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自然に目を向けて 探鳥会レポート<B湖編>5/5話 2024年5月


 先日、みやま会の探鳥会に参加してきました。
 場所はB湖です。

 今回はゲストとして日本野鳥の会 参事 安西 英明さんをお招きしての探鳥会でした。

 安西さんは鳥の説明をするのにも全身を使って大きくジェスチャーします。

 特にカッコウのまねがうますぎて、カッコウの尻振りが『おしっこもれちゃう』にしか見えなくなりました。
 ここだけは、なんてこった、と思いました。

 安西さんは
 「北海道では、カッコウはノビタキに托卵します」
 「ノビタキは草原のスタイリストと呼ばれています」
 「その心は、いつもカッコウを気にしている」

 ふむふむとメモする私。
 後ろで彩美さんが「メモしているよ」と言ったのが聞こえて、それもメモメモ。

 安西さんの話は続きました。

 「鳴き声はバリエーションが多いほどモテる」

 「あれはイカルですね、キーコーキー」

 参加者が「センダイムシクイ!」と言いました。
 近くでセンダイムシクイが鳴いているのだそうです。

 安西さんは「すいません、私には聞こえなかったです」と答えました。
 聴力が弱い私は親近感。

 聞こえる人たちはセンダイムシクイの声を楽しみました。
 私は参加者が口まねをする「チヨチヨチー」を楽しみました。

 安西さんは花にも詳しかったです。

 「スミレは蜜壺が墨入れに似ているからスミレ」

 「あれはマツヨイグサ、カワラヒワが大好き」

 表面がごつごつした木を指して
 「これは檗(きはだ)、コルクみたいな皮をむくと黄色い」
 「胃薬になります」

スミレ

 探鳥会ご一行はまた元のキャンプ場に戻ってきました。

 上空をハシブトガラスが飛んでガァーガァーと鳴きました。

 「山はハシブトガラス」
 「カラス科はにごった声で鳴くのが多いけど、ハシブトガラスは『カアカア』と澄んだ声で鳴きます」

 参加者がなにか言おうとすると
 「あれは怒った『ガアガア』です」

 探鳥会ご一行は集合場所の駐車場に戻ってきました。

 全員が揃うまで安西さんがいろいろ話を聞かせてくれました。

 ハリオアマツバメという、ずっと飛んでいるツバメの話題になって
 「ハリオアマツバメは女王アリが飛んでいるのを食べます」

 安西さんはリュックサックを下ろして、中から羽根コレクションを出しました。
 その中からハリオアマツバメの羽根を出して見せてくれました。

 「痛てて」

 見慣れた鳥の羽根は上部が丸くカーブしていますが、ハリオアマツバメの尾羽の先端は注射針みたいでした。
 だから針尾なのかと感心していました。

 参加者が全員戻ってきたところで鳥合わせを行いました。
 鳥合わせとは探鳥会で見た鳥を確認し合う作業です。

 みやま会では種類ごとに確認していきました。

 役員のSさんが質問します。
 「ワシタカ類は?」
 参加者は一覧表を見て、その中から見た鳥を言います。
 「ノスリ!」

 なんだか掛け合いみたいで、ほのぼのしました。

 最後に安西さんからあいさつがありました。

 「鳥はなんのために生きているかというと、繁殖のためです」
 「人間はなんのために生きているのか悩むけど、それは人間だけです」

 「鳥の観察から繁殖のドラマが見えてきます」

 「当たり前の自然がどれだけありがたいかが見えてきます」
 「当たり前の自然がどれだけ危ういかも見えてきます」

 「ありがとうございました」

 探鳥会が終わった後も、参加者は安西さんを囲んで離れませんでした。
 いろんな質問に安西さんは答えていきました。

 羽根コレクションが回ってきたりして、じっくり手に取って見ました。
 乾燥した翼を手に持ったのは初めてでした。

 話の中でいちばん面白かったのは「安西さんが講演会でクイズに正解した人に配る景品」でした。

 小さなジップロックに入っていて
 「カワセミみたいな色のインコの羽根」
 「トンボの頭の化石みたいなカラスウリの種」
 という面白い名前が付いていました。

 面白い探鳥会でした。
 詳しい人がいるとこんなに面白いのかと思いました。

 鳥についてはまだまだ勉強しないといけないなと、いい心境の変化をいただきました。

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