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日常に「非日常」の美味しさが欲しくて

入会金3万円・年会費1万円という、なんかもう超VIPっぽいお店の会員になった。

何のお店か、というと、もちろんスイーツのお店。
”八百屋が作る本気のフルーツサンド”ということで話題となった「ダイワ中目黒」で使用されているフルーツをふんだんに使った、ヴィーガンフルーツパフェを提供するフルーツバー。

スイーツのことばっかり調べてるからかな。
Makuakeという私も何度か利用しているクラウドファンディングの広告が現れた。

パフェ...ヴィーガン...日常では味わえない、特別感......。
惹かれてしまった。
いや、3万円とか高いけどさ!
それにパフェだって3,000~6,000円くらいするみたいだし!
いや、でも非日常の世界を味わうため、1,2年だけでもかけてみる価値はあるんじゃないかな、とか。
1日悩んで、えいやと応援購入した。

予約が始まり、私はオープン初日の開店時間を確保した。
「オープン初日」ということに、私はこだわっている。
渋谷スクランブルスクエアも、東京駅の大リニューアルの時も、働いている会社の新ブランドがお店を出した時にも、私は有休を取得してオープン初日に駆け付けた。
だって、オープン初日には初日にしか味わえない空気があるから。

お客さんのソワソワとした表情。
慣れないスタッフさんたちのアタフタとした非効率な誘導や緊張した接客。
そういう「今しか味わえない瞬間」がたまらなく好きだ。

今回のフルーツバーは19時がオープンだったから仕事帰りでも良かったのだけれど、もうワクワクしすぎて、半休にしてしまった。

一度家に帰ってお洒落して...と意気込んでみたけれど、周りの女性がお洒落を頑張る頃から食べることにばかり興味の視線を注いでいた私は、特別なお洒落の仕方が分からない。

まあでも、普段から不快になるようなだらしのない格好はしていないはずだ。大丈夫...大丈夫...


さて、いよいよ時間が近づいてきた。
少し早めに出て、周辺のお店を巡り歩いたりして。
ドキドキ。
正直、少し怖かった。
調べてみる程に、港区の会員制ラウンジなんかは治安が悪い。
お店の紹介ページだってそういう目線で見返してみると、ピンク色に照らされた怪しげな雰囲気に、昔の下手な恋愛小説の一節のような安っぽい文章。
大丈夫かな。
あくまでもヴィーガンフルーツパフェやフルーツのカクテルを純粋に楽しめるお店...だよね?

時間が、きた。

「完全会員制・住所非公開」がお店のコンセプトのひとつでもあるので、周辺のお店や外観については控えよう。
他のお客さんとの会話で、住所詳細以外のSNSへの投稿は良しということは聞こえたのでこうして書いているけれど、どのレベルまでOKなのかはよく分からないし。
お店の方にも話題を振ってもらったりしてポツリポツリと会話も楽しませてもらったのだけれど、まあBARだし、その辺は内緒、ということで。

あくまでも、すっげ~お店で、ヤバイものを食べたぞ、ということだけ書き残しておこうと思う。

フルーツカクテルは、巨峰とマンゴーを選んだ。

巨峰

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もう、巨峰だった。
巨峰を飲んでいる。

なんとなく、紫色を想像してしまったのだけれど、確かに皮を剥くとこの色だものね~。

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少しシャリシャリとした舌触り。
物凄く、キンキンに冷たくて驚いた。

マンゴー

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オレンジ色が、綺麗。
卵の黄身くらい、黄色い、というかオレンジ。

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それは満月のようで。
中秋の名月でSNSではたくさんの月の投稿があったから、丁度よかったかな、なんて夜空を思う。
はぁ、綺麗だなあ、とうっとり。
影までもハッキリくっきりと、素敵だよね。

巨峰に比べると、トロリとゆっくり流れ込んでくる。

どちらも、果実をマルっと飲んでいる濃さ。
「濃い」という2文字がもどかしくなるくらい、とんでもなく濃かった。濃密だった。凝縮されていた。


さてお楽しみのフルーツパフェは...シャインマスカット!

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どどどど...どひぃ!!!
シャインマスカット晴王がひと房丸ごとくらい、贅沢に使われているんだとか!!!
待って、このパフェ6,000円弱なのだけれど、晴王検索したら7,000円くらいするよ?原価どうなってるの???
その辺りは、やはりダイワさんの仕入れの力とかがあるのかもね。

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下のところも可愛らしくて。
茶色は土の演出かな、なんて思って触ったら、クッキーだった。
うっかり食べ忘れなくて良かった~。


これまで、色んなパフェを食べてきた。
この前軽くまとめてみたのだけれど、100本は余裕で超えていた。
でも、私は基本的にパティシエがその手腕を振るったような芸術系パフェを好んで食べ歩いていて、フルーツパーラー系の元気系はあまり経験豊富ではない。

フルーツ丸ごと使うのが流行っていることは知っているのだけれど。
殆ど未経験。

だからこそ、こんな非日常な体験を特別な空気感の中味わえるなんて、最高過ぎる。


「たまには好きなことでもして息抜きを」なんて言われる。
けれど私は強欲だから、「たまに」なんて足りない。
限りある時間の中で、頑張るために「たまに」好きなことをして――。
逆じゃない?
これは”若者故の軟弱発想”なんて馬鹿にされるけれど、好きなことをする為に頑張るんじゃないの?

私は日々の生活に「美味しい」を採り入れることを重視している。
モーニングを楽しんだり、仕事中のおやつを特別にしてみたり。
私の生活が美味しさに満ちていることは、今や「日常」だ。
だからこそ、特別感のある「非日常」のレベルも高くなってしまう。

行き過ぎは問題だけれど、多少は背伸びをしたい。

私だって何でもかんでもお金をかけることを良しとしているわけでは決して無い。けれど1つや2つ、「え?そこにそんなに費やす???」と驚かれるようなことがあっても良いと思う。
それは「好き」という自覚を高めて、ますます沼に引きずり込んでくれるから。


せっかく会員になったのだから、また来なくちゃね。
苺とか、林檎とか。
季節のフルーツが変わった頃にまた。

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