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かくこと

かくという行為は、紙にかくこともあるしパソコンでかくこともある。書く、描く。と両方ある。いずれも、誰かが自分の中にあるイメージをアウトプットする行為だ。それをみるのは、他者であったり、自分自身であったりする。

自分の中にあるものをアウトプットする。
イメージを表現する。これは、ただかけばいいというものではない。
もちろん、最初はただかくしかない。子どもの絵がなんだかよくわからないのと同じだ。繰り返しているうちに、形が鮮明になっていく。すぐれた文筆家や画家が、すばらしい作品を作り上げるように。
真剣に対象に向き合い、アウトプットを続けるうちに、今まで見えなかったものが見えてくる。かけなかった部分がかけるようになってくる。洗練されてくる。

自分の中にあるもの、といった。
自分の妄想をかくのもいい。たとえば、好きな女と仲良くしているイラストなどをかけば、幸せな気分に浸れるかもしれない。ただし、他者はあまり興味をもたないだろう。

他者が興味を持つものは、自分に関係があるものだ。それは現実、時代を反映したものだ。
道路を走る車の流れを観察するように、時代を観察する。そこで見たものを自分なりに表現する。もしくはその光景にたいするアンサーを表現する。自分はこの時代に対してこう思う。この先はこうなると思う。

最初は漠然としているだろう。続けていくうちに、鮮明になっていく。
時代を観察する。最初は車の流れを目でおうのも一苦労だ。車はあっという間に走り去っていくし、どんな車が走っているのかもわからない。じっと目を凝らしているうちに、一秒に何台通り過ぎたとか、軽自動車が多いだとか、ボックスカーが多いだとか、わかるようになる。さらに見ていると、トヨタが多いだとか、レクサスが多いだとか、わかるようになる。さらに続けると、ナンバープレートも見えるようになる。時代を観察する精度があがっていく。

それにたいして、いまはこういう時代ですと言うのもいいし、これからは自動運転の車が増えますとか、黒い車が増えますとか、自分なりの推測をアウトプットできるようになる。
時代を観察しなければ、ロバの絵をかいてしまったり、道路脇のハンバーガーショップの絵をかいてしまったりする。みんなが知りたいのは今の車の流れ、これからの車の流れなのに。もちろん、あえてロバの絵を描くのはかまわないが、あくまでも、今の車の流れを理解した上でかかなくてはいけない。

子どものころから蓄積された知識や経験がバイアスになる。それが個性にもなる。サングラスをかけている状態といってもいい。とにかく、ふたりの人間が時代を観察しても、見えている景色は違う。だからアウトプットも違う。大切なのは、他人と同じものをアウトプットすることではなくて、自分なりのアウトプットの精度をあげることだ。
物事に真摯に向き合い、アウトプットを続けること。それによって洗練されていく。

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