決めるのは結局その一瞬で〜MUTO coffee roastery〜

買う瞬間、それまで「これにしよう」と決めていたものを「やっぱりコッチ！」と覆すことは無いだろうか。

私は大ありだ。
優柔不断極まりない、といつも反省しつつ、でもその瞬間的な判断は結構正解だったりするものだから改める気はそれ程ない。

その日、中野のマルイにいた。
コメダ珈琲は行列だし、上のレストラン街でトップスのケーキが食べられるカフェがあるという情報を得て向かってみると、フードコートでいただく感じので。
それはそれで悪くないのだけれど、今じゃないな、ということでその場を去った。

さて。
邪魔にならない隅に寄って「中野　カフェ」を検索する。
お、ちょうど良さそうなお店がマルイの裏側にあるじゃないか。

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MUTO coffee roastery

ブレンドが何種類もあるコーヒー屋さんは、本格派な感じがする。よく分からなくて迷うけどね。

「ももぞのブレンド」
「なかなかブレンド」
「ふかいりブレンド」
「イタリアンブレンド」
なんだか微妙に気になるネーミングだなあ。

店を調べた時、チーズケーキの画像が結構多く出てきたから、きっと人気メニューなのかなと予想。
だから、決めていた訳では無いけれど、なんとなくチーズケーキにするのかな、という心持ちでいた。

しかし、＂夏限定＂コーヒーゼリーか…。

これも店によるのかもしれないけれど、なんとなく、コーヒー専門店のコーヒーゼリーは美味しいという信念がある。しかも、私は限定に弱い。

チーズケーキはいつでも食べられるからな。
よしよし、コーヒーゼリーにしよう。

店員さんを呼んだ瞬間。
近くの席の人に運ばれたのが、チーズケーキだった。

あ…やっぱり人気、なんだ。

「チーズケーキ下さい」
気がついたら、そう言っていた。

あー、いい、凄く良いぞ。
古き良きな喫茶店の感じと、おしゃれカフェな雰囲気をバランスよく織り交ぜたような具合。
凄く良い。

席は大テーブルに相席だったのだけれど、今は仕切りがあるからね。
同じ机感が、そんなに無い。

それでも、一応相席だからか、普段よりも少しシャンとする。なんとなく、いつもよりも慎重に、丁寧に味わう。

上の焼き目も中層のチーズクリームも、下生地も。
全てが柔らかで、まろやかな味わい。
綺麗なチーズの風味がサラリと染み込む。

＂相席だから＂なんて書いたけれど、そうでなくても丁寧に味わいたいチーズケーキだ。
一口進める度に、「あぁ、美味しい。幸せだ」という素直な気持ちが優しく染み渡る感じがする。

ケーキの直後に珈琲を口に含むと、チーズのコクがグンと強くなるのが分かる。
これが凄く面白くて、感動する。

珈琲とスイーツのセット。
相乗的に美味しくなるからこその、セットなのだ。

最高だ。

最高。
可愛い、可愛いね。

行きつけのカフェとかであれば、全メニュー網羅などもできる。
いつでも出来るからこそ、なかなか実行はしないのだけれど。でもやっぱり「このお店のメニューは全て制覇してるぜ！おすすめ？なんでも聞いてくれ」みたいなお店を有していることには憧れる。

私は「カフェ巡り」が好きだ。
巡り、巡る。
「お気に入りのお店」はある。
「迷った時に行きたいお店」もある。

けれど、私は知らないお店も含めて巡りたい。
そうであるが故に、どの注文をするかは凄く大事。
そのお店まるごとのイメージになってしまうからね。

そんな大切な選択だからこそ、一瞬の判断を一番大切にして、後悔の少ない楽しいカフェ巡りライフにしたいのだ。