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ファミリーの裏家業

やっと、やっと展開らしい展開がありました。

まひろ(吉高百合子)が三郎(柄本佑)に自分の正体を明かし、さあ次は三郎の番だという見せ場のところで信孝(佐々木蔵之介)の登場に遮られてしまいました。

なんや。まだ引き延ばすんか~💦

これでお互いのことが明るみなると思ったら肩透かしを食らいガッカリです。

しかし、
ラストに明かされた事実に、まひろが卒倒するところで今回は終わり、お楽しみは次回へと引き継がれました。

予告を見る限りでは、三郎が兄の道兼(玉置玲央)を殴るシーンがあったので、まひろが母の死の真相を三郎に語るのかもしれません。


✨ゴッドファーザー兼家

それにしても今回もゴッドファーザー兼家(段田安則)は、娘の詮子あきこ(吉田羊)が問い詰めても、白々しくしらばっくれていました。

しかし、それ以上に怖いのは長男の道隆(井浦新)。
表情一つ変えずに、父の兼家のやり方を引き継いでゆくと発言した事でした。

この場に居た中では詮子だけが人間らしくてまとも●●●でしたね。
そうでなくても夫の円融天皇(坂東巳之助)に疎まれていた詮子なのに、自分の預かり知らぬ実家の悪事のおかげで、ますます嫌われてしまい、可哀そうでした。

そもそも、関白が朝廷内で最高位の役職なのに藤原頼忠(橋爪淳)が弱すぎる💦(すでにギャグにしてるか?)
頼忠の娘の遵子のぶこは子が授からないのに皇后とし、
皇子を授かった詮子はついに皇后としなかったのは確かにあからさまに不自然過ぎました。

これではゴッドファーザー兼家がヘソを曲げるのもわかります。

手っ取り早く毒を盛られても仕方がないかも💦

今後も即位したての花山天皇(本郷奏多)を退位へと暗躍する藤原ファミリー、特にドン・コルレオーネ兼家の悪ぶりに注目です。

それにしてもどうして円融天皇は、毒の事を知ったのか?

もしかして私が見逃したか?

誰が兼家一家の悪事を暴露したのでしょう?
裏で動く人物の存在がありそうです。


倫子ともこサロン

まひろは相変わらず「倫子サロン」通っていますが、これは後の詮子(吉田羊)が産んだ一条天皇をめぐる「彰子サロン」「定子サロン」への軽い予行演習的な感じでしょうか。

✨ゆとりの倫子

今回もまひろは空気が読めない発言がありました。
「かぐや姫」の気持ちについて聞かれると、

「身分の高い低いなど何ほどの●●●●こと、というかぐや姫の考えは誠に颯爽としていると思います」

すかさず倫子(黒木華)は、

「私が身分が高いということをお忘れかしら?」

(一同、凍り付く…)

こっわ~!

その場の冷え冷えとした空気を溶かしたのもやはり倫子でした。

なんでしょう?
この柔らかい笑顔で鋭い切り返しができてしまう上、見事に回収までしてしまう彼女は、本当の意味で女王様の風格を持ち合わせています。

それに比べて、まひろはもうちょっと空気を読むべきでしたね。
倫子はやんわりとした態度の中でも、
「おいおい。空気読めよ。これだから身分の低い者はこまる。」
と、心中で思いながら見下していたのでしょう。

始終、ゆとりのある態度の倫子。
始終、周りが見えないまひろ。

二人の対比は相変わらず見応えがあります。


✨倫子は内面も高貴

それもそのはず倫子は字多うだ天皇の曾孫ひまごにあたり、父は左大臣・源雅信まさのぶ
いずれは天皇へ入内させようと大切に育てられた正真正銘の「高貴な方」だから。

高貴すぎるからこそ、ゆとりのある大らかさと、その反面、しなやかな強さとを持ち、常に堂々としています。

やがて、まひろの密かな思い人・道長(三郎)の正室になってしまうのも仕方のない事かもしれません。

最初っから品格も人間性も違い過ぎた💦

倫子は道長との間に多くの子をもうけますが、そのうちの3名の娘たちが入内することで、道長も外祖父としての権威を維持することになります。

倫子も歴史上重大な役割を果たした欠かせない女性なのです。
「源氏物語」を書くことで大きな成果を残したまひろ(紫式部)とは微妙な関係となりそうですね。

私の予想としては、ライバル兼良き友人として付かず離れずの関係を築き、いつかまひろも上手い切り返しができる事を期待しつつ、今後の二人の関係性にも注目したいです。


クライマックスは「五節ごせちの舞」

✨ザ・平安絵巻の「五節の舞」

「五節の舞」は圧巻で見とれるぐらい美しいシーンでした。
吉高さん自体の美しさだけではなく、舞姫たち全員とその背景も含めたすべてがこれ以上ないほどの「究極の美」を描いていました。

そもそも「五節の舞」とは?

日本雅楽では唯一、女性が演じる[1]大嘗祭新嘗祭に行われる豊明節会

Wikipedia

宮廷で最も重要な祭祀のひとつである大嘗祭だいじょうさい新嘗祭にいなめさいを構成するプログラムのうち、最終日に披露されるのが「五節の舞」で、ドラマ中だけではなく、実際にもまさしくクライマックスに相応しい舞なのです。


✨一転して奈落に突き落とされる

まひろは舞の最中に三郎の姿を見つけ、しかも母の仇・道兼(玉置玲央)の隣にいることに気付きます。

これは動揺して当たり前やろ。

退場してすぐに、三郎が道兼の弟である事がわかり、激しいショックを受けてしまいました。
三郎自身の口から聞けなかったので仕方ないのかもしれませんが、思いもよらぬ方向から、重大な真実を知ってしまうのは残酷すぎましたね。

今の時点で三郎道長がのんきに居眠りしているのは、かなり歯がゆい。
真実を知った三郎の様子は来週に持ち越されたのは、なんと恨めしい区切り方です。


裏家業を知った道長はどう動く?

✨暗黙の裏家業

さて、詮子(吉田羊)が家族会議に乗り込んだシーンに戻ります。

あの中で、司令塔である父の兼家(段田安則)はもちろん、手を下した道兼(玉置玲央)は、確実に一家の裏の仕事は知っていましたが、長男の道隆(井浦新)は、その場の空気で察したものの動揺一つせずに受け入れました。

では三郎道長(柄本佑)は?

おそらく察してはいるのですが、道隆のようにアピールもせず、ただ苦い表情を浮かべたことを私は見逃しません。
度々、庶民の観る藤原北家を悪者にした「散楽」を鑑賞していたので、すでにわかっていた可能性もあります。

全てを察しながら、気付いていないふりをしたか?


✨道長はどの路線でゆくのか

三郎こと藤原道長の人物評価は様々ですが、藤原北家の栄華を最高潮にまでにするのは確かです。

その過程でこの「裏家業」も継ぐのでしょうか?

今の段階ではキレイ事で展開しそうな空気はありますが、競争の激しい貴族社会で、父から得た幸運だけではどうにもならないのは目に見えています。
彼はライバルたちをどのように蹴落としていくのでしょう?

初回の父・兼家の三郎評価は「世の中のあらましを理解している」という発言通り、まったく違う手段で関係者の心を掴みながら上手く泳いで行きそうにも思えるのですが、それとも悪にも手を染めるのか。
そこにまひろがどう関わってくるのか。

正直な事を言えば「ブラック道長」も見たい私がいます。



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