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よく成長するには適度なストレスが必要



よく成長するには適度なストレスが必要


「よく成長するには適度なストレス」が必要と聞いた。
ここで言う「適度なストレス」とは不安や恐怖を抱える原因になる過剰なストレスと呼ばれる「トキシック(毒性)・ストレス」とは対極にあるもののことを指す。
オリーブ畑では、良い肥料がない、やせ細った土地で根付いたオリーブの木が、400年近くたった今でも、実がなり、油がとれるそうだ。
一方、良い肥料で育てられた近年のオリーブの木はもって100年だそうだ。

動物でも似たような事例がある。
若い時に十分な食料を与えられなかった動物の方が、実は長生きするらしい。
つまり、オリーブで言う「やせ細った土地」、動物でいう「ごくわずかな食料」が「よく成長するのに適度なストレス」だと考えられる。
では、仮に「適度なストレス」が人間の成長にもプラスに影響を与えるとしたら、「学校内において適度なストレスとは何なのだろうか」という疑問が頭に浮かんだ。今回はそれを整理する回にさせていただく。
 

人間とっての適度なストレスとは?


 結論から言うと学校内に置いての「適度なストレス」とは「規律」と「競争」が最も当てはまるのではないかと私は考える。
おそらく適度にストレスがかかるというのは、「自分の欲を簡単には叶えられない満たされない状況」のことを言うのだと思う。
オリーブも土からの栄養を欲しがるが、中々得られないので、根が太く長くなりどんどん土に強い根をはるようになる。
教室において、子供が苦手とするものの一つに「規律」がある。
本来、子供は、他人のことなど気にせずおもうがままに欲や感情に従って「自由」に行動したい。
しかし、「集団の規律」がそれを抑制する。「自分ばかり得をしていないか」と。
それが派生して、他人の気持ちを考えようとする思いやりの心も育っていく。
 
中には「競争」が好きな子もいる。私も競争するのは好きだった。
けれど、近頃の子供を見ると、そうでない子が多い。
みんな自分のペースで物事をすすめたい。
自分の気が向いた時に、取り組みたい。
しかし、「競争」があるとそうは言っていられない。
時間が決まっている。
隣の席を見ると、猛スピードで走り始めている。自分のペースでなんて言っている暇があるなら、早く取り掛かった方が賢明である。 

子供はやはり可愛い。
つい、出来る限り辛い思いはさせたくないと考えてしまう。
けれど、なんでもかんでも与えていてはオリーブのように短命に終わる。
一人一人の個性を育てるために、子供たちを「適切なストレス環境に身を置かせること」が大切なことであると改めて考える。
ストレス耐性の違いは個人差がある。それを見極めながら、かじ取り役や環境作りをしていくのが担任である私の役目である。

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