あなたの親孝行はもう済んでいるから大丈夫
「親孝行していない」
嘆く方は多くて。
私も、していないといえるのだけど。
いつも「しなきゃ」と、急き立てられるような気持ちになるのだけど。
そんな時に、ふっと思い出す言葉がある。
「親への恩返しは、3歳までに終わっているそうですねえ。
そのかわいさで」
教えてくれたのは、近所の高齢の女性Tさん。
お孫さんがうちの子よりも3つ年上の、元看護士さん。
私が小さな息子に四苦八苦しているころだった。
「そうなのかなあ」と首をかしげた。
その一番かわいいころは、一番大変な時期でもある。
おむつだ、離乳食だ、夜泣きだ、抱っこだ、で疲労困憊。
寝不足で、フラフラ。一息つくと、動き出して、危なくて。
その時、息子は私の腕の中でうつらうつら寝ていた。
寝ているときは、天使だ。
「でもねえ・・・」
自分の時間は全くないし、体力もエネルギーも時間も、容赦なく奪っていく。
「こんなに大変なんだって知らなかった」
育てている人は、みないう。
家に帰って。
そうっと布団におろそうとしたら、パチッと目を覚ました。
「ああ、残念!」
私の時間がまたなくなった・・・とため息をつく前に、
息子が私の目をじーっと見て
ニコッと笑ったのだ。
珍しかった。
お布団におろそうとして起きてしまうときは、だいたい泣く。
ふえ~ん、だったり、うぎゃあ、だったり、いろいろだけど。
この時は、たっぷり寝たあとだったのだろうか。
大きな目を見開いて、ニッコリ笑った。
笑顔を見て、
「3歳までに親孝行してくれる」
かもしれない。
いや、してくれている。
そう思った。
充分に。
実際、生物の赤ちゃんは、人に限らず「かわいい」。
少し長い引用だが、下に要約を入れた。
つまり、赤ちゃんの目が大きくて下の方に集まっていて、体の丸い感じは「守ってあげたい」「かわいい」という気持ちを引き起こす、という。
子猫も、子犬もムギューッてしたくなるくらい、かわいい!
親孝行はしてくれている。
実感を込めてそう思えて。
少し、気持ちが楽になった。
とすると。
私も、3歳までに親孝行を、したのかな?
そう思うと、また少し、気持ちが楽になる。
もちろん、世話をしたり、一緒に出かけたり、親孝行はしたほうがいいのだけど。
自分も記憶にないころに親孝行をしたって思うと、少し気持ちが楽になる、かもしれない。
もう親孝行は、ひとつはしたんだな、って。
あなたも。
昨日書いた記事に、如月桃子さんがサポートとメッセージをくれました。
その中に「親に対してごめんなさいと思っていることがたくさんあります。ちっとも恩返しできてないな、って。」とありました(無断転載お許しください)。
そんなことないよって、いいたくて。
桃ちゃんは親孝行だけど、そうじゃない方、離れている方も、うまくいかない方も。
一度は親孝行をしている。
そう思えたらいいな。
桃ちゃん、ありがとうございました。
今日の注目記事」に選ばれた記事です。とても素敵なメッセージです。
※イラストはyukkoさんからお借りしました。ありがとうございます。