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沈黙の艦隊

日本人は2種類居る。
かわぐちかいじを読んだ者と読んでいない者だ。
具体的な作品を言うと
沈黙の艦隊、ジパング、空母いぶき、太陽の黙示録 等である。
ここでは沈黙の艦隊について語りたい。

ここにきて映画実写版、そしてまさかのAmazonプライム・ビデオによるドラマ化と、原作から30年の時を経て蘇った沈黙の艦隊。
いやはや驚きである。
そして実写版が素晴らしい。多少改変はあるものの、私は良い改善に感じている。
 原作の大事な部分は全く忘れられていない。
ストーリーもそうだし、キャラクターもそう。
実写版オリジナル要素はあるものの、全く違和感を感じない。むしろ時代に合わせて良くなっている。

さて、読んだ者と読んでいない者の2種類存在すると私は言った。
実写版が出来上がった今、まあ過去に作られたアニメ版も含めて、沈黙の艦隊に触れたか触れていないかの2種類だ。
沈黙の艦隊を初見で知った時、私は今までの常識がひっくり返ってしまった。知る前まで、そんな事考えもしなかった、あり得ないと思っていたことが考えられるようになってしまったからだ。
それが何かというと、

現代の自衛隊と米軍が本格的に戦うことである。
厳密には戦争にまではなってないが、演習ではない、ガチで戦闘、衝突を行っている事である。

沈黙の艦隊を読むまで、自衛隊と米軍が本気で対立するなんて考える事はなかった。思いつきもしなかった。太平洋戦争以後、日本は日米安保条約に基づき同盟国。私の感情的に言うと日本はアメリカの言いなりにしかなれない。そう思っていた。
私はただの一般人である。多少ミリタリーは好きだが、マニアの方や本職の方には遠く及ばない知識や感覚である。
一般の日本人は、正直私の感覚だと思う。
主に軍事的に日本がアメリカに逆らうなんてあってはならないというか、あるわけが無いと一般日本人は思っているだろう。

しかし沈黙の艦隊を読み始めると度肝を抜かれる。
まずこの作品の主役、原子力潜水艦シーバット=やまと。
米軍との共同ではあるが日本が秘密裏に開発した原子力潜水艦である。
まずここで、日本が原潜なんか持つわけがない。
一般常識日本人ならこんな発想はない。
それをフィクションながら発想してしまった物語。
このやまとは乗組員は全員元自衛隊の日本人。
それが独立国家を宣言する。
この時点で、厳密に言うとやまとは日本とは別の国になるのだか、やまとは日本と同盟を結ぶ。
そして日本=自衛隊はやまとを護る、護衛することになる。

ここからなのだ。自衛隊はやまとを守るために、米軍と戦闘になる。

この戦闘シーンが原作から大迫力で、あり得ない事が次々起こるものだからずっとハラハラしっぱなしである。

これを知る者と知らぬ者の2種類存在すると私は言いたかったのだ。

原作で私はこれを体験した。
そして今、実写化された。
原作を知らない方々が実写版を今回初めて観て、衝撃を受けた方は多いと思うのです。
そしてこの作品に触れた後、常識が変わります。
現代の日本と米国が戦闘になるという、今まで考えもしなかった事が、常識となる、なってしまう一歩なのです。

日本の専守防衛とはなにか。専守防衛に徹する自衛隊に私は深く感動しました。専守防衛とはなんたるかをこの作品で学びました。

30年前に原作が創られたこの作品、
今触れてもハラハラドキドキが止まりません。

映像化された部分は東京湾での出来事。主に自衛隊と米軍のやりとり。
ここまでだけでも一作品完結しそうですが、原作の物語は続きます。ニューヨークまでの旅路で起こるドラマ、実写版には改変部分も含めてこれからおおいに私は楽しみです。

是非この機会に多くの人に触れて頂きたい作品
沈黙の艦隊
核兵器を実際に持っていなくても持ってるかもしれない、それだけで人類に問う海江田四郎の航海。

戦争抑止とは。考えさせられる作品です。

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