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遠くのノスリ 探鳥会レポート<G施設編>1/4話 2024年5月

 先日、G施設というこども向け施設主催の野鳥観察会に参加してきました。
 観察場所はG施設です。

 開門前に着いたのでイベント案内を眺めていました。

 【見つけたら事務所へ連絡を!】というポスターが貼ってありました。

 炎をデザインした絵かと思ってよく見たら、カエンダケという炎みたいな形の毒キノコでした。

 「おはようございます」
 声を掛けてきたのは日本野鳥の会ニコ支部O分会長のKさんでした。

 今日の野鳥観察会はO分会の役員さん達が取り仕切ります。
 「良かったら手伝ってもらってもいい?」
 「話し相手になるんでしたね」
 「そう」

 O分会では探鳥会で「人と楽しく話す」ことを大事にしています。
 私自身も探鳥会のいちばんの魅力は会話の楽しさだと思っています。
 そういうわけでお手伝いを快諾しました。

 顔見知りの人が集まりました。
 O分会の役員、O分会探鳥会の常連さんたちです。

 参加者をざっと数えたらほぼ定員30人ぴったりくらいでした。
 相変わらず人気の企画です。

 O分会で先導役を務めるのはSさんです。
 そのSさんはスコープで何やら熱心に見ています。

 やがて顔を上げて
 「あそこにいるの、全部ハシボソガラスです!」 

 O分会長はスコープを太陽に向けて白い紙に光が当たるようにしました。

 スコープを通った太陽の光は白い紙の上に丸い形を作ります。
 光の丸の中に黒い粒。

 「この黒い点は太陽の黒点です」

 集まった参加者に見てもらっていました。

 私は鳥を探します。
 適当な鳥がいれば、それをスコープに入れて、参加者に見てもらうのですが、特に見つかりませんでした。

 気がつくと人が集まっていました。
 私も慌ててそちらに集まります。

 最初に役員の紹介がありました。
 私も役員として紹介されて、挙手、頭を下げました。

 「スコープが3台、なるべくスコープに入れますので、遠慮しないで見て下さい」
 「鳥はすぐ逃げてしまうので」
 「人をかき分けて先に見るくらいの感じで見て下さい」

 あいさつが終わり、先導のSさんが歩き出そうとして足を止めました。

 「そこに猛禽類!」

 猛禽類が2羽、南の丘の上空をゆっくり飛んでいました。

 「うん、ノスリですね」

 Sさんはひとりで完結したように言って、先頭を歩きはじめました。

2につづく。

ノスリ


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