フリーランスは一度信用を失えばおしまいだ。
先日耳を疑うような話を聞いた。その顛末はこちらのブログに詳しく記されている。
実は過去に私も経験済みの事例だが、まだそんなことをする者がいたなんてびっくりだ。
どの業界でも、企業や個人が請け負った仕事の一部を誰かに外注することはある。いわゆる下請けや孫請けなどの関係だ。
文筆業界でもそのような形で仕事を受発注することはよくある話。しかしブログの事例は明らかにNGだと思う。
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私はこれまで一度も他人に自分の仕事を外注したことはないが、ディレクターや編集者などになれば誰かにライティングを外注する必要も生じるだろう。
また、自分が有名人や専門家であれば、ゴーストライターが自分の代わりに記事を書くこともあるだろう。
もちろん、どちらもエンドクライアントの意向に従う形で……だ。
しかし、クライアントから自分の実績や能力を買われて依頼された仕事を、他の誰かに外注する行為は明らかにNGだと思う。それが記名記事であればなおさらだ。
クライアントに黙って自らの記名記事を外注すれば契約違反となる。それは替え玉受験と同じ意味を持つ深刻な違反行為だからだ。
もしそれが発覚すればクライアントからの信用は地に落ち、下手するとどこからも仕事が来なくなるかもしれない。
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一方、外注ライターに無断で記事を自分が書いたことにすれば、同じく契約違反になる可能性が高い。場合によっては法に触れる可能性も生じる。そうなれば信用の失墜どころか罪に問われる恐れもあるだろう。
いずれにせよ、そのような行為はクライアントや外注先、果ては業界全体からも信用を失う可能性は高い。商売が信用で成り立つものである以上、信用を失った人間は商売相手として不適格だとみなされるのが普通だからだ。
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信用を勝ち取るには地道な努力と長い時間が必要だが、失う時は一瞬だ。一度失った信用を取り戻すのは容易ではない。永遠に信用を取り戻せない場合も多い。
ブログのケースは、発注側が信用を取り戻せないまま仕事を失う可能性が高い事例だろう。
よくもそんな恐ろしいことができたものだ。私にはそんなことをする勇気はない(もちろん皮肉です)。
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自営業は、事業が軌道に乗ってくればいくらでも稼げる可能性を秘めている夢のある仕事だと思う。ある意味では。
請け負う仕事の継続率が高くなるほど信用が増し、そこから新たな仕事の依頼が来る。そのような形で仕事が仕事を呼び、売り上げ、つまり収入も増えていくことが多い。それは私自身も実感していることだ。
そうなると、つい欲が出て多くの仕事を請け負いすぎ、その結果ダウンしがちだ。これも私自身が経験済みのことだが。
その結果、同業者には自分が請け負いきれない業務を誰かに外注する人も多い。
しかし先述した通り、業務の外注にあたってはクライアントや外注先との契約や法律、職業上の倫理を守る必要がある。それを破ればこれまで積み重ねた信用など一瞬で吹き飛んでしまうからだ。
そうなれば、個人への信用が全てのフリーランスはおしまいだ。そのような憂き目に遭いたくなければ決して著しく信用を失う行為を行なってはいけない。
今、改めてそのことを肝に銘じている。皆様もどうかくれぐれもお気をつけあそばせ。
追記
SNSなどでアプローチしてくる人には、自分の儲けのためにこちらに損害を与える人物もいます。相手の身元確認はもちろん、契約内容の確認などを怠りなきよう。
もし少しでも違和感があれば家族親族友人でもいいので第三者の意見を仰いでください。もちろん信頼できる同業者などがいれば、もっと的確なアドバイスを受けられると思います。
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