人生~フェーブ×セ・ラ・ヴィ~
もしも私が何かを生み出すことを生業とした人であったならば。
そうして生み出したそれに「人生」という名を付けるのならば。
何を込めるのだろうか。
パティシエ辻口博啓シェフ。
お菓子に詳しくない人でも、彼の名を知る人は多い気がする。
なんか、もの凄く色々と幅広くやっていて。
色々、と言ってもそれはぶれることなく「スイーツ」の世界でのことで。
スイーツ界を楽しく幸せいっぱいに。
そこに大きな存在感を残し、今でも牽引し続けている偉大な人である。
と、
特にその世界に身をおかない、ただのお菓子好きの立場では認識している。
そんなシェフの代表作「セ・ラ・ヴィ」。
「人生」という意味の名を付けたケーキがある。
…で。そのケーキの話を書ければ良かったのだけれど、そういえば私食べたことないや。
いつか絶対食べよ。
本日は「人生」そのものではないけれど、コラボしたお菓子のお話。
「セ・ラ・ヴィ」はこの写真の。
確かに、モンサンクレールの特集なんかでは、よく見るやつだ。
いつか、絶対食べよ(2回目)。
さてコラボというのは、「フェーブ」という豆スイーツブランド。
こちらも辻口シェフ手掛けるブランドだ。
なるほど。
全く意外な「何故!?」というコラボも楽しいけれど、こういう同じ魂の根付いた横繋がりでのコラボも良い。
フェーブに行ってこれを店員さんから勧められた時、購入を決意するのに3秒もかからなかった。
「え、なにそれ素敵、買おう」
そういうものは、買うべきなのだ。
袋も可愛い。
開けると、ごろんと。
可愛い。
割ってみると、鮮やかなピンクと緑色。
可愛い。
柔らかにカリッと砕けるピスタチオ。
染み出す草原のような香り良いコク深さ。
軽やかなサクサク。
フワンボワーズの可愛らしい酸味と、甘くミルキーなホワイトチョコ。
凄く自然に馴染む。
その味わいは、出会った事のないような目新しさもあって。
でも昔から慣れ親しんできたような安心する甘さもあって。
素敵なお菓子との出会いを夢想する時のキラキラと光るトキメキもあって。
あんまりにも美味しくって、すぐに無くなってしまった。
何粒かあったはずなのに。
一粒が大小様々ってあたりもまた、楽しい。
「次はどの粒を食べようかなー♪」ってね。
誰かと分けるのなら、喧嘩になるかもしれないけれど。
本当にあっという間だった。
今これを書きながら、あの美味しさを口の中に再現している。
すると驚くほどに凄く鮮明に思い出せるんだ。
私の中の「美味しい」は日々更新されている。
だからこそ、こういう感覚に「残る」食体験の存在って大きい。
お菓子界に大きな影響を与えたほどのシェフが「人生」と名付けたお菓子の、今回はその派生的な作品。
作り手の込めた想いのどれほどを受け取れたのかは分からないけれど、確かに、響いたよ。
**
「人生」
今の私なら、そこにどんな想いを乗せられるだろう。
10年後、20年後、
その時になったら、込められる想いはどんな風に変化しているのだろう。
過去と今と未来。
そういうことを時々思い出しながら生きるって、なんだか素敵だ。
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