千歳ゆうり

考えること、読書、作曲、ゲームが好きな、個人勢VTuber。 model:ユウヘイ様 @yuhei_info 作曲依頼、コラボはDMまたはメールまで。 HP:http://utatane.link/

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最近の記事

鬱作品として拍手喝采を送りたい作品を見た話

こんばんは。千歳ゆうりです。 とあるミュージカルを見たのですが、感想が、 「不快感が降り積もっていき、限界突破するように、こういう結末だったら救われるのに、と陶然と思ったとおりの結末を迎え、自分が救われてしまったことに気づいて絶望した」 という鬱作品なら100点、鬱作品の意図が作者になければただの悪口、という感じだったので、タイトルは書きません。 鬱作品としては褒め称えたいんだけど「不快で絶望しました!鬱作品好きなら心の準備してから見ると得られるもの多いと思う!」という感

    • 「人間っておもしれー!」の神髄を見た ~20代で得た知見~ ☆☆ or ☆☆☆

      はい。本日読んだ本は「20代で得た知見」です。おすすめ度は☆☆を主張する私と☆☆☆を主張する私の間でケンカしています。 「人間っておもしれー!」の神髄を見たいやもうそのまんまなんですが、人間っておもしれー!の神髄を見たような気がします。もうちょっと丁寧に言えば、バーのマスターとかの話を聞いたり、本を読むより誰かの話を聞くのが好きだったり、そういう人に刺さる本なんだろうな、という感じでした。(とはいえ、本や映画やクラシックは良いぞ、とは言及されています。ただ、その中にゲームが

      • ひとはこ店主なるものを1年やってみた

        皆さんは、「シェア型書店」というものを聞いたことがあるだろうか? 最近はやりの、30cm四方の貸し与えられたスペースに、自分のおすすめの本を置いて販売することができる、というものである。 私も、「うたたね書店」と書店を名乗っているからには、ぜひやってみたいと思い、チャレンジしてみた。 もともと貯金が尽きたらやめる、というルールを最初に課してやっていたので、15カ月たって、私が棚を借りている書店の移転に際し引き上げることにした次第だ。 その1年の奮闘記……というほど大仰なも

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        • 思うに、自分、なんてものは、断片的に表面が見える、知らない誰かの骸の層の、積み重ねなのではないか。

          エッセイです。明るいかどうかはわかりませんが、砂糖を吐きそうな甘さです。最後の300文字はこちらにあります。雰囲気の参考にどうぞ。 一応、先にこちらをお読みください。

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          フィールドワークはすなわち、「人間っておもしれー!」な研究なんだなって 〜ポピュラーカルチャーからはじめるフィールドワーク〜

          こんばんは。千歳ゆうりです。 読んだ本は「ポピュラーカルチャーからはじめるフィールドワーク」お勧め度は⭐︎⭐︎。7人のフィールドワークを行った研究者による体験談が詰まっている、という感じで、一つ一つの話はさっくりなのだけれど、自分にはない視点がいろいろあって面白かった、という感じでしょうか。 なんかいつのまに、「自分がポケモンGoにハマらなかった理由」を説明されていたポケモンGoに関するフィールドワークの章です。同書に出てくる人たちって本当に両極端で、「自分もガチのファン

          この手の本、久々にあたりを引いた気がする ~「バナナの魅力を100文字で伝えてください」☆☆☆感想~

          こんばんは。千歳ゆうりです。 本日は「バナナの魅力を100文字で伝えてください」という本の感想です。 この手の自己啓発本、たいてい、言語化まではしていないけど自分が無意識にやっていることの言語化が書いてあって、新規に得るものがないことがままあるんですが(何様目線)、この本は、なんというかすごかったです。 この手の本の要約を書くのもあらゆる意味で違う気がするので、以下は私の感じたことを書いています。 「伝わる」技術には大きく二系統あるのではないか同書はかなり細かく(伝わるま

          兵馬俑展と古代中国と結局人類は人類でしかなくもなくもないような

          兵馬俑展が面白かったよ、という話をずっとしようしようと思って忘れていたのでします。 東方妖遊記という作品で古代中国沼に突き落とされた者としては、これが鼎か〜!みたいになって感動しました。 あと刀剣乱舞とかいうゲームやってると妙に感傷的になっちゃうんですが、兵馬俑の兵士が持っていたという、いわゆるハルバード(正確に言えば戟)の、木の柄の部分は朽ちてしまって青銅でできた刃の部分が残っているとなんかこう、ぐっとこみ上げてくるものがありました。一緒に埋葬された周りのものは朽ちていく

          「ただいまカービィ」という言葉の、愛おしさについて語らせてほしい

          カービィディスカバリーをクリアした。 仕事のストレスから目を背けるように没頭して、気が付いたらワドちゃんは全回収していたし、ガチャルポンはコンプリートしていた。そこまでするつもりはなかったんだが、気が付いたらコンプリートしていた。 あのゲーム本当によくできていて、カービィお前はどうして何をしてもかわいいんだというかステージクリアで踊っててもかわいいし何をほおばっていてもかわいいし、何なんだ君は自販機ほおばっても缶を射出しないと飲めないだなんてかわいそうでかわいくないか、ほお

