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『日本文学史』第9巻一八世紀の文学

「近世中期の学問ー徂徠・真淵・宣長」菅野覚明
「宝暦・明和の江戸文壇」中山右尚
「安永・天明の江戸文壇」小林勇
「文人社会の形成」高橋博巳

 江戸時代はあまり和歌に関する記述が無い。この四本ぐらいだろうか。狂歌の話が面白かった。江戸時代は和歌より狂歌や俳諧だったんだろうか。浮世絵展を見たとき、結構、狂歌に添えられたものが多かった。(逆では無い。)浮世絵と狂歌の繋がりを調べるのも面白そうだ。短歌からズレるけれど。

 あと、短歌と関係無いけど面白かったのは、狂講の深井志道軒や、平賀源内についての論。正気では幕府の体制を批判できないので、「狂」を装わざるを得ないというところだろうか。「狂」は江戸時代の文学の一つのキーワードかも知れない。

岩波書店 1996  3000円

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