Apricotberry

本州の片隅で夫と大型犬2匹と暮らしています。相変わらずオフコースと村上春樹と80年代洋…

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本州の片隅で夫と大型犬2匹と暮らしています。相変わらずオフコースと村上春樹と80年代洋楽が好きでどんどん時代遅れになりつつありますがまあ年を取るとはこういうことなのか……

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  • 本を読んだ感想

    そういえば私、読書が好きだった、とnoteを始めて思い出したぐらい今はなかなか本を読む習慣がなくなってしまいましたが(なんでだろ?)、昔のmixiにも書き溜めていたのがあったので、細々とコピペしたり、新しい本の感想をここに集められれば良いなと思っています。

最近の記事

日輪の遺産/浅田次郎

読んだのは実は数年前で、ほとんど内容を覚えてない(!)のにも関わらず今レビューを書いているのはこの本の残したものが何か私の中に残っているから。 マッカーサーが日本へ来たとき、敗戦後数年の日本で、石炭だか木炭だかの自動車を見て、 「この国はものすごい力で復興するに違いない」 と言ったとか言わなかったとか。 その後日本は自動車業界はアメリカに嫌われるほど大きくなり、しかもその中の車のひとつには「遺産」というブランド名が付けられ世界中を走っている不思議。 みたいなことが後書きに

    • 炎に絵をー陳舜臣推理小説ベストセレクション

      世界史に興味を持ったきっかけを作ってくれた高校の先生が、読めといったのは「阿片戦争」でしたが、そのときに陳舜臣さんの名前も知ったのだと思います。 『炎に絵を』は、中国モノではないので、私にとっては新鮮でしたが、途中でわかっちゃったなぁからくりが…。そこだけちょっと残念。面白かったけど。 『青玉獅子香炉』は、無骨な感じの人が、無骨な文章で書かれているのにスケールを感じます。中国人の登場人物のこの広々とした空気感が、いいです。2009年02月06日 00:57

      • 死体は語る/上野正彦

        昔ワイドショーを見ていると、必ず 「『死体は語る』の著者、上野正彦さんです」 と司会者に紹介されていたので、ずっと読みたいと思っていました! 上野さんのワイドショーでのコメントはいつも角度と愛情があって、好きだったので。 そして、読んだら思ったとおりでした。 死体は語るんですね。 こういうことを、仕事にするとは、どういうことなのだろうかと、考えてしまわないでもないですが、本当に大変でやりがいのあることだと思います。頭が下がります。 都市部だけじゃなくこういう制度が日本で当

        • 蜘蛛/遠藤周作

          コレ小学生のとき、読みました。 それまで怖い本なんて読んだことなかったので、すごくリアルに内容を覚えているのです。生まれて初めて読んだ怪奇小説(?)故、強烈な印象があり。 本人が聞いたみたいな話になっていた(と思う)し…、他の、クリスチャンらしい彼の穏やかな本とは違っていたので。 なのにこの話を知っているほかの人にあったことが今までなくて、ホントに遠藤周作だったっけ?ぐらいの記憶だったのに、ココでこの本に再会できて嬉しい!(注釈をいれると、mixiでは本を検索してその下にレ

        日輪の遺産/浅田次郎

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        • 本を読んだ感想
          16本

        記事

          人間の集団について-ベトナムから考える/司馬遼太郎

          司馬先生、ごめんなさい。 私は今まで先生の著書をきちんと『読む』機会が、ありませんでした。 お名前を存じていたものの、井上靖と区別がつかなくなるようなおバカな私でした。 この本も、自分がサイゴンに住んでベトナム人と付き合い、たまたま友達になったコから(彼女は日本人です)さりげなく貸してもらわなかったら、ずいぶん後まで読む機会を逸していたと思います。 とても読みやすく、なんといっても面白い。 民族で括らず、『人間の集団』としてみるところに面白さがあるのだと思いました。 自分

          人間の集団について-ベトナムから考える/司馬遼太郎

          YES-NO 小田和正ヒストリー/小貫信昭

          おそらくファンしか読まない?気もしますが、 最近は小田さんのファンもたくさんたくさんいますので(オフコースのときからもちろんたくさんたくさんいましたが、最近は老いもワカキもという感じで)、売れる公算があって出したのではあるのでしょう。 どこかに書いてあったような気がするけど「比較的最近ファンになった方向けの本」。 なぜならすでにファンの人なら知っている話ばかりだからです。 それでもナゼ私がわざわざ海外に住むに当たってこの本をトランクに入れてきたかというと、 小田さんの行動

          YES-NO 小田和正ヒストリー/小貫信昭

          世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド/村上春樹

          村上春樹の本の(エッセイ以外の)中で、これが一番お気に入りで、ぼろぼろになって買いなおして何回も読み直しています。 私は全体的に彼の文体が好きで彼の本を読んでいますが、この作品が一番私の考える「彼らしい」文章とか展開とかだと思うので。 文章のうまい作家はもっといるかもしれないけれど、こういう雰囲気を文章で描ける人って、なかなかいないと思います。 悲しいような、楽しみなような、むなしいような、心安らかなような、不思議な場所の、お話です。 個人的にはメロンの香りのピンクの服

          世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド/村上春樹

          アンダーグラウンド/村上春樹

          村上さん好きな私としては、出版してすぐハードカバーを買ったのですが、当時は内容が重すぎて読み終えられませんでした。 もしこの日じゃなかったら、私はこの中に居たはずだった。千代田線のこの時間のこの場所に毎日乗っていたのです、定休だった月曜以外。 ちょっと時間があったので最近やっと読みました。 今回は読み出したら止まらず、一気に読んだ。 言い方は良くないけど、10年たったらこの話は「本に書いてあること」として受け入れたれたんだと思う。 とはいえ、コレは全て事実です。 忘れて

