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ライター交流会レポート(地方ライター編)

9日の静岡ライター交流会では地方のライターや編集者などのこれからについても話し合われました。では早速本題に入ります。

宮脇淳さん(編集プロダクション「ノオト」代表)

「ノオト」の主な業務・品川経済新聞、和歌山経済新聞などの地方経済情報発信・ライター交流会主催・各種メディアのライティング・編集などを受注


宮脇さんの故郷でもある和歌山ではなんと「コワーキングスナック」なるものを開店。地元で主に情報発信の仕事に携わる人の仕事場兼交流の場としてそのような面白い取組みも行っています。インタビューによる取材の練習などもそこでは行われています。

「ノオト」が地方でライター交流会を始めたのは今年に入ってから。東京でライター交流会を行っている中で、地方在住のライターが意外と数多く存在していることに改めて気づき、「それでは地方でもライター交流会をやってみよう」という運びとなったそうです。

今回会場となった静岡もそのひとつですので、当然話は「地方ライターの強みと課題」というテーマがメインとなりました。

以下、簡単にお話をまとめました。

■静岡(地方)のライターの強みとは?

・生活コストの安さと勝手知ったる地元ゆえのフットワークの軽さ・東京に近くアクセスしやすいので出稼ぎ的な仕事も十分可能・真面目な人が多く仕事を効率的に進めている

■地方ライターの課題や使命

・小さなコミュニティを作る(仕事のシェアや情報交換の仲間)・情報発信による地元への貢献・「伝える人」であることを忘れない・「編集」は人生を豊かにする(編集の仕事は企画提案と実行)


確かに、静岡という「地方」に済むライターは、やはりなんといっても「地元のコアな情報をいち早くつかみ、それを外部に発信できる」ことが一番の強みです。また、静岡は新幹線で1時間で東京に行けるというアクセス面での強みもあります。

つまりその気になれば地方と首都圏の仕事が両方できるという点でかなり有利な地域に住んでいるということに気づかされました。

「稼げなくても面白い仕事」を肯定する考えは衝撃

最後に、宮脇さんの仕事に対する考え方は、正直言って私には衝撃でした。

・仕事の目的は「お金を稼ぐ」と「面白いからやる」の2種類・「お金を稼げる面白くない仕事」より「稼げなくても面白い仕事」が〇

上の話を聞いた時すぐに思ったことは、「そんな考えで仕事してもいいの?」ということです。

これは私自身が会社員時代に刷り込まれた概念なのですが、私にとっては「お金を稼ぐために辛いことも我慢して自分のやるべきことをする」のが仕事なのです。会社を辞めて家庭に入ってもその考えは変わっていません。

だから収入がない専業主婦時代は「夫の収入で外で稼いでいなくても食べていけるだけありがたい。家事育児が大変なんて言うのは罰当たり。夫に不満を言うのはただのわがまま」という気持ちでずっと耐えてきました。私にとっては「食べていく=苦しみを耐えることの連続」という気持ちがあったからです。

この仕事を始めてからも、仕事の動機はあくまでも「人並みの生活をするために必要なお金(私にとっては一生かかる持病の医療費)を稼ぐ手段」であり、「必要悪」にすぎません。仕事に面白さを求めるものではないという思い込みに近い考えもずっと持ってきました。

稼げなくても仕事に面白さを求めるならボランティアで十分ではないかと思う気持ちが強かったので、宮脇さんがチャートつきでその話をしたときは結構衝撃を受けました。

「私よりよほどしっかりお金を稼ぎ、それで食べている人がそんなことを言うのか?」と

私にとってライター業は大変でも苦にならない仕事です。だから性に合っているとは思います。また、面白さを感じることも多々あります。

ただ実際にはそんなに稼げているわけではなく、あくまでも暮らしの足しにする程度の収入しかありません。つまり背負うものが少ない状態で軽く仕事をしているから「面白い」なんて甘ったれた考えでいられるのだと思い、「私にはこの仕事が合っているのでは?」と思うことに罪悪感すら覚えていました。

けれども、言われてみれば確かにその通りです。仕事が面白ければモチベーションが上がり各方面の利益につながる良い仕事ができます。それが収入にも反映されることも期待できます。

今回の交流会では、宮脇さんから「仕事に面白さを求めて何が悪い?」という強いメッセージを受け取ったような気がします。そして収入が少ない今の仕事を楽しみながら行うことにそれほど罪悪感を覚えることはないのかな?と思い始めています。

まとめ

以上のように、ライター交流会ではこれまでに出会った事がない類の人から次々とこれまでの概念をひっくり返されるような(私にとっては)斬新な考え方に触れることができたような気がします。また、「もっと自由になっていいんだよ」という言外のメッセージを受け取ったような気もします。

そんなわけで、色々な意味で刺激の大きい交流会でした。おそらく主催者の皆さんが期待するような感想とは大きくかけ離れているとは思いますが、それが私の正直な感想です。

また、機会があれば交流会に参加したいと思っています。

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