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自分の選択から導かれた結末と向き合って得る幸せ〜BARNEYS CAFE BY MI CAFETO〜

選択肢が多過ぎることが苦手だ。

昔、自分の意志よりも誰かの望んでいることを優先して生きていた頃は、辛かったけど楽だった。だって、自分で選ぶ必要が無いから。選ぶのは誰かで、私はただそれを辿るだけでよかった。自由を羨みながら、不自由に依存していた。

ようやく自由を手に入れて初めて知ったよ。
選ぶって、大変だ。

当たり前だけど、何を選ぶかによってその先の結果は違っていて。
その結果の責任は選んだ人のものだ。


選択肢があるのは幸せなこと。
だって、未来を自分で決められるってことだから。
ワクワクするじゃん。楽しいじゃん。

選択肢があるのは恐ろしいこと。
だって、失敗の未来を選び取ってしまうかもしれないから。
できるだけ大きな失敗をしないように、慎重に。冒険なんてしなくていい。無難に。穏便に。「普通」に則っただけの選択なら、その責任はきっとその「普通」を作り出した過去の多くの人達に分散される。

そういう思いの中で、選択は揺れる、揺れる。
そして「逃げる」という選択があったのなら、ついつい逃げてしまう。


ハロウィン、クリスマス、年末年始にバレンタイン。
各店、こぞって素敵な限定スイーツを出してくる。
今の時期は、クリスマス。
どのお店で食べよう。

選べない。とても選べないよ。
そうして結局クリスマスと関係ないスイーツを食べに行く。

BARNEYS CAFE BY MI CAFETO

このお店は定番と、

季節のパフェ


大体2種類のパフェがある。
加えて本日のアシェットデセールは美味し過ぎるし、

まだ食べたことは無いけれど、食事メニューも絶対美味しい。
銀座の中で確実な満足感を得られてしまうお店。
選択に疲れた時に、度々訪れるようになった。

今回のパフェは、モンブラン。
冬、というよりも秋だ。

美しや~。
シンプルだけど煌びやかというか。
清楚。シンプルだからこそ、真っ赤なエディブルフラワーがとても映えて可愛らしい。

ここのパフェは、100%カカオのチョコを一部取り入れるのが好きらしい。
今回はトップに。こういう飾りってクリスマスでも使うからさ、そういうのだと思った。あぁ駄目ダメ!クリスマスへの未練が全然捨てきれていないっ!!!

このチョコは、栗のイガイガを表現しているそう。
言われてみると、ちょっと分かるぞ。
ちゃんと適当なプレートでなく、意図があった。流石だ。こういうお店は次のパフェもその次のパフェもいつだって期待を持てる。

マロンクリームに珈琲の粉かけるの、滅茶苦茶センス良い。
薄い色をベースに、同色系の濃い色をアクセントに。って、凄く良い。マロンクリームと珈琲だって、合わない道理がない。絶対会うじゃん。柔らかな甘みに、ほんのり、少しだけ苦味が加わって…合うに決まってるじゃん!!

決まってるけど、そういうのって容易に思いつくものでもなくて。当然じゃない当然を当然のように生み出すから、商品開発する人って凄いのだ。

さて、こんなところで凄いとか言っている場合じゃない。本当にやばいのはこの先だ。

自然栽培大豆使用の2種類の味噌と無農薬和栗のアイス

いや…何言ってんの???
まあ、このお店は自然栽培とか無農薬にこだわってるからね〜…待って、味噌。味噌と、和栗。それだけで普通にインパクトあるのに、何?味噌2種類使ってるの???何故???

まあ多分、2種類にこだわったというより、2種類使ったら、このパフェにとっての理想の味になった、というところだろう。でも長所っぽいところは、スゲー…よく分からんがスゲー!ってところは、書いた方が良い。

書かないと何も伝わらないからね。

さてお味はと言うと、しょっぱい!!ウケる!!笑えるくらいしょっぱい。でも和栗も入ってるからさ、ほんのり、柔らかく甘くて。でもしょっぱくて。食べ慣れた味噌だってそうだ。奥の方に深みのある甘さを隠しながら、表面上は軽くしょっぱのだ。う〜ん、しょっぱさのこんなに生きたモンブランなんて初めてだぞ。

で。次のアイスもまた、面白い。

酒粕と有機クルミのアイス

酒粕のアイスって珍しいんだよ。
クルミのアイスも珍しい。
珍しいと珍しいの掛け合わせって、本当に珍しい。

どちらも、ちょっと不思議な甘さを持っている。円形チャートで言えば、全ての項目が良いオールラウンダーな甘さではなくて。何かに特化した甘さ。

その甘さたちが、凄くいい感じで噛み合う。
それはとても良い。

上の、味噌を使ったアイスのしょっぱさともよく馴染む。大胆なインパクトある味わいが全体の甘さに溶け込んで生まれる深いコクが好きだ。

生乳・製法ともにこだわりぬいクレームソワニエ使用のホイップクリーム

これ程に自信に満ち溢れた説明文もなかなか無い。
でも語るに落ちない美味しさ。純白の美味しさ。フワリと軽くて、綺麗な甘さがスルリと身体中に流れ満ちる感じがする。
天使のようなクリームって、こういうやつ。

さあ、連続で面白く珍しい味わいが続いたところで、トップのマロンクリームと同様のものが再登場。ねっとり、非常に存在が分厚い。安心するなあ。

金ほうじ茶クランブルと無農薬焼き栗の黒糖甘露煮

そして再び天使クリームを挟んだ後の最後。

フレッシュ和梨と爽やかな酸味の無農薬すだちジュレ

全くもう、こう一見シンプルそうで、実際に食べ進めてみると個性的な驚きに溢れていて。でも決してインパクトだけを狙っているのではなく、それは理屈にかなった美味しさで。


確かにイベントものの華やかな限定は大好きだ。できるだけ楽しみたい。けれどそこばかりに目を向けていたらやっぱりそれ以外の隠れた名品に気が付かないかもしれないし。

きっとこの日、別のお店のクリスマスメニューを食べていても、それが美味しいものだったなら、その結果を満足していただろう。そんなものだ。

あるいは、どんな結果であれ、別の選択の方がもっと良かったと不満を漏らす人もいるかもね。それはなんだか、勿体ない気がする。

どうせ時が来ないと分からない。
だから、あまりに選択にビクビクするよりも、その結果をどう受けていくか。そういうことに目を向けていく方がいいかもね。

そうは言いつつ、きっとこれからも沢山の選択に翻弄され、迷って生きていく。


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