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母からつながれた細い糸を・・・

先月、母が亡くなった。

夜中の2時半過ぎ・・・深い眠りの中、遠くに電話の音を聞いた。
「きっと、母の知らせだ」

そう思うけれど、体が動かない。

意識がようやく体に届き、起き上がってメッセージを聞く。

「みどりさん(母の名)が呼吸をしておりません」



悲しいという言葉は似合わなかった。

つらいということでもない。

喪失感でもない。


覚悟はできていた。

15年くらい前に認知症になった母。

どんどん空白ができていった。

母に。
私に。


母との関係は、大人になってからはあまりよくなかった。

小さい時に大好きだった母。

少しずつ変わってしまった・・・

私が。

娘を「所有」するような態度に反抗し

姉と比べる言動に怒りを覚え

自分中心のものの見方に呆れ

考えや知識の浅さを軽蔑し

距離をおいていった。


認知症になったとき。

「ずるい」と思った。

もう、なじれない。
怒れない。


でも少しずつ・・・
少しずつ・・・

許せたような気がする。


あきらめが、ついた。


育ててくれたこと。
感謝している。

でも。

と必ず、そのあとにひとこといってしまう。

「でも、私は母の”もの”じゃない」
「でも、母の思う通りには生きられない」


心の整理はつかない。
無理につけるのはやめよう。


感謝している。

愛して育ててくれたことを。

たとえそれが、わがままな愛だとしても。


そして自分を顧みる。
私もまた、わがままな愛を注いでいるのではないか、と。


つないでいく糸はなるべく、からまないように。

解きほぐしながら、渡していきたい。

まだ解けていない、糸を。

少しずつ解いて・・・切れないように。


夜中の3時半に、母の施設に着いた。
眠るような、安らかな表情。


施設の方に心から感謝を。

そして母に。

ありがとう、と。



ずっとnoteを書けませんでした。
落ち着かず。

まだ書けたとは言えません。

少しずつ、書けたらと思っています。

読んでくださって、ありがとうございます。


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