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“暮らしの中のきらめくスキマ”に焦点をあてる。egg life 旗揚げ公演「白く、壊れて、生まれる」とは一体何か?

“毎日、毎日、同じ朝ごはんを食べ続けていても卵の殻のヒビ割れは二度と同じものは生まれない” 

キャッチーなこのフレーズについ目を止めてしまう。毎朝、毎日、同じ時間に目玉焼きを作るとする。卵を割り、焼いて食べる。行為そのものに目新しさはないし、なんならひとつの作業として日常から流されてしまうのではないだろうか。

けど、卵の殻に注目すると実は日常の中でも尊い瞬間に思えてくる。卵を割るその瞬間、あなたはどこにヒビを作りますか?

「卵の斜め上から!」「ど真ん中からバキッと!」

いろんな声が聞こえてきそうだ。けど、ヒビを作る位置はだいたい同じだとしても、1cm、1mm単位でピタッと重なることはない。つまり、卵を割るっていうこと自体が私たちに新しさをもたらしてくれる。


同じようで同じじゃない毎朝に、「あぁ、よく今日も始まったんだ!偉い!」生きてる実感が湧いてくる。

それと同時にこんな見え方もある。卵を傷つけ、殻を割ると黄身が出てくる。あなた(私)たちもたくさん傷ついて、傷つけられていくうちにあちこちから殻が破られ、君(私)自身になっていく。

卵と同じように傷つけられた分、新しい自分が誕生する。傷つき、壊れてもしまうが、生まれ続けるこの瞬間に「おはよう!」と言いたくなる。

そんな暮らしの中にあるきらめくスキマに焦点を当てたのがegg life旗揚げ公演「白く、壊れて、生まれる」だ。

A作品とB作品の2部で構成された50分間のダンス公演。A作品はasamicroさんとゲストダンサー北川さんによるパフォーマンス。たまごの殻を割ったり、並べたりする中で空間が変化するところから始まり、殻に閉じこもった世界から生まれて開放されていく道のりが描かれている。一方、B作品は20代男女3人の若手ダンサーによるパフォーマンス。3人のそれぞれの在り方、捉え方、私自身ってなんなのか?そういった自分の存在についてが卵を軸に描かれている。

asamicroさんとは??

公演の企画/演出/構成/振付を手がけるのはダンサーとしても出演されるasamicroさん。今回の企画にあたっての構想はasamicroさんのこれまでの経験からきているものだ。 

ストリートダンサーとしてバトルや大会など活動を経て、
DANCE DANCE DANCE @YOKOHAMA2018 横浜市文化プログラム「朝ごはん」美術家:千田泰広、音楽 家:種子田郷と共同作品として処女作の発表を皮切りに、ストリートダンスで培っ た体幹とアイソレーションを持ち味に振付、自身の経験や記憶をコンセプトアー トし「朝・朝ごはん」を素材に映像制作、インスタレーションとして空間から制 作パフォーマンス活動をしている。
本作はasamicroの世界を惜しみなく投じたプロデュースチームとして、egg life を立ち上げ、旗揚げ公演として上演。
現在BankART R16 STUDIO 4、NPO法人鎌倉あそび基地フリースクールLargo を活動拠点に制作、不登校支援活動なども行なっている。

asamicroさんはダンスで魅せる表現者だ。不登校などasamicroさん自身がコンプレックスをもつなかで、ダンスが彼女と社会をコネクトしてくれる存在になった。そんな中で朝ご飯という存在もまたasamicroさんにとってかけがえのないものになっていった。やがてダンスと朝ごはん、好きと好きが重なりあってそこに渦巻く感情を表現に落とし込むようになった。そこを始まりにasamicroさんは「生活を表現すること」をコンセプトに活動している。生活の中での言葉では説明できない感覚、それをダンスを通じて表現されている方なのだ。

十人十色の感じ方、考え方。それこそが他者の中で生きる私という存在。

だからなのか、asamicroさんのパフォーマンスをみているととっても不思議な気持ちになる。なんだろうこの感覚、なんだろうこのゾクゾクする感じ。味わったことのない感じが体全体に走る。きっと、asamicroさんが切り抜いた日常の切り抜きは私が流してしまった瞬間だから。知らなかった世界だから。
そして、一瞬たりとも目を離したくないという感情に包まれる。離してしまったら、この知らなかった感触がすぐに逃げていきそうで、、、。

でも、これって私がasamicroさんのパフォーマンスをみて思った個人的な感想にすぎないんです。「作品自体をみて考えてほしい。あまりはっきりしない感じで作っていて、それは考えるきっかけを生み出したいから」asamicroさんが打ち合わせでもおっしゃっていたのですが、この公演を通じて感じたことや考えたことが十人十色でいいのかなって思うんです。むしろ、それは卵のヒビの入り方が交わらないのと一緒で、他者との違いの中で自分自身の尊さにも気づきを授けてくださるんじゃないかって。作品の中でも描かれる自分の存在意義みたいなものが、見終わった後に自分ごととしてこみ上げてくるんじゃないかって。もしかしたら、それもまたこの公演の一部になってるのかもと想像してみたり、、、。

なので、これから作品を観てくださる皆さま、ぜひ感じたこと、考えたことをぜひ聞かせてください!!そして、作品を観ようか悩んでる方も一緒に共有してみませんか??

明日の公演はアーカイブも残りますが、お時間ある方はぜひ😊

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egg life旗揚げ公演

「白く、壊れて、生まれる」

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【公演日程】

2/27(土) 16:00-

※アーカイブ販売あり(3/6 23:59まで)

【トレーラー】


チケットの詳細及び購入はこちら(チケットも3種類あるので堪能してみてください!)








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