すぐに舌が忘れてしまう。

だからこそ、早めに、自分の身体がその刺激を覚えているうちに、ひとつでもいい。誰かのレビューからもぎ取った感想でなく、自分の身体に染みた感動を思い返しておきたいものだ。


キャラメリゼしたモンキーバナナとトンカ豆の香る温かいミルクリゾット
ラムレーズンとキャラメルナッツ、バナナアイスのパフェ

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これは一緒に行った人が注文して少し貰ったもの。
だから「ん???ミルクリゾット??え、米入ってるのどうなの??」ということまではよく分からなかったのだけれど、でも、うん、とんでもなく美味しいということは分かった。

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いやいやいや、このバナナがヤバすぎる。
最近シャインマスカットとかではこういう並べ方流行ってるけどね。
バナナは、初めて見た。

バナナをこれほどに薄く延ばして、こういうデザインを組み上げる事って可能なんだね。凄過ぎる。

たっぷりに、その苦味を上回る甘さでたっぷり、キャラメリゼされていて、それは当然バナナに超超合う。

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真っ白なクリームがミルク感いっぱいに甘く、でも知らない初めての出会い、不思議な不思議な味わいがする。これがミルクリゾットなのだろうか。
それとも最下層の白??

大きめにザクザクと心地良く砕けるクランブルも、ギュッとしたコクのある甘みの詰まったラムレーズンも出てきたりして。
あぁ、中層のバニラ香るクリームも、ジュレには結構洋酒がきいているかな、美味しい。


パフェは、ケーキよりも更に”ちょっと分けてもらう”が難しい。
取りにくい、ということもあるけれど、パフェはその全てをもって色々な創造性に満ち溢れ、多くのメッセージを伝えてくれる深いスイーツだ。

その一部だけを垣間見て、自分で改めて一人前食べたいなという想いが強まった。


アマファソンのパフェは構成表が無い。
それでいて滅茶苦茶複雑なので、感想を書く時には「?」がどうしても多くなってしまう。

より鮮明に覚えておくためにも、食べている途中の写真も撮っておくべきなのかもしれない。いや、そんな心の余裕もてるかな。

その構成に謎が多いということはもどかしい一方で、食べる人それぞれの想像力を掻き立てるという楽しさもある。

お店からの情報が多いほど、レビューはそれに沿ったものになるものだ。だから、アマファソンのパフェを食べた人の感想は凄く独創的に富むはず。

開店前のあの行列っぷり。
食べてる人、もっといるんでしょう?
食べたよ報告もいいけれど、感想を、ひとことでも良いからあなた自身による感想を聞かせてくれ。








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