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美味しいの正体を暴くのが楽しい~キハチカフェ~

美味しいものを食べる時、何を考えるものなのだろう。

「クリームだ!チョコだ!アイスだ!!!」
入っている材料そのものに意識を向ける人もいるだろう。

「なめらか!しっとり!あっ、今度はサクサクだ!!!」
「うひゃあ、ヒンヤリ!」
そうやって、食感や温度帯に注目したり。

あるいは、「ほほう、こういう構成になっているのか…これは作り手のあんな意図が......」なんてマニアックなところまで深入りしている人もいるかな。

はたまた、食べ物とは全く違うことを考えているのかも。

私はというと、まあ食いしん坊なものなのだから、目の前の食べ物から精一杯色々な情報を得ようと必死になって頭を働かせる。

マイ舌は残念ながら神の舌には程遠いようで、それ程優秀じゃない。
予め説明書きを読まないと、何が入っているのかとか、実は自信を持てない。

以前「これは何味なのかな」と味の正体をまさぐっていて、「え、紅茶じゃん」と普通に言われて、それは確かに言われてみると普通に紅茶味で。
多少なりともグルメを謳っていたのですっかり自信を削り取られた。

だから、食べた瞬間の感想が後から何かを読んで「やっぱりそうじゃん!」ということになると、とんでもなく嬉しいのだ。

近頃、そんなことがあった。

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キハチカフェ

圧倒的女子率!
まあ、可愛らしい雰囲気だもんな…
スイーツ男子たちよ、来て良いんだからな。

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平日限定で、スイーツをハーフサイズでいただけるセットが!!!
行こう、今度、平日休みがあったら行こう。

その日は、家を出るのが遅くなったために丁度14:00から限定のスイーツを楽しむことができた。

白桃パイ

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か、可愛いが…過ぎる!!!!

フォークを、十分に丁寧に入れていく。
ドキドキと高鳴る鼓動をトンと落ち着かせるように、静かに、サクリと鳴る。一層ずつは薄くパリパリで、それが空気を大きく含ませながら折り重なる。軽やかな、飛び跳ねるような、サックサクの食感がたまらない。

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そしてそのパイの美味しさをとびきりに引き立てる2層のクリーム。
そう、2層だ。

白と、薄い黄色。
最初、ホイップクリーム...お洒落に言えばクレームシャンティ、と...もうひとつはカスタードかなと思った。
けれど、普通のカスタードにしては幾分、生クリーム感の強いカスタードだと感じた。

これがその通りで。
ディプロマットクリーム。
カスタードクリームに生クリームを合わせたもの。
まさに!!!

説明を読んで自分の味わいが正しかったと分かる瞬間の勝利感?というのかな。こういうことも、スイーツ好きとしては外せない喜びのひとつなのだ。

生クリームが入っているということは、そのカスタードはよりクレームシャンティと近い。その朧気な境界線で、砂糖や牛乳のサラッとした甘み、バニラビーンズの香りという確かな個性をもって楽しませてくれる。

そして。
2層のクリームとサクサクのパイ。
これらは美味し過ぎる、綺麗な土台だった。
あくまでもこのスイーツの、ハレの舞台の中央に立つのは白桃なのだ。

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瑞々しく甘い白桃の美味しさが、美味しい土台の上で華やぐ。

これは今の季節であるが故の白桃。
きっと、季節が変われば別のフルーツでこのパイは提供されるのだろう。
主役が変われば、この一皿の舞台はどうなるのだろうかと、気になった。

とにかく、白桃は美味しい。

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プロでもないのだから、自分の予想が当たったなんていうのは、完全なる自己満足。けれど、趣味の世界なんて自己満足の塊じゃないか。

大好きなスイーツについて、そんな好きポイントを考えて発見していく。
そういうことも、楽しみ方のひとつ。

食べ物と対峙する時、他のことを考えたって別にいいのだ。
けれどほんのひととき、その食べ物や自分自身と真摯に向き合うと楽しいのにな~勿体ないな~と、食い意地の張ったお姉さんは、難しい顔をして食べている近くの席の人を横目に思っているのです。

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