見出し画像

読書人間📚『スモールワールズ』 一穂ミチ


『スモールワールズ』 著者  一穂ミチ
165回直木賞候補作

「ピクニック」は第74回日本推理作家協会賞短編部門候補作



紀伊國屋の書店員さんにお薦めの本はありますか?
と伺うと本書をご提案下さいました。
帯にも書かれていますね。
"全国の書店員さん共感度5つ星"

なるほど。当たりでした。
とても読みやすいです。難しい言葉や漢字に引っかかる事もなく早い人で一日、遅い人で2.5日くらいで読み終えるのではないかと思います。
そして、一穂さんはとても揺さぶり上手です。

▶︎ネオンテトラ
▶︎魔王の帰還
▶︎ピクニック
▶︎花うた
▶︎愛を適量
▶︎式日


人は自分の陰をうまく消し去って生きているし、
奇跡は起こらないからこそせめて同じ水槽の中で生きていたいし、
罪、罰、反省、償い、赦し、どれも答えなんて出ないし、
子供はいつか自分の親に母性を持つ時が来るし、
愛は適量じゃなくてもいいし、願いや祈りは溢れたっていいし、平安を祈るし、そうやって私たちは生きています。


六篇どれもこれもじんわり涙を誘い穏やかな優しい気持ちになり、忘れていた大切な何かを思い出すような、甦らせるような、上質な読書時間を味わえます。



一編、ニ編と読み進めるうちに、
一穂ミチさんと言う作家を、暖かいひだまりの様な優しい人なんだろうと私は想像し嬉しくなります。
BLから小説デビューされているそうで、作家としての受け口の広さからくる表現力でしょうか。
それぞれの人物の個性は立っていて読み手の心をふるふる揺さぶります。
作家の人格まで想像させるとても魅力的な作品で、読書から遠ざかっている人、心をふるわせる感動に飢えている人へ、先ずこの一冊をと私も薦めたい本です。




「愛を適量」のPVがさっそく映像化され公開されています。愛されている作品なんですねえ。
父役は光石研さん。ちょっと枯れた雰囲気が良いですね。



また、本書に登場する音楽、
"チャンチャラランランチャンチャラララララチャンチャラララララチャラララララララ"の
バロック・ホーダウン」(Baroque Hoedown)はペリー&キングスレイが1967年に発表した楽曲です。
やはりディズニーランドですね。
私にはディズニーランドは遠い過去の記憶です。懐かしい💭



立体 / 北原明日香 
写真 / 下村しのぶ
装幀 / bookwall
講談社

#本の記録📚

この記事が参加している募集

読書感想文

いつもありがとうございます☺️。 あなたの気持ちに支えられています♡ ▶︎ https://www.instagram.com/chisa_murata/ ▶︎ https://www.instagram.com/chisa_favorite/?hl=ja