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急に強くなってどうした家康!

家康が覚醒です。

信長に対して強い態度に出ていたのには驚きました。本来の家康のイメージとして、みんなの前で「たわけ!」と興奮するなんてどうにも考えられません。

しかも、織田家家臣がボンクラすぎる。
明智(酒向芳さこうよし)は無能。
どうしても「麒麟がくる」の長谷川博己さんを連想するので、あまりにもお粗末で、ただのイケズいじわるな嫌な奴にしか映りません。

秀吉(ムロツヨシ)はもうハッキリ言って異常者。
精神的に狂っています。
晩年の所業を思うと、これもネタフリなのでしょうか?

柴田勝家が常識人だったのは、彼の最期に涙を誘うための伏線となっているのでしょう。

そして、前回に登場した足利義昭。
どうして古田新太さんなのだろう?
年取りすぎてるし、太っているし、いったいどういうつもりだろう?
ただ笑わせようというのでしょうか?

ただの傀儡かいらい将軍だと強調したいのでしょうが、ハッキリ言って存在自体がギャグです。

さすが「徳川家康」が主人公だけに、他家の家臣など全て「無能」か「変人」として描き、徳川家を際立たせた設定のようです。

今後の展開を思うと、さまざまな設定がどう生きてくるのか、ある意味楽しみでもあります。

これは一つ、鑑賞する側もかなり頭を柔らかくして「無」にならないといけませんね。



阿月は効果的な創作

オリジナルな設定

お市の方が、兄・信長に危険を知らせる方法として、両端を固く縛った袋に小豆を入れたものを届けるというのが定番のエピソードですが、それもまた創作のようです。

実際、信長にどう伝わったのかは不明なので、いっそのこと架空の人物として、侍女・阿月を登場させたようですね。

彼女が自分を大事にしてくれたお市のために、命をかけて40Kも走り続け、満身創痍で家康の陣に行く様子と、彼女自身のそれまでの不幸な人生とをオーバーラップさせているのは、上手く涙を誘う演出でしした。

このあたりは古沢さんらしいところかなぁ。
正直、死なせずとも良かったのではと思っていますが…

当たり前の使い古されたものではなくオリジナリティあふれるものだったのは、個人的には良かったと思っています。


実は「平清盛」にも出てた

演じていたのは17歳の伊東蒼いとうあおいさんで、なんと11年前の「平清盛」にも子役で出演していたらしい。

清盛の娘・平盛子たいらのせいし役だったそうですが、あれだけガン見していたというのに、私は全く記憶にありません。

ということは、松山ケンイチさんとも、またもや共演となるところが、今回は惜しくも登場時期がズレましたね。



お市の方の真意は?

北川景子さん、今回も綺麗ですね~!
「西郷どん」の時の「篤姫」もなかなか威風堂々とした美しさをたたえていましたが、今回も思わず見とれてしまいます。


お市は兄と夫のどっちの味方?

「どうする家康」では兄に何とか窮状を知らせようとしている描き方なので、どちらかというと兄の味方のようです。

自分は織田家と浅井家を結ぶ役目であり、同時にスパイ的な役目を担っている立場だと理解しているのです。

しかし、もし本当にそうであれば、お市は浅井に処分されていたはずで、史実は三人の娘とともに織田家に帰されています。

長政との間には3人もの子を成しているのをみても、仲睦まじかったことが伺え、この時の彼女の心中を思うと非常に苦境に立たされていたことが推察されます。

歴史小説によっては、このことでむしろ兄の信長を恨んだという設定もあるぐらいです。

彼女が小谷城から生還できた史実から、基本的には夫の味方だったのではないでしょうか?

どちらにしても、実家と嫁家との間で苦悩した彼女の心中を察すると、戦国の女性の人生の無情さを感じずにはいられません。


娘たち3人は歴史の重要人物

あまりにも有名な話なので詳細は省きますが、お市と浅井長政との間にできた3人の娘は、日本史上、大変重要な役割を果たします。

彼女たちでその後の日本史が出来上がったと言っても過言ではない。

後日また記事にさせていただきますが、
特に長女の茶々は豊臣秀吉の側室で嫡男となる秀頼を生み、豊臣家中で権力を持つ「淀君」となります。

三女の江《ごう》は徳川家2代将軍秀忠の正室となり、徳川家歴代将軍唯一の正室の子・3代家光を生みます。

もしお市が浅井家に嫁がなかったら、日本史は大きく変わっていたのです。

どちらも今後の展開に、重要な役どころとなるので注目してみましょう。



浅井長政の裏切りの理由とは?

長政は本人の意思なのか?

過去に描かれた小説やドラマ・映画では、浅井家の裏切りは長政の父・浅井久政が朝倉びいきで、頑なに織田家に対して敵対心を持ち続けていたためで、長政も板ばさみとなっていたという設定が多かったのです。

しかし、今回は父の久政は微塵も登場せず、あくまでも長政本人の決断だという説を取っています。

私もそうだと思います。

もし父の久政が織田家を毛嫌いしていたら、そもそもお市が輿入れすることすら実現していなかったはずです。

確かに朝倉との縁は深かったのですが、おそらく長政の意志で今後の事を考えて、いったんは織田と手を結ぶことが良策と判断したに違いありません。

しかし、その後の信長のやり方に徐々に大きな疑問を感じてしまったのではないか?


織田にとっては大きな痛手

金ヶ崎城を落とすにあたって、信長の連合軍3万人のうち、「言継卿記」によると千余人、「多聞院日記」によると二千人の死者が出たと記録にあります。

どちらにしても、織田・徳川連合軍にとって、かなりの痛手の中、長政は絶好のタイミングを見計らって「裏切り」を実行したのです。


長政の”裏切り”が今後の裏切りを呼ぶ

今回、採り上げていた説もそうですが、基本的な理由は、「信長の政策は脅威であり将来に希望が持てなかった」事にあると思います。

そしてこの長政の大きな裏切りが、その後の「荒木村重」や「松永久秀」、そして大トリの「明智光秀」の
裏切りを呼んだことに間違いないと思います。

蓋を開けてみれば、信長が信頼して見込んでいた家臣たちばかりなのです。

信長も裏切りの序章となったこの件をもっと深く受け止めるべきでした。


それにまったく気付いていない信長は相当空気の読めないテンネンだったのかもしれません。

自分の政策に夢中になるあまり、周りへの洞察力が欠けていたのでしょう。


以上の事を頭に想定しながら、今後の「どうする家康」はどう描いていくのか?

なぜか信長への態度が急にデカくなった家康がどう絡んでゆくのか?

ちょうど今は、戦国オールスターが勢ぞろいですが、それぞれがどのようなカタチで退場してゆくのかが大きな見どころとなってきますね。




【参考文献】
日刊サイゾー


※トップ画像はphotoACより


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