ボンボンショコラを推す会
チョコ沼の人たちって、なんとなくタブレット好きが多い気がしている。
カカオの味わいがじっくりじんわりと味わえるからだろうか。
買う量がヤバイので、賞味期限的な意味合いもあるのかもしれない。
私もタブレットを買うことはあるが、圧倒的にボンボンショコラ派。それも同じのが沢山入ったやつより、全部が異なるやつがいい。
限りある人生の中で、かけがえのない一期一会の奇跡をできるだけ多く楽しみたいから。
そんな信念をもって自分の好きを定義していくことは、おかしなことだろうか。
素敵すぎるブランドに出会った。
これから見かける度に買ってしまうかもしれない。
ノリコショコラ
花咲くショコラ 〜美しい地球に咲く愛の花〜
圧倒的、可愛さだった。
花…。
花を用いたチョコはそれはもう幾度も食べてきた。
けれどこれは…ちょっと次元がひとつ異なる。
一粒一粒が、それぞれ異なる花の表現を咲かせている。
春、夏、秋、冬。
流れるように。
桜、向日葵、椿、ビオラ。
季節を表現して。
品格、情熱、優美、誠実。
意味合いを込める。
「個」に紛れもない価値がある。
なんて素晴らしいのだろう。
【春】桜〜品格〜
卵の形。誕生、始まり、春。
それはあまりにも可憐で上品で美しい。
駄目だ、そういう黄色い声でキャーキャー騒ぐのは似合わない。十二単の似合うような、凛とした佇まいのチョコ。
花やベリーとチョコが溶け合って。
薄く柔らかく、スベやかに。無垢な気取らなさ、抱きしめたい。
優しさの光に包まれる。
味の輪郭は結構ハッキリで、おおぅと驚く瞬間がある。こんなん、愛おし過ぎない???
【夏】向日葵〜情熱〜
突き刺さるような酸味に心がグワッとする。
ジワジワと奥に滲む苦味と甘さ。このハツラツとした爽やかさは完全に夏だ。
笑い声の賑やかなビーチ、友達とアイスを食べ合うのが楽しい帰りの通学路。そんな夏の情景が浮かぶ。
ちょっと浸り過ぎかなって恥ずかしいけどさ。
それでもそういう懐かしさに思いを馳せながら食べるのがとても良い。
センター ハートのマンディアン
凄い凄い、こんなにもいっぱい…ドライフルーツ、ナッツ、カカオニブ…。
もう存在のほぼ全部がこれ。食感も味わいも楽し過ぎるを超えて楽しくてうっとり。
ホワイトチョコもそれぞれのパーツにしっかりと絡んで溶け込んでいて。可愛らしい甘さに満ち溢れている。
ただただ純真に美味しい〜。
こんなにもフルーツやナッツの占める割合が多くて、どうやってこんなにも可愛らしく綺麗なハートの形に安定しているのか、まるで理解が届かないけれど。そこに崩れそうという不安はない。
ハートをカットする時にはいつも背徳感のようなものがチクリと刺さるのだけれど、なんかもう色々入りすぎている感嘆の方が大きいよね。本当に凄いことだと思う。
【秋】椿〜優美〜
温かい。
味わいに寒暖ってあるんだなあというのが凄く分かる。
【冬】の表現する温かさとは全然異なっていて、ちゃんと【秋】と分かってしまうあたりが、チョコのポテンシャル凄すぎる。
栗の蜂蜜、アマレット、ナツメグとシナモン…説明文のままだけど、本当に芳醇な香りが楽しめて。それが紅葉など、秋の情景を思わせる。
白に包まれたビターなチョコも良…。
【冬】ビオラ〜誠実〜
凄く温もりある…ほっこりとしたチョコレート。
これこそ【冬】の伝える温もりである。
オレンジキャラメルとシナモン…これから春に向かう冬を、こうやって表現するのか。ただただ、感嘆の溜息がこぼれるだけである。
どっしりとした力強さが、圧を加えないよう優しくフワリと包み込んでくれる、そんな安心感がフワリとそよぐ。
こんなに素晴らしいチョコを生み出すお店、他のだってそりゃあ素晴らし過ぎたんだ。ちょっと1種類は無理だった。どれもこれも最高過ぎて…思わず全種類階層になったところを2BOXで耐えたのだから褒めてもらいたい自分に。
…なんでもっと買わなかったんだ畜生!!
