見出し画像

ヤマドリゼンマイを見ながら 探鳥会レポート<B湖編>2/5話 2024年5月

 先日、みやま会の探鳥会に参加してきました。
 場所はB湖です。

 今回はゲストとして日本野鳥の会 参事 安西 英明さんをお招きしての探鳥会でした。

 探鳥会ご一行はB湖の畔に立ちました。

 ウグイスとホトトギス、カッコウの鳴き声がよく聞こえました。

 安西さんは
 「カルガモの赤ちゃんがいそうだけど出てこない」
 「東京では話題になるけれど、こういう所では隠れていて出てこない」

 「カッコウもホトトギスも泣くのはオス、メスは鳴かないです」
 「カッコウのメスはピィピィピィ」
 「ホトトギスのメスはピッピッピ」

 「カッコウとホトトギスの鳴き声が大きいのは縄張りが広いからです」
 「広い縄張りを持ったオスを、メスは選びます」

 役員が湖を向いて左側に行くと説明しました。

 探鳥会ご一行は草を踏み分けるように歩きだしました。
 左に少し進むと、湖の周囲を一周できそうな細い道に出ました。

 安西さんはクモを見つけました。
 「オニグモ」と言ったように聞こえました。

 木に絡まったツタを指して
 「ツタウルシ、これはかぶれます」
 参加者が「紅葉はきれい」というと「そうですね」と安西さん。

 木の表面が緑色に覆われているのを見つけて足を止めました。

 安西さんは
 「この木に付いているのは地衣類、鳥の巣材になる」
 「地衣類を巣材にするのはエナガ、サンコウチョウ、サンショウクイ」

 「菌類です、植物ではありません」
 「植物プランクトンが入っている」
 「ウメノキゴケなんて名前があるから間違えられやすいけどコケではありません」

 安西さんは続けます。
 「東京では地衣類が見られなくなりました」
 「エナガは巣に何を貼り付けているんだろうと思って探したら、スポンジを付けていました」
 参加者は「えー」とビックリ。

 探鳥会ご一行は少し歩きました。

 安西さんは高さが1メートルくらいの小さな木に近寄り
 「ニワトコ、これはプレパラートの材料になります」

 ニワトコの若い芽は白い毛に覆われていかにも柔らかそうでした。

 「ニワトコの木の下で愛をささやくと愛がみのるといいます」
 「そう話したら、こんな背の低い樹下で愛をささやけば、そりゃあ愛もみのるでしょうって言われました」

 ニワトコの葉から地面まで50センチくらいでした。
 なるほどと納得する大人参加者です。

 上空を賑やかにヒヨドリが飛びました。

 「ヒヨドリがいますね、つがいかな・・・あ、3羽いますね」

 「ヒヨドリは歌わない」
 「オスはヒヨヒヨ鳴くけれど、メスもヒヨヒヨ鳴くので、さえずりとは言わない」
 「ヒヨドリのメスは巣作りと抱卵をします。オスは付いていくだけ」

 安西さんはニワトコに話を戻して
 「新芽はだいたい毛に覆われているか、べたつきます」
 「これは虫対策ですね」

 湖の岸に茶色っぽい穂のようなものが生えていました。
 「あれはヤマドリゼンマイ」
 「ヤマドリの尾に似ているから」

ヤマドリゼンマイ

 近くの木を指して
 「これはミズナラ、これがあるのは標高が高い」

 ふと耳をすまして
 「アオジが鳴いていますね」
 「シシシというのがアオジです」

 一生懸命耳をすませる私。
 人の気配が多すぎると大抵の音は聞こえません。

 後ろからスコープ隊のOさんが来て
 「先生、そこにアオジ!」

 安西さんはポケットから図鑑と鳥の鳴き声タッチペンを取り出しました。

 「アオジ」
 タッチペンを図鑑に当てると「ピィ、ピィ」

 「ホオジロ」
 タッチペンは「ピー、ピーピッ」

 「ホオジロより遅いとアオジ」
 「先生、ノジコは?」

 白雪さんのリクエストに応えて、安西さんは図鑑のノジコにペンを当てました。
 「ノジコ」
 タッチペンは「ピッ キュッ」

 (この辺は頑張ってメモしたのですけど、うまく聞き取れてなかったらすみません)

 やがて右側に湿地が見えてきました。
 木道があって、その両側に枯れた葦が生えています。

 安西さんの話は続きます。
 「ホトトギスが越冬する場所はまだよくわかっていない」
 「確実なのはアフリカ、セイロン、スマトラで越冬しています」

 役員が「これはザゼンソウです」と足元の植物の名前を教えてくれました。

3につづく。


この記事が参加している募集

#最近の学び

181,718件

#学問への愛を語ろう

6,233件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?