ハードルを越えて、世界を広げてみる
色々なタイプの飲食店が好きだ。
慌ただしい駅にこじんまりと佇む憩いの場。
地下へと続く細い階段を降りていく秘密基地みたいな喫茶店。
時代を感じさせる電話ボックスがあったりして。
はたまた、行く度に接客だけでもう溜息が出る程感動させられる高級ホテルのラウンジ。
百貨店の中にあるはずなのに周りの空気から切り離された異空間。
1人で行くのならスイーツが美味しく食べられるお店。
でも誰かと行くのなら、そんなにこだわりないのよ?
「グルメだから良い雰囲気の良さげなお店にしないと」と頑張られることがあるのだけれど、近場の牛丼やラーメンのお店だったり、段ボールをひっくり返したような椅子のゴチャゴチャと騒がしい居酒屋だって好きだ。
自分だけなら選ばなかった選択肢の方がむしろ嬉しい。
勿論、良い感じのイタリアンや日本食のお店だって大好きだ。
本当に、色々なタイプのお店があるし、それぞれに良さがある。
しかしそれらを巡っていると、見えないハードルの高さにぶつかることがある。
その壁は人によっても違うし、同じ人でもその時の価値観や経験値で変わってくる。
そんな話を、以前noteに書いた。
テ、テーマが被ったっていいじゃない!
毎日違う切り口からスイーツにつなげていくのも、案外難しい日もあるのよ!!
ということで、今日はちょっとハードルの高かったお店の話。
NIRVANA NEW Yorkは、六本木という立地のちょっと雰囲気ある高級な感じのお店だからこその入りにくさ。
本日は物理的に高いお店の話。
10階前後の高さにあるお店、そこが百貨店のレストラン街であるのなら、全然行ける。フラフラと色んなお店を覗きながら、どこが良いかな~と探す。
しかしそれが、とあるビルの、その階にはそのレストランしかないよ?というお店だったのなら...。エレベーターに乗って扉が開くと、満席で断られた場合以外、引き下がれないのだ。めっちゃ難易度高い。
それが前々から情報を集め、予約をして、誰かと一緒に食事をしに行くのなら、まあ良し。それでもちょっとドキドキするけど。
1人でぶらりカフェ巡りには荷が重い。
しかし。
最近、うわぁ自分カフェ巡り超好きだなあと自覚が出てきたところ。
そういうハードルを越えていかなければ。
上京したての頃、1人スタバでお洒落スイーツを食べるのにだってドキドキしていたじゃない。それが今はどうだ。
銀座の資生堂パーラーや和光のカフェにだって臆せず1人で行くぞ。
気恥ずかしさとそこで得られる幸せ。
今のハードルを少し超えた場所で初めて、どちらが大きいのか天秤に乗せることができるのだ。そうして、自分の幸せを広げていく。
前置きが長くなったところで、Granna(グランナ)。
新宿中村屋ビル8階にあるお店だ。
良いじゃん。
天井も高く広々としていて、綺麗。
高級感はあるものの、程良いカジュアルさもある。
ドラマとかで、夜に予約してプロポーズとかしちゃう系のお店っぽい品の良さ。
あるいは休日のお昼に久しぶりに友達と会ってランチ、みたいなのでも使われそう。
そして1人なら浮くか、といえば、案外チラホラと一人のお客さんがいる。
色んな場面が想像できた。
なんだ...それほど気負う必要なんて無かったな。
季節のフルーツパフェ。
くっきりフリルのクリームが可愛らしい。
そして見た目からも分かる、色々なフルーツ。
グルリと回すと、また印象がガラリと変わる。
フランボワーズにブルーベリー、キウイや梨、マンゴー...そして面白いのはドラゴンフルーツ!!
珍しいよね、あまり食べた事ないや。
チアシードみたいなプチプチが楽しい。
最近はフルーツの品種までテーマの決め込んだパフェを多く食べていたのだけれど、こんな風に一口ごとに違うフルーツが飛び出してくるパフェも楽しい。
次は何が出てくるのかな、というワクワクがある。
この材料と構成への期待がパフェの醍醐味のひとつだ。
トップにキラキラと光る透明なジュレ。
これフルーツに合うものね~。ジュレ系ってパフェでは無条件に中層~下層にかけて入れちゃう気がする。だから一番上に...って、なんだか面白い。
そして一番下もジュレ...に、見た目的には思えるのだけれど。
どうなってるんだろう?
後半、もうビックリする程のたっぷりクリーム。
ジュレとクリーム...重さを考えれば、やっぱり逆が妥当なのだけれど。
味わいを考えると、これは凄く理にかなっている。
繊細な味わいのジュレは最初にフルーツと一緒に楽しんで。
アイスで口が冷えて味覚が鈍感になってきたあたりで、ドカンと甘いクリームを。そして、これが非常に最高に美味しいんだな。
カスタードクリーム?
でも生クリーム感もたっぷりで、ディプロマットクリームに近いかも。
とろとろ滑らかで、少しモッチリともしていて、口いっぱいに広がる甘さ。
なんだかひたすらに美味しくて、無心で食べちゃった。
このクリーム、シュークリームとかさ、別のスイーツにも応用きくよ。
絶対美味しいじゃん。
いや既に使ってるのかも。
パフェの為のクリームというよりも、クリーム主体のスイーツの為のクリームだもの。
......違った。
クリームブリュレ。
花にスイーツが咲いた、みたいなお皿が可愛い。
こちらのクリームも確かにとろとろ滑らかで卵たっぷりの口いっぱい広がる甘さのクリーム。しかしパフェのそれとは、全く同じではなかった。
上のパリパリが本っ当にパリパリで芳ばしくて。
食感も少しほろ苦い味わいも、薄いそれがアクセントとなってクリームの良さを引き立てる。
違うクリームだけれど、どちらも美味しい。
なんだ、使ってる卵が良いのか???
そういえばクリームパンとか有名だよね。
このクリーム瓶詰して売ってくれ......美味しい。
8階のレストラン。
行きにくいな、と感じていたハードルは、ただの思い込みに過ぎなかった。
新宿の街並みを見下ろしながら、美味しいスイーツをゆったりと味わって。
「行きにくいな…無理だな諦めよ!」としていたら味わえない甘美な時間。
きっとそういう、本当は無い壁により逃しているチャンスは沢山あるんだ。
単なる趣味なのだから急ぐ必要は無いけれど。
単なる趣味だからこそ、少しずつ、色んなハードルの先を覗いて、自分の世界を広げて行けたらなと思う。
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