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早朝、霧の湖 探鳥会レポート<B湖編>1/5話 2024年5月

 先日、みやま会の探鳥会に参加してきました。
 場所はB湖です。

 「深山(みやま)高原野鳥の会」という、ご当地の鳥好きな人が集まる愛好会みたいな感じです。
 今回はゲストとして日本野鳥の会 参事 安西 英明さんをお招きして探鳥会が開催されました。

 日本野鳥の会会員にしてみたら、本部の参事だなんて雲の上の人です。

 参加して、とっても面白かったです。

 安西さんの話の面白さは、その背景にある知識の厚みにあると思いました。
 野鳥の知識が地球レベルなのです。

 前置きが長くなりましたがここからは普通の探鳥会レポートです。

 B湖は標高の高い場所にある湖です。
 鳥を見に行くのは初めてだったので楽しみにしていました。

 ナビのおかげで迷うことなく着きました。
 車についている温度計は10度、周囲は濃霧に包まれ、寒そうです。

 車の中に入れたままだった薄手のダウンを羽織りました。
 まさか5月下旬にダウンの出番があるとは。

 みやま会には4月に入会したばかりですが、ゆる支部ニコ支部の顔見知りが来ていたのであいさつをしました。

 「おはようございます、寒いですね」
 「キャンプ場のトイレを使えるみたい」
 「受付はそこ」

 私と同じようにダウンを羽織っていたのは、探鳥会で最初に親しくなった初江さんと旦那さんのIさん。
 トイレを教えてくれたのはスコープ隊のOさん、奥様の彩美さんは相変わらずコーディネートが決まっています。
 受付の場所まで案内してくれたのは雪のように色が白いの白雪さんでした。

 支度とトイレ、受付を済ませました。

 私たちが集まっているところへ声を掛けてきたのはゲストの安西さんでした。
 安西さんが声を掛けたのは白雪さんです。

 「あなた、いい長靴を履いていますね!」

 白雪さんは日本野鳥の会の長靴を履いていました。
 さすが、日本野鳥の会本部の人、目を付けるところが違います。

 さらに白雪さん自身もすごかったのです。
 羽織っているパーカーから下に来ているTシャツ、背負っておるリュックまで、全身野鳥の会公式グッズ!

 「おぉー」

 安西さんは白雪さんのリュックに着いている缶バッジをひとつひとつ見て
 「クマゲラ、ルリビタキ・・・」

 次にリュックに付いているマスコットを手にしました。
 「これはコチドリでいいと思います」

 「コチドリの大きさは14センチ、イカルチドリの大きさはもう少し大きくて18センチ」
 「イカルチドリだったらアイリングが(マスコットよりも)薄い」
 「見分けるのに特徴的なのは鳴き声です」

 安西さんはポケットをごそごそ。
 鳥の鳴き声を再生する日本野鳥の会公式グッズと図鑑が出てきました。

 安西さんがコチドリとイカルチドリの鳴き声を再生しようとした、まさにその時、定刻になってしまいました。

 「集まってください」

 残念!

 あいさつと今回のコース説明がありました。
 ゲストの安西さんの紹介もありました。

 安西さんはあいさつの時に
 「東京では絶滅危惧種のカッコウやホトトギスの声が聞けました」
 と言っていました。

 「気をつけて横断してください」

 気がつくと先頭は歩きはじめていました。
 道を渡るとキャンプ場が広がっていて、たくさんの人が利用していました。

 道を渡りきると私は急いで安西さんの声が聞こえる場所に移動しました。

 安西さんはスズメのことを話していました。
 「スズメも留鳥だと言われているけれど移動するんです」
 「若いスズメなんかが移動します」
 「近親交配を避けるための仕組みだと言われています」

 安西さんは近くのタンポポを指して
 「タンポポは、花は背が低く、種は高いところに伸ばします」

 安西さんは近くに生えていた木に近寄ると若芽をなでるようにしました。
 「これはブナ科」
 「葉っぱがうつむいているのは赤ちゃん」

 太い木に、ツタが巻き付いていました。

 安西さん曰く
 「山ウルシです」
 「これはあまりかぶれない、肌の弱い人は注意」

 歩道にはオオバコという丸みのある葉っぱが生えていました。

 「オオバコは人が歩いたという証拠」
 「道に迷ったらオオバコを探すといい」
 そう言って安西さんは先に進みました。

 キャンプ場の脇を歩き、探鳥会ご一行は湖の岸辺に立ちました。

 しんと静かな湖でした。
 霧で、周りの景色はかすかに見えるばかり。

 ウグイスとホトトギス、カッコウの鳴き声が聞こえました。
 鳥の声が賑やかなのにとても静かに感じるのでした。

2につづく。


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