白鳥飛来の古沼6
城沼の遊歩道をどんどん進んでいたモカさんが、急にくるりと向きを変えました。
あれ、どうしたのかなと思ったら、モカさんは
「ここで1,500だよ、ここから戻って3キロ」
「そっか」
このままでは、もう一周してしまう。
それはさすがに歩きすぎなのでUターンする事にしました。
私の脇をすっと飛んでいく鳥の影があり、5メートルほど先の藪の中に止まりました。「あ、鳥」
「カワセミじゃん」
「そうなの?」
私には鳥が飛んでいったのが見えただけだったのです。
二人で、なるべくそっと近づいて、撮影開始。
藪の中なので、手前の草に焦点が合ってしまい、肝心のカワセミにはなかなか焦点が合いません。
ジリジリと近寄ると、カワセミは気配を察して飛んで行ってしまいました。
私は沈んだ口調で
「焦点が合わなかったよ」
こう打ち明けると、モカさんもカメラのデータを見返して
「こっちも」
二人とも、まったくカワセミを撮れていなかったのです。
まさかの、でした。
引き返す間、モカさんはずっと
「それにしても、あの青さは珍しかった。あんなに青いカワセミは初めて見た」
こんな感じで、カワセミの青さを褒めていました。
後で写真を見返したら、ピントは合っていなくても、きれいな青さは映っていました。
緑がかったような水色ではなく、ロイヤルブルーと呼んでいいくらいの高貴な青だったのです。
惜しかったと、心底から思いました。
次に城沼に行くときは、ベニマシコとカワセミ狙いで足を運びたいと思います。
noteで初めて長文にチャレンジしてみました。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
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