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『近代詩歌論集』日本近代文学大系59巻

 巻頭の「近代詩歌論集解説」(久松潜一)と、「近代歌論」(篠弘)の章のみ読んだ。「近代歌論」は、尾上柴舟「短歌滅亡私論」、石川啄木「歌のいろいろ」などの近代の代表的な歌論に、篠弘の注が施されたもの。補注もあって、その歌論の内容説明や、書かれた意義、当時の受け取られ方などが詳細に説明されている。篠弘の短歌に関する知識・造詣の深さに感動する。原文が読めるのがいい。

 全60巻中の59巻。こうした大部な文学全集は、今の時代売れないだろうなあと思う。私自身も全集中のこの一冊しか読んでないわけだし。(それも3分の1だけ)。昭和の古き良き教養主義を強く感じた。

角川書店 1973年3月 1600円

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