幸せの証明〜カカオサンパカ〜
今、悩んでいることはありますか?
「別に無いよ」
そう答える人には、にこやかに「それは良かったですね」と言ってやるのだが、心の中では「それは幸せじゃないなあ」と思ってしまう。
悩みにも、当然だけれど色々ある。
ただひたすらに痛みだけを伴う悩みに対して、「痛みも人生を豊かにしてくれるスパイスだからさ。今が頑張り時だよ」なんてお気楽なことを言うつもりはサラサラ無い。
時には命にも関わることだから。
たとえ自分にとっては「何だそんな事」と思うことであっても、誰かにとっては本当に深刻なことかもしれない。
触らぬ悩みに祟りなし、だ。
冷たいと思われるかもしれないけれど、安易な過干渉は避ける。
それがひとつの優しさなのかなと思っている。
でも自分の悩みであるならば。
ちょっと見つめてみるのも良いかもしれない。
「人生を豊かにしてくれる美味しい悩み」があることだって、確かなことだから。
それは例えば、好きから生じる悩み。
何か好きなものがあれば、必ず悩みが生じるものだ。
もっと知りたいのに勉強する時間が無い。
もっと上手くやりたいのに、実力が足りない。
もっと欲しいのに、お金が足りない。
もっと食べたいのに、ふ...太......。
そう、食べ物のこと、とかね。
こういう悩みは辛いけれど。
可能な範囲での取捨選択。
違う方法の模索。
そもそも、何故「好き」なのか、気持ちの捜索。
辛いけれどっ!!!
でも、やっぱりそういう悩みがあるからこそ、自分の気持ちをしっかり理解して、もっと「好き」を深められるのかな。
なんて思う。
**
なんの話かといえば、
「さてどのチョコレートを買おうか」と悩んだお話。
カカオサンパカ
バレンタインシーズンには催事で必ず1つは購入する大好きなお店なのだけれど、実店舗に行った事は無かった。
丸の内にあることは知っていたのだけれど。
先日、ついに少し足を伸ばして訪れた。
それがなんとまあ…
好き過ぎるラインナップ!!!
産地別...ううぅ...欲しいけど!この切り口から攻めると絶対何枚も買いたくなるし。いや、今日はタブレットは1枚だけ...。
悩んで、なんとなく、ふと、「ベリー系が食べたいな」と思った。
聞くと、ダークのベリー系は「ブラックベリー」と「キイチゴ」があるらしく。
......待って。
味わい的にどう違うんだろう!?!?
「ブラックベリーの方が甘さが強い感じですか?」
超、当てずっぽう。
「キイチゴ」は少し想像できる気がするけれど、「ブラックベリー」の味ってどんなだっけ!?!?
愉しみにしていただけあって、店頭で少しテンパってしまう。
「そうですね、ブラックベリーの方が甘くて、キイチゴの方が甘酸っぱいですね」
良かった、あってた!!!!
2つの食べ比べも少し悩んだけれど、とりあえず「ブラックベリー」の方だけ購入することにした。
**
「モラ」
すっごくシンプル!
よく見ると、ちゃんと「カカオサンパカ」のロゴが入ってる。
開封した瞬間に、ベリーの実る農園にワープしたかと思う程の華やかな香り。あっ、本当だ、香りからキイチゴ系の赤色の果実とは違う。
名前通りの、ブラック、あるいは紫系の果実の香り。ワインを作る時に葡萄を潰す光景が、脳裏を掠めた。
パキッパキッと気持ちの良い軽快な音を鳴らして割れる。
口に含むと、香り通りの味わいが、サラサラするすると溶け行く。
レーズンにも近い、でもやっぱりベリーな、甘さの凝縮された味わい。
独特で、多分食べたことのない味わいだった。
でもどこか、知ってる懐かしい味わいでもあって。
これはきっと、次にカカオサンパカに行ってチョコレートを選ぶ時、口の中にこの味を思い出しながら気持ちを新たに選べるやつだ。
記憶に刻み付けられる、インパクトの強い味わい。
そういう力を持ったチョコレートだった。
美味しくて、2日で食べちゃった。
わりと大きなチョコだったからビビってしまったけれど、内容量50g。
薄いから、総量としてはそんなに多くないらしい。
良かった、とホッとすべきなのか。
もっと食べたいと嘆くべきなのか。
**
どの味を買おうか問題は、この先もずっとずっと付きまとうだろう。
でも。
悩んでる最中は確かに辛いけれどさ、
こんな悩みは、ちょっと幸せだと思いません?
悩みは、好きであることの証明でもあるのだから。
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