地上と地下、苦しみ方、頑張り方
地上&地下 2通りの原動力
人には、楽しいことしたい♪ハッピーでいたい♪誰かのために♪…などの、地上でオフィシャルで見せている原動力もあれば、暗い、苦しい地下で、一人フツフツ抱えてきた、普段、人には話さない原動力もあります。
あまりに苦しい状況にある時は、地上の光がまぶしすぎてイヤになり、暗くてドロドロした地下にある「支え」を原動力にすることもあります。
前回まで、ミイラさん、ロボットさんの地下にあるものと原動力について、考えてみました。
それぞれが地下に滞在する時間…
ミイラさん、ロボットさんの地下には、自分が至らなかった点やこれからどうすべきなのか…の資料がドッサリ!苦境の中、それを「頭と心」が必要とするとき、脚が自然と地下へ向かいます。底力…という言葉の通り、自分の底まで行って原動力をチャージする感じ。ゆえに、地下での滞在時間も必要なだけ、じゅうぶんにとります。
一方で、普段、楽しさやテンポの良さをだいじに、すべて気力体力で乗り切ろうとするトドさんの地下にあるのは「沈んで起き上がれなくなった無力な過去の自分」の記憶。
理想をだいじに、ブレずにかっこよくあり続けるため頑張るゴリラさんの地下にいるのは「ちっぽけで、迷いや不安に振り回された、かっこ悪い過去の自分」の記憶です…。
だから、疲れ果てて地下へフラフラ降りたとしても、そこにいる過去の自分を見て「やっぱり…過去の自分には戻りたくないから、苦しくても地上で走り続けなきゃ!」と決意し、滞在時間たったの10秒!で地上に戻ってしまいます。
トドさん、ゴリラさんの苦しみ方、頑張り方
トドさん、ゴリラさんには、地下で過ごすよりも、優先していることがあります。それは、地下にいる過去の自分を反面教師に「体と心」を使い、地上でより多くの体験をして、苦境をどんどん上書きしていくことです。地下での滞在時間、たった10秒で決意した「過去の自分に戻らない!」という意志が、原動力になっています。
そんな状態にある時のトドさん、ゴリラさんは、いつも以上に自分を奮い立たせるせいで、呼吸が速く、首肩・胸が緊張し、下半身は脚の前面を酷使し続けます。
こんな苦境なのに、テンション高めで仕事ぶりも超パワフル…という人がいたら、その人は、トドさん、ゴリラさんかもしれません。一緒にいる間、優しいアロマの香りを焚いてあげたり、リラックス作用のあるカモミールやレモンバーベナのハーブティを出したり、お部屋の照明をリラックスできる間接照明にしてみたり…と、呼吸も筋肉もリラックスするような工夫がオススメです★
走ってる…?逃げてる…?
ここまでの話の捉え方は、人それぞれだと思います。ミイラさん、ロボットさんは苦境から学べるタイプ、立ち止まって自分と向き合えるタイプ…とか、トドさん、ゴリラさんは、落ち込むことなく走り続けるタイプ、忍耐力や前に進む力があるタイプ…とか。
どれも全部正解で素敵な特性ですが、ちがった側面から見るとしたら…何が見えてくるでしょうか。
地下に必要な分だけ滞在して、自分が至らなかった点やこれからどうすべきなのか…などについて深掘りするミイラさん、ロボットさん。自分や問題と向き合うことは得意…、でも本当は、地上で先へ進むことから逃げたかったのかもしれない。
地下にいる過去の自分を10秒で確かめたら、即、地上に戻り「体と心」を使って、より多くの体験で苦境をどんどん上書きしていくトドさん、ゴリラさん。忍耐強く走り続けることは得意…、でも本当は、地下に居る過去の自分から逃げたかったのかもしれない。
人は走っているときに、前にあるものを目指しているのか、後ろにあるものから逃げているのか、分からなくなる時があります。どちらかだけとも限らず、走る、逃げるのバランスも変化しうるものです。
自分では走っているつもりなのに逃げていると言われれば否定したくなるし、自分では逃げていたつもりだけど走れてスゴイね!…と言われれば、その虚像を演じ続けなければいけない違和感が生まれてきます。また、自分で走っていたつもりが、いつしか逃げることに変わっていたり、ただ必死に逃げていたつもりが、いつしか走る目的に変わっていたり…ということもあり得ます。
探ってみる、認めてみる
走ってる?逃げてる?…の状態を自覚できる人は、本当に、本当に少ないと思います。私自身も、時々、分からなくなります。分からなくなると、心も思考も体もバランスを崩します。
走っている度が高い人は・・・頭、目、首の後ろ側、胸、ひじから手先、腰、お尻、前もも、すね、足裏に疲労が出やすく、せっかち思考になりがちです。逃げている度が高い人は・・・こめかみ、アゴ、首の前側、ウデ、背中の真ん中、みぞおち、太ももの後ろ側とひざ裏に疲労が出やすく、小さなことも気にしてしまうような思考になりがちです。
また、走っていると自覚しながら逃げている人、逃げていると自覚しつつ走っている人のように、自覚と行動にズレがある人は、自己認識が固まっているので、体をほぐしても効果が長続きせず、すぐにまた固まってしまいます…。
だから、もし苦境に陥ったら…自分の心の地下にはどんなものがあるのか、地下にどれくらい滞在するのか、走っているのか、逃げているのか・・・そんなことを、ぼんやりでも探ってみて欲しいのです。
そして、自分自身の評価も他者からの評価も、「そういう部分もあるのかもしれないなぁ…」くらいの感覚で、一旦、ソフトに認めてみてほしいのです。
自覚がない、認めない…は、心、思考、体を消耗させ、頑固にさせ、逆に、自分を探ってみる、認めてみることが、心、思考、体をラクにしてくれるからです。
苦境に陥ったとき、地上にいても、地下にいても、走っていても、逃げていても、なんとか耐えて頑張っていることには変わりありません。どんな状態にも良し悪しはなく、ただそこにあるのは、自分の状態を探ってみる、認めてみることの大切さだけです。
それをしないと、苦境の中でいつか、苦境が苦しみの種なのか、自分の頑張り方が苦しみの種なのか、分からなくなってしまうから。
生きていれば、理不尽なこと、耐えられるのか不安になるようなこと、立ち直れるのか分からない落胆…いろんなことがあります。
でも、苦しみ方、頑張り方は、自分が思っている以上にたくさんあって、自分は、そのたくさんの選択肢の中から、いつも自ら選んで生きているということを探ってみて、認めてみて欲しい……
それでも苦しみは変わらないけど、心、思考、体は確実に癒され、霧で見えなかった景色が必ず、少しずつ見えてくるはずです。
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