新月ショコラ
新月というタイトルも反則だと思うし、
チョコの見た目も、きっと味わいも、
そしてコース料理仕立てというコンセプトも。
全てが好き過ぎた。
可愛いお皿に並べてみても、
並べ替えてみても、
…はあ?良きしかない。
さて、せっかくコース料理に見立てているというのだから、これは1日1粒とかじゃなくて、流れに沿って食べるのが礼儀というもの…かもしれない。全部食べてしまいたい言い訳である。
感動に浸りすぎて、超時間かかった。
時間にゆとりのある休日にしか無理なチョコだな。
空想
こんなにもブルーチーズなチョコある!???
チーズをテーマにしたチョコというのは食べた経験もあるけれど、それは本当に美味しいものだったけれど、ただここまでハッキリくっきり容赦なくそのままブルーチーズではなかったはずだ。
この驚きは絶対人生初。
3日くらい続けてチーズのブルーチーズを食べていた私の舌は、チョコという形状になったブルーチーズを違和感なく迎え入れた。
ブルーチーズが苦手な人は多い。
気持ちは分かる。昔はそりゃあ「こんなん人間の食べるものじゃねえ」って思っていたし、今だって「カビか…」と考えちゃうとちょっと食べにくくなる。
でも実際のチーズの毒々しい感じ…リアルカビ感って言うのかな。それがチョコでまろやかになっていて、嫌悪感が個人的には全然わかない。だから「ブルーチーズはなんとなく嫌だけど味は気になる」って人にはいいかもしれない。
まあ味が本当にまんまだから、あの味が無理って人にはおすすめできないけれど。
カットした時に見えた赤はなんだろう、苺チョコを切った時の色がカッターに残っていたかな…なんて考えながら食べていたのだけれど、正体はピンクペッパーだ。
凄くびっくりするアクセントだった。食レポでよく使う「アクセント」の真髄って、これだろうなぁ、なんて思ったりする。
チョコの領域を完全に逸した、食事だった。
間想
説明には「パクチー」という文字があるが、ブルーチーズと違い、ガッツリとパクチーそのものの味!というわけではなさそうだ。
主役は苺。ふんわり甘い苺。可愛らしい。ただ凄く苺なのに、浮かぶイメージは爽やかな緑。その不思議な爽やかさがパクチー要素なのかな。
なめらかすぎる餡みたいな不思議な舌触りもまたユニークで、凄くワクワクが広がる。
アース
地球だ……。
見た目がとんでもなく綺麗すぎて、それはもう超絶めっちゃ地球で、いつまででも見ていられる。
深い青に緑とか入っているのも凄い。白い模様なんて、今にも動きそうじゃないか。リアル。思わず日本を探してしまった。
オレンジハニーは朗らかで寛容な甘さにコクと陽気な酸味も加わる。ラベンダーは凄く清楚で上品な感じ。流れていく変化の面白さと充実感。
凄い、凄い以外の語彙力が失われる。
夢想
世界観が…大地の神秘、歴史…凄…。タイベリーもローズマリーも、凄く分かる。力強さに満ち溢れていて、ハーブの効力か、もっとを求めさせてくる。説明にもある「エキゾチック」という言葉が、非常によく似合う。
色も形も、全てが美しい。
花の可愛らしさとか、アースの「チョー地球だ〜!」という感動とかとはまた違う、自然への畏怖みたいな美しさがある。
こんなにもガッツリとしたビターな重たさがあるチョコなのに、余韻に重力は乗らない。
モフっと柔らかく綺麗にとろける…不思議…!
黙想
はあぁ〜〜〜、珈琲だ。安らぎ。静寂。本を読みたくなる。確かにビターな味わいだけれど、苦味では全然ないのは何故だろう。
なんとなく、凄く頼もしい。
珈琲とか豆が好きだからだろうか、この形にも物凄く惹かれるものがある。これだけで、見ただけで、珈琲を飲んだかのような錯覚に…そして食べたら錯覚が現実になる。当たり前だけど、不思議だ。
ピカンナッツのプラリネは、それ自身の甘さの主張が強いわけじゃないのに自然と全体に甘みをもたせてくれる。素晴らしい時間の終わり。
それはそれは、素敵な時間をありがとう、チョコ。
私はチョコを妄想で語りたい癖があるので、きっと他の誰かが食べた感想とは全く異なるのだと思う。
でもその自由こそが魅力のひとつだし、自由な創造性を広く持たせたチョコは凄く良いチョコだと思っている。
同じチョコを食べた彼は彼女は、何に想いを馳せるだろう。
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