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予定の”ついでに”、人生を少し鮮やかに彩る~パティスリー ドゥネル~

普段行くことの無い街に用事ができた時、まずは周辺のカフェやスイーツのお店を探す。

今やそれが私の日常的な行動ルールとなっている。

埼玉の所沢に行く機会ができた。
有名な街、だと思う。
何をもって有名なのかは知らないけれど、耳に馴染みがあるから。
職場で仲良しの大先輩が住んでいて話題に度々出ていたということもあるけれど、いやいやソレ以前から知っていた、よね?ね?私の記憶よ...。

何かで有名な街というのは自然と良い飲食店も集まってくるものだ。
ということで俄然気合を入れて「所沢 カフェ」を検索してみるのだけれど。
気になる、くらいのお店は幾らかあれど、ビビビとくるお店が見つからない。ちょっとチェーンのカフェが多い。

途中下車だっていいじゃないか、と検索範囲を広げてみる。
埼玉の中でも特にスイーツ激戦区であろう赤羽や大宮方面は...少し遠い。
おや、川越は案外近いじゃないか。
遠回りにはなるけれど...いざとなれば、その選択肢もありか…。

趣味の話に「いざとなれば」なんてあったものではないのだけれど、休日のカフェ巡りに喜んで人生の有限な時間の大半を捧げようという覚悟のもと、必死である。


見つけた。
「行ってみよう、かな?」ではなく、「あ、好き行こ」と直感的に響くことが案外大事。
ちなみに「〇〇 カフェ」と「〇〇 スイーツ」という検索は結構ひっかかるお店が異なり、後者でもイートインが楽しめるお店もちゃんとあるのだ。だからこそ、既に100回くらいは検索を重ねている新宿なんかでも言葉を変え検索条件を変え、今だって期待をもって探し続けている。

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パティスリー ドゥネル

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花小金井。
駅から10分程まっすぐに突き進んでいくと、その素敵過ぎる看板が見えてくる。

午前中に仕事をしたり本を読んだりnoteを書いたりグダグダしたりしていたり。あるいは電車に乗り間違えたり。
待ち合わせまでに結構時間が無かったのは痛恨のミス。

イートインの時間、あるかな。
持ち帰り用のお菓子だけ買って、満足しておこうかな。
満足など出来るはずもなく。
それは後悔を残してしまう妥協だ。

そしてなによりも。
ケーキをじっくりと検討する程の余裕は無かった中で、異常に気になるケーキが目に止まってしまったのだ。

サン・マロ

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Oh!YA・BAッッッ!!!!
まるで絵画である。
これが映えを狙ったレインボーケーキやトゥンカロン的な感じであったのならば、きっと「うん、綺麗な見た目だね」でスルーしていたことだろう。

が!説明文がこうだ。

小麦粉を使用していないチョコレート生地とメープルとナッツのフランス大西洋の上品なケーキです。

なんだそれ、好き。
ごめんなあ、迷う前に、注文していたよ。

ところでその後の用事、というのがご飯を食べることを含んでいるのだけれどさ。夕方...ケーキ......。
SNSで私が尊敬しているスイーツの大先輩たちは、ケーキ巡りの待ち合わせの直前にケーキ食べてるからね。それと比べたら可愛いものじゃないか。
そのくらいは私の胃も許してくれるはずだよ。
脂肪は許さないから、私のところに来てくれるなよ。

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あぁ...あああ……美し。
モネの睡蓮とか、連想するのはそんな感じ。
という感想は、あながち大きく外れてはいないのかもしれない。

「サン・マロ」を検索すると、”フランスの港町”という説明と共に、美しい海の画像が出てくる。このケーキは、その妖艶に輝き人々を魅了する海面を表現しているのだろうか。
そんな風に見ると、より一層美しく見える。

イートインスペースは、お店の一角に椅子と机を置いた、くらいのこじんまりとしたものなのだけれど。
なんだか海外のケーキ屋さんに立ち寄ったみたいだ。

まあ、目の前に広がる大通りは最高に日本なのだけれどね。
途中、「コナカ」や「洋服の青山」などを見かけて、都心には無い程よい田舎感が良かった。私の故郷である秋田も、似たようなものだったから、妙な安心感というか。

少しだけ、妄想のフィルターをかける必要があるけれど。
ケーキを見つめて、フッと目を閉じて味わうと、海外だ。
海外渡航禁止、とか騒がれてる中、海外に来てしまった。

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「縞々」って感じの層構造な美しい断面も良い。
”小麦粉を使用しないチョコ生地”は、確かにそれらしい独特の軽やかさがあって。シュワっと音を鳴らすしっとり感が好き。
控え目に、でも何でも受け止めてくれそうな少しのビター感。

そこに乗っかって愛らしい甘さをアピールするメープルとナッツのクリーム。この甘さが、なんだか海外を連想させるのだ。
甘すぎる、というわけでは無い。
なんだろ、上手く言えないけれど、本場のお菓子を重視した雰囲気が強く感じられる。

それらの個性が積み重なり、良いバランスで噛み合っている。


花小金井...そうそう来る駅ではないのに、思わぬところでとんでもないお店を発見してしまったなあ。

ケーキだけではない。
他の、色々のお菓子が、凄過ぎた。

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海外の伝統的なお菓子を可愛らしくアレンジしたものが多い。
正直に言えば、全種類欲しかった。
これでも、かなり、かな~~~~り自重して、選び抜いたのだ。

暑いし、行った先で冷蔵庫を借りるのも申し訳なかったので、チョコを使ったような冷蔵品は泣く泣く我慢。
可愛すぎるアイシングクッキーもあって、思わずそちらも沢山購入しそうになった。

クッキーの上に色鮮やかに愛らしい絵が描かれたやつ。
あまりの可愛さに衝動買いしたくなるけれど。

私のお菓子を選ぶ際の色々な基準のもと、なんとか我慢することが多い。

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このくらいなら、「可愛らしさ」「クッキー本体の美味しさ」等のバランスがしっかりと取れていて良いのかな、という気がするのだけれど。
ちなみにこのお店は、吉祥寺にあるグラニーというお店。

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滅茶苦茶かわいい。
だからアイシングクッキーは怖い。


まあそんなわけで、冷菓もアイシングクッキーも色々なお菓子を諦めて、それでも結構な量の焼菓子を購入した。
これから少しずついただいていこう。
楽しみが、増えた。

何か予定がある時。
行動を起こす時。
「ついでに」があると良い。
その方が人生は、なんとなく流されて生きるよりもきっと、少し素敵だ。


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