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まちぼうけにはならない

なにを待っているの
いつまで待っているの
動くこともできるのに
ただじっとしたまま
黙って待っていても
なにもやってきてはくれない


***

写真に印字された日付は 1998年
もう25年も経ったんだな…

生まれ育った大阪から東京に出てきて、新しい仕事や生活にも慣れて落ち着いてきたころ
軽い気持ちで応募してみた懸賞に当たりました

それは、料理研究家の栗原はるみさんの ランチ&トークイベント
栗原さんがプロデュースしたお料理を、コース仕立てでいただきながら トークを楽しむというものでした

その頃には、栗原さんはもうすでに大人気の料理研究家として活躍されていて
レシピ本を出せばたちまち大ヒットして、メディアにも引っ張りだこでした

眠ったままだったレシピ
また作ってみようかな


ナチュラルでヘルシーな笑顔やお料理やライフスタイルに、多くの人が憧れを抱いていました
そんな 抜群のセンスやお人柄、その魅力は少しも変わることなく 今も注目され続けています

わたしも、お料理のレシピや 盛り付けだけではなく、食器やテーブルコーディネート、インテリアや 人生観までも いろいろと学ばせていただいていました

上京して初めて買った
思い出のレシピ本
『もう一度、ごちそうさまがききたくて。』

初版は1994年
1997年10月 第19刷



懸賞で当選した ランチ&トークショーは、都心のラグジュアリーなホテルで開催されました

会場は、結婚披露宴みたいに 美しくテーブルセットされた円卓が並び、座席はひとりずつ指定されていました

そこでは、数々の美味しいお料理とともに、さまざまなお話を楽しませていただきました

その日のメニュー
本に挟んで残ってた


その中で一番印象的だったお話は、料理研究家になったきっかけ

「主人に “待ってるだけの人にならないでほしい” って言われたんです」

栗原さんは、それまでは専業主婦として、日々ごはんを作り、家事をして ご主人やご家族を支えていらっしゃいました
それも大切な仕事であり、役割であり、幸せであったと思います

わたしは このご主人の言葉に愛を感じました
懐の深さ、器の大きさを感じました

“ただ家事をして、ただ家族の帰りを待っていなくてもいいんだよ”
“自分の好きなこと、やりたいことをやってみていいんだよ”
“きみならもっとできる、もっと自由に羽ばたいてほしい”

そんな思いが込められていたのではないかなって

だとしたら愛
やっぱり大きな愛
奥さんが外に出たり、何かに挑戦するためには、ご主人やご家族の理解や協力が不可欠です


ご主人は、栗原さんの魅力も才能も努力も見逃さなかった
そしてそっと背中を押されたのですよね
決断をされたのは栗原さんご本人のはずで、もしも その気が少しもなければ 主婦のままでいらしたはずです

お互いの信頼があってこその決断
とても素敵なパートナー、ご家族だなと思います
ご夫婦のもとに育った 娘さん、息子さんは、お二人とも料理家となられて活躍されています


言葉は、たったひと言であっても 新しい世界への扉を開くカギになったりもします
言葉はそんなふうに、前を向くためのもの、背中を押すためのものであってほしいなと思います

カギをかけたままで
何かを、 誰かを、
まちぼうけにしていないかな
まちくたびれてはいないかな




“無制限”  “無期限”  “フリー”…
そんな 限りのない自由が 逆に不自由だったりすることがあります

自由すぎてどうしていいのかわからなかったり
必要以上に臆病になってしまったり
タイミングを見失ってしまったり
“いつか” “そのうち” なんて 結局 動かないまま
甘えて待ってるだけだと
いつまでも まちぼうけ

待ってるだけの人にはならない

自分で考えて 自分の意思で
自分から動ける人でありたい

ちょっとこわいけれど
ちょっと勇気がいるけれど
ちょっと努力も必要だけど

自ら動くというアクション
自ら開くことで見えたもの
自ら歩むことで出会えたもの

それらはきっと、楽しさや自信にもつながると思います


どうぞよい一日を、よい一週間を




#159.  『 まちぼうけ 』

⭐︎起きるのを待っているのにくたびれて横に寝そべる 光傾く

⭐︎無制限という制限を壊したら動き始めたグループLINE

      ー ちる ー

『テッド・イベール』   (愛称:クール)
Ted Hyber  (Coool)
ファブリス・イベール(仏)の作品

大阪・梅田



いつでも連絡できるし…って止まったままになってるLINEとか ありませんか
みんな実は待っているかも^^



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