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鳥見の日記

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バードウォッチングのためにあちこち遠出した時の記録で、特にお気に入りをまとめました。
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#鳥見メモ

白鳥飛来の古沼6

白鳥飛来の古沼6

城沼の遊歩道をどんどん進んでいたモカさんが、急にくるりと向きを変えました。

あれ、どうしたのかなと思ったら、モカさんは
「ここで1,500だよ、ここから戻って3キロ」
「そっか」

このままでは、もう一周してしまう。
それはさすがに歩きすぎなのでUターンする事にしました。

私の脇をすっと飛んでいく鳥の影があり、5メートルほど先の藪の中に止まりました。「

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白鳥飛来の古沼5

白鳥飛来の古沼5

再びスタート地点に立ちました。
 モカさんは真っ直ぐ枯れ草の生えた所に近づきました。
 「メジロだ」

 緑色のメジロがたくさんいるのを見て、私は
 「メジロって必ず偶数なんですよ」
 ちょっと得意げに言ったら、いきなりモカさんに膝カックンをされました。
 「はうっ!」

 モカさんはたぶん
 「偶数?何を言っているん」
 「ラブに決まっているでしょ!」 
 と言いたかったんじゃないかと思い

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白鳥飛来の古沼4

白鳥飛来の古沼4

城沼は水路のように細長い沼です。
 午前中は太陽を背にしていましたが、後半は太陽が前にあります。

 「午後は逆光だね」
 仕方がないと言い合って先を進みました。

 午後は少し風が出てきて、寒く感じるようでした。
 モカさんは
 「上着を着てきて良かった」
とのこと。

 遊歩道脇にアシがたくさん生えた場所がありました。

 モカさんが足を止めたので、私も足を止めて
 「何かいた

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白鳥飛来の古沼3

白鳥飛来の古沼3

城沼は白鳥が飛来するので知られています。

城沼の近くにも白鳥が見られる場所があるのですが、夜になると城沼に飛んでくるそうです。
食事のために移動するけど、安心して眠るなら城沼がいいと白鳥が選んでくれているように思うのです。

 遊歩道を少し歩くと沼が湾のようにひらけた場所に出ました。
 正面に太陽が来て、日光が水面を反射しキラキラと光っています。

 キラキラした光の中、白鳥が

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白鳥飛来の古沼2

白鳥飛来の古沼2

江戸時代に館林城というお城があったところは、現在、市役所や図書館、公園やプラネタリウム、文化会館などが並んでいます。

 かつては敵の侵略を防ぐお堀としての機能もあった城沼も、今は周囲5キロメートルの遊歩道に囲まれた市民憩いの公園です。

 白やピンクの梅と、黄色いロウバイが青空の下で花を咲き競っています。
 花の時期には少し遅いくらいでしたが
 「いい匂いだね」
 そう言い合って園内を進みま

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白鳥飛来の古沼1

白鳥飛来の古沼1

鳥見仲間で茶飲み友達のモカさんからメール。
なんでも城沼に行きたいらしい。

現在は開墾されて細長い沼ですが、その昔、城下町が広がっていた頃はお城の堀として使われていました。
それで、城沼。

モカさんと足を運んだのは、晴れているけど寒い、2月のある祝日でした。

車を降りて、思ったより風が冷たくないことに安堵しました。

駐車場から見える古い日本家屋を指してモカさんが

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