白ヤマブキで思い出す泣き虫の女の子
泣いてばかりいる子、時々います。息子が保育園の時にもいました。
女の子らしく、いつもめそめそしちゃう、そんな子を思い出しました。
近くの白ヤマブキの花が咲いています。
うちのバルコニーにもほんの少しですが咲いています。
これは息子がとってきた種から育てたもの。この花にまつわる思い出です。
保育園の帰り、時どき一緒になるさーちゃんがいました。
さーちゃんは泣き虫さん。
お人形さんみたいにかわいいのですが、よく泣くので私も息子もちょっと苦手でした。
4つくらいの時、ブロックで遊んでいた2,3人のところへ「ねえ、さーちゃんも~」と入っていこうとしたら、ぶつかって作っていたものがこわれちちゃいました。
そのとき、先に泣いたのはさーちゃん。先生が
「こわしたのはさーちゃんでしょ。謝らないと」といっても謝らないで泣き続けたそうです。
とうとうその時は謝らなかったとか。
そんなことが何度もあって、先生もそのたびに注意していましたが、直りませんでした。けっこうがんこでしたね。
6つくらいの時。ちょっと高いはしごの上に、息子を追いかけて上ったのですが、怖くて降りられなくなりました。
そうすると「こわい~」と泣き出すんですね。
でもはしごですから抱っこしておろせないし、困っちゃいました。
泣き止むのを待って、「下を見ないでね。ゆっくり、しっかりつかまって、一段ずつ降りて」と何度もいって、なんとか自力で降りてもらいました。
どうやらさーちゃん、いっとき息子のことが好きだったみたいなんです。
あとを追うし、帰りに一緒になりそうだと支度を急ぐし、お母さんをせかしていました。うふふ。
残念ながら息子が好きだったのは別の女の子。おっとりして、いつもニコニコしているあーちゃんでした。
でも保育園のみんなは仲よし。
ある日さーちゃんのお母さんと玄関で一緒になりました。
「一緒に帰る!」といって持って帰る着替えをまとめ始めたのに、袋に入りきらなかったのか、さーちゃんが泣き出したときがあったんです。
息子には泣きながら「待ってて~」というのに、泣き止まやみません。お母さんも私も困っちゃいました。
泣いていて支度はできないし、その支度はお母さんではなく自分でする決まりになっていたんです。
その時に「そうだ!」と思いついて、
「ねえ、白ヤマブキの種を取りに行こうよ!」と声をかけたんです。
「え?」というように、こちらを見上げます。
「あのね、帰り道にお花があって、そこの種が取れるんだよ。早く行かないと暗くなっちゃうから一緒に取りに行こうよ!」
といったら、泣き止んで支度をしてくれました。
さーちゃんのお母さんが「すみません~」と謝ってくれましたが、子どもにはよくあることですよね。
「お互い様ですから大丈夫ですよ~」
実際息子もそれは何度もぐずりましたし、大泣きもしましたからね。
支度を終えて、一緒に保育園を出ます。
仲良く手をつないで、白ヤマブキの花のところまで歩きました。
お寺の門の外側に植わっています。
花は終わり、黒い種がいっぱいついていました。
指で触るとぽろっととれます。
「うわあ、とれる!」「こっちにもあるよ!」とふたりで夢中になって取ります。
「これは取っても、怒られないですよね」
さーちゃんのお母さんと顔を見合わせてニッコリ。
小さな両手にいっぱいの種を持って、うれしそうなふたり。
両手で包んで家まで帰りました。
さーちゃんとバイバイして家に帰ったら、「ねえこの種、まいて」というので、小さな鉢にまきました。
正直バルコニーだし、鉢は小さいし、手入れもしないし(ごめんなさい)、咲かないのではと思っていましたが、花が咲くようになりました。
息子は残念ながらもう興味を持ちませんが、私は白ヤマブキが咲くたびにタネをとった日を思い出します。
さーちゃんは違う小学校に行きましたが、いつの間にか泣かなくなったそうです。それはそうですね。
高学年になると驚くほどしっかりして、先生から頼られるほどだったとか。
中学では文化部の部長も務めたそうです。
そしてどんどんきれいになりました。色白でほっそりして。
会ってあいさつされると、私がドキドキするくらいです。
子どもは変わるなあって、その成長をまぶしく感じます。
白ヤマブキを見るたびに、あの泣き虫さーちゃんの泣き顔がなつかしくなります。
泣いている子を見ると「今は泣いていても大丈夫」って思うのです。
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