          アニメ療法~心をケアするエンターテインメント ⭐︎⭐︎

          アニメ療法~心をケアするエンターテインメント を読みました。おすすめ度は⭐︎⭐︎。 https://amzn.to/3WugdxL アニメをセラピーにも使えるのではないか、と提案する一冊です。所感としては、興味深いと言えば深いのだけれど、各々の話題については他の詳しい本を読みたくなる記述に感じたことと、個人的には筆者と意見が合わなそうなので無駄に感想の文字数は増えたな、という印象です。 雑感3つ 日本アニメ大好きなイタリア出身のお兄さんが書いているのだけど、学術的事実を並

          「14歳からの世界史」 ☆☆

          言いたいことは無かないが悪かない、のは間違いない14歳からのプログラミング、の方が読んだ後の「うまいなこれーーーー!」感は大きかった、と先に言っておく。正直大学生のときの授業にあった情報基礎とか、この本先に読んだ方がわかりやすいまでないか、まじでおすすめ!と思ったのだが、14歳からの世界史に関しては、最初の四大文明とか中世くらいまではほどよくまとまっていたと思う。 かっ飛ばしているところはかっ飛ばしていて、日本も平安~江戸までを5pくらいで駆け抜け、文化として俳句のみを紹介し

          「民族という虚構」 ☆☆☆

          こんばんは。千歳ゆうりです。 「民族という虚構」の感想。面白かったけど難しかった。んんん。 民族、例えば、日本人、とかそういう概念について。日本語を話していたら日本人なのか?日本国籍を持っていれば日本人なのか?外国籍で日本語もおぼつかないけれども日系なひとは、日本人とは言えないのか?等々を突き詰めていくと、民族という概念を定義する正確な表現がない、線引がない、すなわち、民族という概念は虚構である、とわかる。 これを、人間の認知の観点から、あるいは哲学というか社会科学の観点

          今年読んだ本が気づいたら80冊以上になっていたので、一覧作るついでにベスト3も選んでみた

          読んだ本一覧! ☆ 読む価値なしとは言わないが ☆☆ まあまあ ☆☆☆ 面白い!興味のある分野であればものすごく楽しめると思う! ☆☆☆☆ 頼むから読んでください……よんで……!興味のない分野でもめちゃめちゃ面白いし得るものがあるはずだからっ……! ☆無しに関しては、虚無 or 好みの問題だからノーコメント の2択です 虚無の定義ですが、2500円のとんかつを食べて、あらゆる点でお気に入りのお店の900円のとんかつに勝てないなと気づいた時の虚無感です。 明日 2022/1

          「モリ―先生との火曜日」☆

          こんばんは。千歳ゆうりです。 読んだ本は 「モリ―先生との火曜日」です。おすすめ度は☆。正直ドキュメンタリー番組見る、で十分な気はしています。 今日はゆるっと、感想文というより、これを授業中にドキュメンタリーで見た、という好きなひととのやり取りの、自分の言葉のみを抜粋して書いてみます。 ゆるっと読んでもらえれば。 うーん、と良くも悪くも文章表現があっさりめでむちゃんこサクッと読み終えてしまった 死を目前にしたドキュメンタリーみが強かったしモリ―先生もそんなに長くしゃ

          「私とは何か――「個人」から「分人」へ」 ☆

          individual(英語で個人の意)のもとは、「これ以上分けられないもの」という意味があり、化学がわかる人ならば原子、atomと語義としては似たような感じなのだが、これがヒトが社会を作る際では個人が最小単位になるから、というわけで個人という意味になったという。個人、すなわち、これ以上分けられないもの、に対して疑問を投げかけ、個人は相互作用し合うひとに合わせて変化した自分、つまり分人の集合体ではないか、と説いている一冊である。すごくざっくりした言い方になってしまうが、朱に交わ

          魂をどれだけ煮詰めるかという話がしたい

          いま、これを、ぼろっぼろに泣きながら書いている。 好きな二次創作小説が消えたからだ。MMDといい、同人誌といい、消えていくのは世の習いなのかなんなのか、わかってはいたし、初めてのことでもないのだが、だからこそなおさら、どうして自分が今ここまでダメージを受けているのかわからない。 涙が止まらない。 好きだった。呆然と読み終わり、とりあえずは寝て、もう一度かみしめようと開いたら、消えていた。大抵のものはうあぁああ……とうめき声をあげながらも折り合いをつけるのだが、今回はちょっ

          「タコの心身問題」☆☆☆

          こんばんは。千歳ゆうりです。 「タコの心身問題」という本の感想です。おすすめ度は☆☆☆。 大学の時の地学の教授で、面白い授業をしていた(少なくとも、ポケモンマスターを目指していた時期がありました、という自己紹介から入り、私が「人と妖怪が異なる種であれば、半妖の子供まではありうるがクオーターとかその手の漫画の表現は生物学的には間違っているのではないか?」という小論文を書いても笑って許してくれたのだから、面白い先生であったことは間違いないだろう)ひとが、お勧めしているのをちら