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図書の分類記号:図書館の地理を歩く

 今回は図書の分類について書いてみます。私はいわゆる読書家の皆さんのようにたくさんの本を読むことはありませんが、調べものでよく利用するので、図書館が好きです。そして、ずっと気になっていた図書の分類記号について、今回少し詳しく調べたので、まとめてみます。タイトルの「図書館の地理」というのは、図書館がどこに建っているということではなく、少し比喩的に、図書館の中の書籍の並びを世界のとらえ方の一つとして考えるという意味です。ヘッダーは地理院地図でみた国立国会図書館です。何度かお世話になりました。

 さて、図書の分類記号は百の位で大きく10に分かれており、その下にさらに分類があります。地理学の場合は290番台にあり、さらに細かく290の下に290.176(これは村落地理学です)のような分類があります。日本の図書の分類法は日本十進分類法(NDC)と呼ばれています。

 Webサイトの中では、岡山県立図書館さんのサイトが見やすくて分かりやすかったです。

 科学を大きく区分したときに用いられる人文科学(あるいは人文学)、社会科学、自然科学の分類でみると、人文学は哲学、歴史学、文学(哲史文)から主に構成されます。人文学で、100番台に哲学、200番台に歴史学があるのは分かるのですが、900番台に文学があるので、なぜ離れているのだろうと思っていました。しかし、0番台の総記を真ん中にして、分類記号を丸く描いた図を見て納得しました。他の分類についても、近い内容は確かに近くに並ぶようになっています。下の掛川市立図書館さんの図が参考になります。

 図書の分類は、図書館を歩いているときに、どこにどんな分野の本があるのか分かりやすいので助かります。また、学問分野の間のつながりを感じるための参考とするのにも良い例だと思います。

 余談ですが、私は学生時代、大学の図書館でアルバイトをしていました。返却された本を書架に返しに行くついでに、自分の読みたい本を借りていました。また、普段なら足を踏み入れないような地下の書庫にも行く機会があり、おかげでいろいろな本の所在を知ることができました。

 図書館の中の図書の配置を知ることは、結果としてこの世界のとらえ方を図書の視点から知ることになります。そして、それがさらに1つひとつの本棚の中での並びへの注目につながり、本棚での新しい本との思わぬ出会いにつながります。

 図書の分類についてはさらに調べて、図書館の地理について深く考えていきたいと思います。

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