          アンダーグラウンド/村上春樹

          バビロンに帰る―ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック〈2〉/フィッツジェラルド 村上春樹訳

          フィッツジェラルドを初めて読んだのはもちろん「グレート・ギャッツビー」で、中学か高校の頃だったと思うけど、実は完読しませんでした。なんかどうしても途中で眠くなってしまった… 時は過ぎて、多分20代の頃、もう一度読んだら、なんだか切ない話だった。 あらふぉーになってこれらの短編を読むと、また更に… 「宴の後」の何ともいえない喪失感を上手に小説にしているです。 人生とは、何かを喪失し続けていくことなんだろうか? やっぱり?  特に【カットグラスの鉢】と【バビロンに帰る】が好

          バビロンに帰る―ザ・スコット・フィッツジェラルド・ブック〈2〉/フィッツジェラルド 村上春樹訳

          こころ残り/阿刀田高

          何を読んだか忘れましたが高校生の頃読んだこの方の本は、けっこう面白かった記憶があったのでいつかまたこの人の本を読みたいなーと思って今回読んだのですが。今ひとつで鐘二つ。という感じ 平たく言うと(私はよくこの平たい感想で友人を脱力させますが)、人生を半ば過ぎた女性または男性が昔を振り返ったり、配偶者が死んで(または離婚して)その後に知る真実、みたいな話が集まっています。 まあ人生って、そういうもそもそとした感じの他人が聞いたらあんまり面白くないエピソードがいくつかあるんだろ

          こころ残り/阿刀田高

          カンガルーノート/安部公房

          良いです。面白い。シュール。 脛からかいわれ。走るベッド。賽の河原。坑道。 気持ち悪くて不気味。 一歩間違えば(間違ったと認識してなくても一歩何気なく踏み出したら)こういう世界が待ち受けているのかもしれないと、本気で思えるところもコワイ。 村上春樹好きの私は村上さんと何度か対談した河合隼雄さんの本を読むようになって、その河合さんの著書の中に【心の声を聴く】という、いろいろな人と河合さんが対談している内容のものがあって、そのうち対談している人の一人が、阿部公房さんでした。

          カンガルーノート/安部公房

          阿片王―満州の夜と霧/佐野眞一

          ベトナムに居るときに読んだのでだいぶ前のことなんだけど... (ベトナムでは日本の本が手に入らないので絶対に自分では手に取らないような本が友達から回ってくるのだけど、それってとっても自分にとって良いことだったと今は思う)。 この中に出てくる企業で働いていたもので、だからこの会社こんなに力を持っているのか!! ということもわかったし、自称秘書の方が通う病院っていうのが、私の通院している病院だったりしたのでその描写がやたらリアルだったり、そんなふうに自分とずいぶんつながるところ

          阿片王―満州の夜と霧/佐野眞一

          憑かれた鏡 エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談

          あまり長くないものを読みたかったのと、表紙の絵がキレイというか気になったので、図書館で借りました。 どっかで見たことあると思ったら絵本などの挿絵を描いている方でした。 この方は編集者でもあったそうで、これはゴーリーさんが短編を選び、それぞれに挿絵を描いています。それぞれに描かれた絵もすごく雰囲気があって良いです。 こてこての古典が勢ぞろいで、なんとなく聞いたことあるような話とか読んだことある話などですが、ちょっと古臭い感じとかイギリス文学の独特の暗いトーンがたまりませんです

          憑かれた鏡 エドワード・ゴーリーが愛する12の怪談

          城/フランツ・カフカ

          1966 角川書店 フランツ・カフカ, 原田 義人 今更ですが… 旅行に行くのにちょうどいい(コレがちょうど良かったかは、まあビミョウだけれど)本を探していて 「おおお、コレ高校生のとき途中棄権したままだったなー」 と、手に取った。 古典は訳も古いし読みにくいとこもあるんだけど これはもう内容がわけわからんというか。 言ってる本人が次の瞬間自分の言ったことを否定するわ、なんでそんなことするのか説明もわからなければやってる本人もわからない、というような話ばっかり次から次へと

          城/フランツ・カフカ

          中原の虹/浅田次郎

          ハードカバーで読んでいたら母が文庫を買ってきていた。 歴史的評価としてものすごく崇められている孫文が腰抜けで、ものすごくどうしようもない人間だと言われている袁世凱が(西太后もそうだけど)割といいヒトぽいという視点が新しく感じました。 コレ読むと、なんで中華の国々で孫文はそこまで「国父」など呼ばれて尊敬されているのでしょう? 清朝を倒したから? それほど西太后が『悪』になってるってことなんでしょうか? 誰か詳しい方私にわかりやすく教えてください。 先々月両親と台北に行った

          中原の虹/浅田次郎

          永遠の0/百田尚樹

          「泣くような話好き? 戦争物は?」 と職場の人に聞かれて「読みます!」と借りた本。 (私は彼に主に村上春樹を貸し、彼は私が絶対に自分で選ばないような本を持ってきてくれるのでとっても有意義な本の貸しっこ♪) 途中途中もぐっときますが、最後がもうたまらんかったー 戦争って遠い昔の知らない出来事だということもできますが、 おじいちゃんぐらいの人たちの世代の出来事だと思うと、そんな昔じゃないし、遠い昔ってフィクションみたいに思ってちゃダメなんじゃないかな…まあこれはフィクションな

          永遠の0/百田尚樹